今日は、また朝から慌ただしく旗振り当番に行ってきました。いつもより早い時間に息子と家を出て、いつもの場所でお別れ。今回は初めて組むお母さんだったので、どんな方だろうと少しドキドキしながら信号のある所へ向かいました。すると、黄色い旗を持ち、とても穏和な表情で挨拶をしてくれたお母さん。マスクをされていたものの、アナウンサーの中井美穂さんに似ていらっしゃるなと朝から癒され、優しい時間が始まりました。何人もの子供達と元気な挨拶を交わしていると、一人の男の子が赤信号でぼーっと立っていたので声をかけることに。「おはようございます!ボタンを押してね~。」「ああ!おはようございます。」と慌てて押しボタン式のボタンを押してくれたので、ちょっと笑ってしまって。分かるよ~その気持ち。エレベータに乗っただけでほっとして、下りる階のボタンを押さずに箱の中で何度息子に突っ込まれたことか。朝から頭働かないよね~と思っていると、青になったので、「いってらっしゃい!」と再度声をかけると、ペコッと頭を下げてくれました。すると、反対側にいたお母さんが笑いながら小さく頭をコツッとしていたので、その子の母親だと分かり、何とも言えない微笑ましい光景がそこにはあって。カシャ、今朝の一枚はこれで決まり。校舎をバックにした、横断歩道での彼らの笑顔が輝いて見えました。そして時間になったので、再度挨拶をしてミッション終了。その後、もしかしてと思い、クラス名簿を自宅で見てみると、伺った名字と重なりビンゴ!と嬉しくなって。この間の授業参観で、息子の隣で相談し合っていた男の子に似ていたんだよな。小さなご縁、今日も見つけたよ。
その授業参観当日は、梅雨の真っ只中で、絶不調に襲われていました。それでも、夏休み明けのキャンプの説明会もあるということで、重い体を動かそうとあらゆる薬を飲んだものの、効かないなとブルーな気持ちで学校へ。とりあえずトイレに行き、ひと呼吸を置いて階段を上り始めると、偶然会ったのは二年生の時に担任だったT先生。残った卵巣の機能低下によるものなのか、更年期症状の一つであるホットフラッシュが出てしまっていて、半分くらくらしながらご挨拶。すると、こちらの異変になんとなく気づき、ギアを上げてきたことが分かった先生が心配をしてくれました。どさくさに紛れて弱音を吐いたものの、学校の階段の踊り場で元担任だった先生に辛さをぶちまけている場合ではないと思い、話を切り上げようとしていると、懇談会のことも伝えてくれて。「懇談会に出られなくても、資料をお渡ししますし、それで分からなければいつでも学校に連絡をもらえたら大丈夫なので。決して無理はなさらないでくださいね。」私の脱出大作戦に付き合ってくれてどうもありがとうと思いながら、そのさらに奥にあった先生の気持ちを感じました。お母さんが自分のことを二の次にする姿を僕は知っていますよ、だから安心材料を少しでも伝えておこうと思って。心の保険、覚えておいてくださいね。一人で頑張らないで、学校は、私達教員は子供達だけでなく、ご家族がいざとなったらほっとできる、そんな存在でありたいと思っています。辛い時期、共に乗り越えてきましたね。行間から滲み出る先生の言葉に感極まりそうになりながら、それでも余計な心配はかけたくなくて笑ってお別れしました。「先生も金曜日なので、たまにはゆっくりしてくださいね。」そんな言葉しかかけられなかったけど、ピーンと張り詰めた先生へのエールになっただろうか。背中を向けた時、お互いの一歩が軽くなっていることが不思議。
さてさて、息子の教室の前へ行くと、きょうりゅうの作品があり、彼らしい丸みのある工作になんだか嬉しくなりました。そして、仲良しのKちゃんと合流。分散ではなくなった参観日、人数が多くてちょっと辛いなと思っていたものの、隣にいてくれる彼女が太い幹にも思え、さりげなく寄りかかれる存在に今回も助けられました。教科は英語、いつも明るい先生の授業はテンポよく進んでいき、息子もなんだか楽しそう。そして、ふと視線を移すと、メッシのユニフォームを着ている男の子がいて、そこからなぜかヴィッセル神戸のイニエスタ選手の退団会見を思い出し、泣きそうになりました。すると、クラスのみんなで席を立って英文の練習をする時間がやってきたので随分ざわつき、そんな中隣にいたKちゃんが声をかけてくれたので、現実が戻ってきて。まさか子供の授業参観中にイニエスタ選手の退団会見を思い出していたとは、さすがの彼女も思わないだろうなと思っていたら吹き出しそうになって。そして、もう一人の男の子がCanterburyのTシャツを着ていました。あれ?ラグビーの商品を扱う会社だよね?お母さんがラグビーファン?!と勝手な想像をしていると、その子の顔が見えてこっそり歓喜。彼はご自宅でドラえもんの映画を見せてくれた友達で、ラグビー教室に通っていると以前息子が話してくれたことがありました。ボールを持ち、駆け抜ける彼を思い浮かべたら、なんだか胸が熱くなって。ラグビーファンだけでなく、プレーをしている友達にもう出会っていたなんてね。彼のハートを感じておいで。きっと熱いから。
頭も体も重すぎて、思考も思うように巡らず、そんな中でもなんとか懇談会に参加し、ずっと彼女に助けられているようでした。一緒に下駄箱を出て、キャンプの持ち物などについて話した後、伝えてくれて。「私、Sさんと同じクラスで良かった!」その言葉を聞き、わっと涙が溢れそうになりました。今日も、これまでも、きっとこれからも助けられていくのは私の方だよ、そんな言葉をかけてくれてありがとうね。育児って孤独だなって思ってしまいそうな時が何度もあった、その度にあなたの顔が浮かんだんだ。大きくなったら全部笑い話にしよう、そんな気持ちを届け合い、ここまで来たんだね。成人するまで、折り返し地点。幼稚園のスモックや法被姿が、ランドセルに変わり、あと一年半で中学の制服に変わる。高校や大学は別かもしれないけど、成人式で子供達が再会した時どんな懐かしさに包まれるだろうと思うと、堪らない気持ちになりました。未来を見せてくれる友達といたら、自分の中にあった霧が少し晴れた気がした帰り道。最終章を閉じる時、彼女にはいてほしい、それまで沢山の景色を見に行くことにする。