野球の面白さをどう伝えるか

私の意外な趣味は野球、息子の野球チーム見学は、月に一度ほど行かせてもらい、やはりまだ早いと感じたので、様子を見ることになりました。
心からそのスポーツを楽しんでいるコーチの方達は、とても優しくさわやかで、家族で自主練習してから時期を見て、また改めて行かせてもらおうと思います。

自慢のマイグローブは、義兄が私の23歳の誕生日にプレゼントしてくれたもの。
受験の時、第一志望だった関東の大学も、姉が勧めてくれた関西の大学もやめて、地元愛知の大学を志望。
義兄は、まだその当時大学4年生で、姉の友人の一人でした。「妹がそこの大学を志望しているの。野球が好きな子なんだよね。」と伝えたら、キャンパスの見学においでと誘ってくれました。
正門で会い、キャンパスの案内をしてくれるかと思いきや、「一緒にキャッチボールしよう!」と言われ、渡されたのが右利き用のグローブ。
まさか私が左利きだとは知らずに、謝られてしまったのですが、左手でボールを投げて、左手にグローブをはめてキャッチすればできるので、広いキャンパスで初対面の義兄とまさかのキャッチボールでした。

色々話す中で、私がどんな思いで地元の大学を選ぶのかを察して、伝えてくれました。
「僕の両親もね、あまりうまくいっていなくて兄が出た時に自分が何とかしないとって思っていたから、気持ちとても良く分かるよ。ここね、いい大学だよ。安心して入っておいで。」
優しさと秋の日差しに包まれて、迷いが無くなった忘れられないキャッチボール。

私が入学し、義兄がアメリカに留学するために大学に用事があり、会いに来てくれた時のこと。
「僕は君のことを妹のように思っているから、何かあったら連絡して。」とPCアドレスを渡してくれて、とても心配そうにされました。
それは、残される人がどんな気持ちになるか知ってくれていたから。
ぐっと堪える私にかけくれた言葉は、「またキャッチボールしよう。」本当に嬉しかった。

その後、姉と結婚し、本当に義理の妹になった私にプレゼントしてくれたのが左利き用のイチロー選手モデルのグローブ、今でも大切な思い出と共に使っています。

プロ野球ファンとして、忘れてはいけないのが野茂英雄投手。当時の近鉄バファローズで活躍し、メジャーリーガーのパイオニアになってくれた素晴らしい投手です。
メジャーで活躍できるか分からない中で、様々なことを言われても自分の信念を貫き、現地でノーヒットノーランを達成し、仲間にマウンドで抱き上げられ、何とも言えない喜びと安堵と優しさに溢れた表情が今でも忘れられません。

野茂英雄さんが、英雄(えいゆう)になった瞬間でした。

息子には伝えたいことが沢山あります。でも、まずはゆっくりボール投げを楽しもう。
そして、心のキャッチボールができる人になってね。