息子が半日授業の時は、時間もないのですっかり利用するようになった近くのスタバ。そこで、幼稚園時代の女の子のお母さんが勤務をされていて、その当時は彼女がバス便ということもあり参観日に見かける程度だったのですが、こちらのことを覚えていて驚いたことがありました。注文したタンブラーを受け取りにきた際、「お名前を伺ってもいいですか?」と聞かれ、「○○です。」と答えると、ふふっと笑われて。知っていたんですけど念の為に聞いただけですという顔をされ、一緒に笑ってしまって以来の顔馴染みに。今日も見かけたので、カウンターにいた彼女に「お疲れさまです~。」と声をかけたら笑われてしまい、二人で和みました。多分ね、そんなに仲がいい訳でもないんだよ。プライベートで話したこともないし。でも、スタバのスタッフさん特有のフレンドリーな感じと、彼女の明るさが合わさって、こちらも明るい気持ちになり、ひと言を気持ちよく受け取ってくれる人だなと嬉しくなりながら、パソコンに向かっているこんな上がり方が好き。
ピアノを演奏するスタッフさんがいる、さらに常連の他のスタバでは、去年、朝からパソコンを開いていると、職業体験で中学生の子達が数人店内のエプロンを身に付けてお仕事を教わっていました。私も混ぜてください、何度言ってしまいそうになったことか。人間力が身に付きそうで、学ぶことが多いんだろうな。『なるにはブックス』(ぺりかん社)の表紙を見るだけで嬉しくなったことを思い出し、その職業を知るって大事なこと、それを体験させてもらえるって大きなことなんだろうなと朝から感激してしまいました。ぎこちなくお仕事をしている中学生くん達、頑張れ。
大学図書館で勤務をしていた頃、キャンパス内で資料の展示をする場所を設けて公開するから、手伝いに来てほしいと声がかかったことがありました。男性の職員に、「いらっしゃった方にどのような対応を取ったらいいですか?」と聞くと、「学芸員さんのイメージでお願いします。資料を触りそうな方がいたら、それはちょっとお控え頂ければという感じで丁重に断ってもらえると助かります。」と言われ、なんとなく納得。そう言えば、学生時代、中学高校の教員免許、司書資格、学芸員の資格を4年間で全部取得していた友達がいたな。その後も大学院に進み、やっぱり努力の仕方が格段に上だったなと感心しながら思い出しました。そして、ポツポツとしか訪問者の方がいらっしゃらないこともあり、挨拶をさせて頂きながら、時に資料を見ながら、随分と緩やかな時間が流れました。本とはまた違うものを扱うのも面白いなとぼんやり思いながら、初対面の職員の男性とお片づけ。何度も内線電話で話したことはあったのですが、直接会ったのは初めてで、電話よりも全然堅さがなくすっかり打ち解け、お片付けの手を止めながら話し込んでいたので、最初に説明をしてくれた職員の方に少し怒られ、去った後に二人で吹き出してしまいました。お互いの仕事の話、人間関係の話、それぞれの夢、短時間で沢山のことを話し、胸がいっぱいに。「今日はお会いできて良かったです。また電話でよろしくお願いします。ありがとうございました。」どちらからともなく言って、笑顔でお別れ。いい一日だったな、とっても気持ちのいい日。
日曜日、その日は珍しくコーチ達の試合だったので野球チームはお休み。予め、予定が分かっていたので、両親が息子を中華街へ連れて行ってくれました。そして私は、シェアオフィスへ。昼間から段々暗くなっていくそんな時間帯にいられることの方が珍しく、センチメンタルにもロマンチックな気分にもなっていて。そういった心の流れを感じながらカウンター前を通過すると、とってもかわいい女性のスタッフさんが声をかけてくれました。「あれ?○○さんがこの時間にいらっしゃるの、珍しいですね!」「今日は見てもらえていて。」「そうなんですね!たまには一人の時間も大切ですね。」いつも息子の帰宅時間ぎりぎりまでいて、慌てて片付けて出て行くこちらの姿を知ってくれているだけに、緩やかに過ごしている私を温かい目で見てくれていた彼女。なんだかとっても沁みました。緊急事態宣言が発令されてから、ドロップインの方の利用を一時停止し、パーティションが増え、除菌グッズが沢山用意され、会員の方をどう守ればいいのだろうといつも考えてくれているスタッフさん達。それは、学校やカフェ、図書館でも家庭でも、もっとありとあらゆる場所で、どう人を守っていけばいいのだろうと、価値観が変わりそうなこの状況の中で、それでも変えたくないものがあって、本当に多くの方が地に足を付けて頑張っているのだと痛感しました。
「平日の帰宅って何時ぐらいなんですか?」「受付を終えて、9時半頃には出るようにしています。」「帰り道、本当に気を付けてくださいね。」心配しながらそう言うと、優しい笑顔でお礼を言ってくれました。利用者さんにそんな言葉をかけてもらえて嬉しいです、びっくりする程言葉の裏側が読み取れる。
日曜日の夜、7時までいた私が帰宅する姿を確認すると、「お疲れさまでした~。」と声をかけてもらい、同じ気持ちで返し、エール交換。「もうすぐ学校再開ですね。」心が折れそうな時に何気なく伝えてくれたひと言で救われたこと、どんな時も忘れない。