昨日は、久しぶりに図書館に行ってパソコンを開いたのですが、なんとなく落ち着かなくて早めに切り上げて帰ってきました。本棚が近くにあると、どうしてもどんな本が置かれているのだろう、配架方法はどうなっているのだろう、利用者の方は何をされているのだろう等々、気になりだしてしまい終了。
以前、公共施設のスタッフさんが、私の試験勉強中に伝えてくれました。「女性は自宅にいると、あれをしないとこれをしないとって、目で仕事を探してしまう所があるから、いつでもこちらの施設で集中してくださいね。」と。二児のお母さんである先輩ママの言葉は本当に有難かった。家の中というのは落ち着くのだけど、やろうと思えば山のように家事があるわけで、そこから脱出することを教えてくれた頼りになる方です。
最近、あるカフェの店員さんと話す機会があり、他のカフェに行ったりすることもあるのか聞いてみると、「なんとなく自分で煎れる珈琲の方が美味しいような気がしてしまい、意外と行かないんです。」なるほど~。非常に興味深い。そして、なんとなく気持ちが分かるよ。
大学図書館で働いていた時、ミーティングの中で、上司がこんな話をしてくれました。「乗る電車が変わり、朝の通勤ラッシュの最中、人身事故で他の電車に乗り換えなければならなくなりアナウンスがあったのだけど、普段乗り慣れていない電車だったので戸惑ってしまってね。そこにもうひと言付け加えてくれたら、慌てることなく乗り換えができたと思う。慣れている人にとってみたら、何も問題はないと思うのだけど、初めてその電車に乗る人は説明が増えるだけで、違っていたのかもしれないね。図書館の利用者の方も、色々な人達がいる。ひと言付け加えることで、助かる人もいるのだということを忘れないでほしい。」なんだか、朝からジーンとしました。通勤電車と図書館か~。全然違う所で、上司は図書館に当てはめ、色々なことを感じていることに、それを職員に伝えることで皆の心のサービスが統一されるように、いつも考えてくれている気持ちが伝わり、上司のそのひと言で優しさが追加されたような、嬉しいミーティングでした。
自宅の本棚はどうなっている?という話を図書館事務室で盛り上がった時のこと。「どうしても本の背は、棚のギリギリにきっちり揃えないと気が済まない。」「文庫は著者順に並んでいないと落ち着かない。」等々、思いっきり職業病が出ていて皆で盛り上がった後、私の一人暮らしの自宅を聞かれました。「全部保管していたら、狭い家が本で埋もれるので、あまり手元に残っていないです。」その話をしたら、先輩からひと言。「今度廃棄をする仕事があったらSさんにお願いしよう!潔く判断してくれるかもしれないよ。」
そんな話を冗談で言われ、時が流れ、アジアのある国の本が輸入された時のこと。不備がないかパラパラめくり確認をしていたら、見たこともない虫が挟まれていて、しかもその本が虫食いにあっていて、悲鳴を上げました。「この本は廃棄した方がいいですよ。だって一部が読めませんよ。」そう先輩に伝えると、その国の言語を教える教授が後日返事をくれました。「虫食いのところで、何が書かれていたのかを学生に想像させるのも、語学やその国の文化を学ぶ上で大切なことだから、その本を使います。」なんて斬新!!
本には色々なものが挟まれている。文庫をいつも持ち歩いている以上、図書館の数えきれないエピソードを思い出すのは自然なこと。