名古屋ー横浜間の優しい旅

最近、横浜に行く用事があり、ふと、笑える一人旅を思い出しました。
やっぱりそこの地域に行くと、楽しかった思い出がよみがえりますね。街の雰囲気が呼び起こしてくれる優しい時間です。

大学4年の終わり頃、卒業論文も書き終わり、単位も資格も取れて、ほっとしていた2月、姉が「横浜出張があるから後で来る?」と誘ってくれました。
貧乏学生だった私は、いかに安く横浜に辿りつくか考えた結果、夜行バスという選択。
まだ学割が使える!と一人で盛り上がり、ボストンバッグに荷物を詰めて、深夜の名古屋駅へ。

眠いけど、初めての夜行バスや横浜行きにドキドキしてしまい、ほとんど眠れず早朝の横浜駅に到着。姉が宿泊しているホテルの場所は聞いていたけど自信が無くて、道行くサラリーマンの方に聞いてみたら、すぐ後ろにあり、お礼と謝罪でもう訳が分かりませんでした。
ようやく姉のいる部屋に到着し、お互い眠くて、挨拶もそこそこに夜待ち合わせをすることに。

仮眠を取った後、ガイドブック片手に、ずっと行きたかった中華街へ。
通りで売っていたでかでか肉まんと、タピオカジュースを買って、山下公園のベンチに座ったら、港がとても綺麗で、ベイブリッジも見えて、左を向いたら、みなとみらいの綺麗な景色まで目に入り、卒業できるんだと改めて思ったら、胸が詰まって、肉まんもタピオカジュースも詰まり、一人で泣き笑いしました。

父が家を出た時、何度も中退の文字が頭を過った学生生活。
沢山の人に支えられて、卒業できると改めて実感した横浜港。みなとみらいの景色を見た時、竜宮城かと思いました。こういう場所があったんだ。頑張って、本当に良かった。

夜、横浜駅で姉と待ち合わせをし、中華街に行こう!と誘われ、まさかのダブルヘッダー。
でも、昼と夜の雰囲気が随分違って、姉と食べたコース料理は、笑い転げていたから味は覚えていないけど、とっても楽しかった。

翌朝、「スタバでお腹を満たしてから帰ってね。」と千円を渡されて、姉の優しさを感じながら、チョコスコーンとラテを注文。これから仕事に行く一人客の女性の方が多く、とても格好よく感じて憧れました。
私も、あんな風になれるかな。

そんな余韻に浸りながら、JRの窓口へ。
「横浜駅から名古屋駅まで在来線で帰りたいので、一番乗り換えの少ないルートを調べてもらえますか?」という私の無茶ぶりに、苦笑しながら時刻表をめくってくれた男性職員さん。
「熱海と浜松乗り換えで済む時間、あったね~。」と驚きながらも教えてくれて、気を付けてね!の温かい言葉を背に、東海道線へ。
姉と過ごした中華街の時間と、大学生活をゆっくり噛みしめた、腰が痛かった6時間の優しい電車の旅でした。