息子の修学旅行説明会前日、そういえば何時からだっけ?と日にちは分かっていても資料をどこかにやってしまうおかしな習慣がついてしまい、慌ててリサーチ。すると、過去のメールから詳細を見つけ、4時からであることが分かりました。夕方ということは、息子が帰宅してからだなと頭の中でタイムテーブルを作成。小学校へ行くのもあと何回だろう。時間ってやっぱり早いな。味わうよりも先に進んでいる気がして、行事だけでもスローになってくれたなら。だから、その一秒が大事。
とは言うものの、当日は変な天気で朝から気が重く、大勢の中に行くことは気合いが必要だなとなんだかそわそわ。それでも、元気よく帰ってきた息子に別れを告げ、勢いで学校へ向かいました。すると、全然お母さん達に会わず、あれ?朝の4時だった?!そんな訳ないよねと思いながらグラウンドを歩いていると、息子との会話が思い出されて。エンジェルスロスが半端ない息子は、ドジャース戦を観ながら伝えてきました。「ボク、まだ大谷君がドジャースに行ったこと、信じていないんだよ。」「え?大谷君、ドジャースのユニフォーム着てるよ。うちのテレビだけこの映像が流れているの?!」「うん。」そんな訳ないやろ!ネットでも移籍のニュースが思いっきり流れていたわ!!と思いながらも、慰めることに。「ドジャース対エンジェルスの試合、いつかテレビで観られるかもしれないよ。」と言っても、なんだかグダグダ言っていたので、半笑いしながら放っておくことに。メジャーでも、それだけ好きなチームに出会えて良かったね。
そんなこんなで、私だけ時間を間違えたか?と思いながら、階段を上っていくと、廊下の先に先生達が待ってくれていて安心しました。「こんにちは!」校長先生と旧担任の先生、今の先生の3人に会い、資料を受け取りながら質問したいことができたので、一番近くにいた広島カープファンの先生に聞くと、元気に答えてくれました。そして、先生が好きな大瀬良投手、ノーヒットノーラン達成しましたね!と伝えたかったものの、校長先生も今の先生もそばにいて、説明会前だし、引く程野球が好きなことがバレてもいけないと思い、さらっと別れることに。でも、先生の気持ち受け取りましたよ。R君のお母さん、一山越えましたね、そうでなくっちゃ。ありがとう、先生。その後、教室に入り、一番端の席に座りました。次々にやってくるお母さん達、仲のいい談笑が聞こえ、説明会が始まって。目的地は日光、そこは元夫とまだ恋愛中に訪れた場所でした。いろんな気持ちが交錯、それでも、映し出された日光の風景を見て、彼と過ごした時間を全く黒く塗りつぶしていない自分がいて、微笑みたくなって。出会えて良かった、その言葉に嘘はないのだと。そして、今の担任の先生の声を聞いていたら、心地良さを感じて。息子が好きなトーンだ、そう思いました。受け取る側のことを気にしながら、言葉を切って落ち着いて話してくれる、その配慮が安心と先生の人柄を感じさせてくれるのだと。教え子だった旧担任の先生は隣で感慨深いだろうなと、なんだか優しい気持ちに包まれました。説明会は終わり、ぞろぞろと帰る中で、たまたまその日は誰にも会わず階段を下り、ふとネネちゃんと話した会話が思い出されて。それは別居をして半年が経った北海道旅行から帰った後のこと。「Rと旭川に行った時にね、この土地で二人のことを知っている人は誰もいなくて、なんだか気が楽だなって思ったの。しがらみのようなものにちょっと疲れていたのかもしれないね。」その話を聞いた姉は、深く頷き伝えてくれて。「今住んでいる場所で、Sちんが作ってきた人間関係もある。寂しくなることもあるんじゃないかな。」2年前の自分に伝えたい、そのしがらみの中でも、沢山支えられていくよ、だから茨の道ばかりじゃない。ネネちゃん、信じた道進むよ。
どんよりとした雲が広がっていた空の下、停めておいた自転車を出すと、Sちゃ~ん!と再会を喜んでくれたのは、広報委員で一緒だった友達でした。目の前がぱっと明るくなり、いきなり直球が飛んできました。「○○は今日休んでさ~。」「え?大丈夫?」「平気平気。熱はないけどちょっと風邪気味だったんだよ~。」そう言われ、全く自宅の方向が違うので校門前でバイバイしようと思っても、長話する気満々で、結局立ち止まり雑談開始。「もうさ、ゲームばっか。一度、そんなに好きなら飽きるまでやってみたらって言ったら、本気で飽きないの。ゲームって飽きないようにできてるね~。もう毎日バトルだよ。」この時点で、大分おもしろい。気が付くと後ろが少しお母さん達で渋滞していて、ちょっと申し訳ないなと思いつつも、彼女の話は止まらず。「男の子ってさあ、返事はするのに聞いていないの。」「ああ、うちもだよ。」と同感。「あれってね、とりあえずお母さんの話は聞いたよって合図みたい。実際中身は聞いていないんだよ~。」なんだそれ!!ともう校門前で大爆笑。その後も、一人っ子の男の子あるあるで、あのマイペースはなんなんだと散々二人で盛り上がり、最後に伝えました。「でもね、私達子供が一人だから、何もかも最初で最後で、もう6年生もあっという間だから小学校生活楽しもうね。」すると、しみじみ「そうだね。」と頷いてくれました。なんだかいい時間。途中で、仲良しのKちゃんが挨拶しながら通過し、記事の中の広報委員の友達だなと彼女だけ答え合わせをしてくれたのがなんとなく分かり、余計に笑えてきて。お母さん達はみんな帰宅し、5時のチャイムも鳴ったので、「また参観日に会おうね!」と締めの言葉に入ると、「うん!でさ~。」と話を終わらせないものだから、お腹の底から笑ってしまい、夕方の校門前のエンドレスなひとときまでもが自分のアルバムに残っていくのだと思いました。彼女は気づいている、やっぱりSちゃん、引っ越ししたということは何かあったよね。カフェしたいけど、話せる時がくるまで待っているよ。直球が続いた後、敢えて投げない球があった時、友達の気遣いを感じました。だから、あなたといると時々泣きそうになって笑顔になるよ。出会ったのは2年生の終わり、一緒に卒業し、また入学式を迎え、中学の卒業まで一緒なんだね。会う度に、男の子ってさ~ってお互いの親子バトルを笑い合うのかな。心の中は快晴で帰宅。彼女は、私が話せる時を、どれだけ時間がかかっても待っていてくれるのかもしれない。