経験が物語ってくれる

息子が部活に行った週末、お昼に帰ってくると、何やら調子が悪い様子。昼ご飯を食べた後、だるそうにしていたので、体温を計ってみると7度3分の微熱が出ていることが分かりました。何かもらってきてしまったかもしれないねと安静にさせることに。ということは、時間差でこちらも移る可能性があると思い、1週間分の買い物を済ませる為に家を出ました。そして翌朝、やはり辛そうにしていたので再度熱を計ってみると7度8分。学校へ休みの連絡をし、小児科の予約を入れることに。「学校でインフルが流行っているならその可能性が高いから、しんどいと思うけど先生の所で診てもらおう。」と伝え、軽く食べてから出向きました。結果は、インフルエンザB型。予防接種を受けていたので、高熱にならなかったかもしれないねと先生に言われ、ほっ。薬を処方してもらい、タピオカミルクティを買って帰りました。大量の買い物を昨日の段階でしておいて良かったなと思いながら帰宅。長い引きこもり生活、まさかの9連休、いろんな思考が巡りそうな予感。若干くらくらするのは気のせいだろうか。

そして後日、すっかり熱は引き、学校のことが気になり出したので、仲良しのKちゃんにテストの予定はないか聞いてみることに。すると、保健体育と数学のテストが休み明けにあることが分かり、困惑しました。息子に聞いてみると、教材は学校のロッカーだということ。なんとなくだるく喉が痛いこの状況を考えると、私も保菌者かもしれなくて、取りに行かせてもらったら迷惑が掛かると頭をフル回転。するとなぜか、Kちゃんと出会った時のことが思い出されぐっときました。公共施設のキッズルーム、いつの間にか顔見知りになり、ゆっくり時間をかけて仲良くなった新米ママの頃。同じ幼稚園に行くことが分かり、親子教室でも同じクラスに。まだスモックを着た息子と彼女の娘ちゃんと4人で帰る時、どちらかが抱っこ~と言うともう一人も釣られて結局抱っこをして笑いながら帰った日。一緒に遊んだ公園も、幼稚園からの帰り道もそういえば、桜の木に囲まれていたなと。年齢に見合った悩みが出てくる、本当にその通りで、そういったことも彼女と乗り越えながらここまで来たんだよねと懐かしくなりました。忙しい夕方の時間帯に、テスト範囲を教えてくれた彼女と娘ちゃんに感謝、その気持ちはもしかしたらテスト勉強よりも大事なことなのかもしれない。
さてさて、教材がない中でどうする?と息子と作戦会議。週明け半ばにテストがあるということは、ぎりぎりで入手することはできる、あとはネットや家にある教材でなんとかしようか。こういう経験って、後々活きてくるよねと前向きに捉えることにして。まずは、インフルの症状を治すこと、それはもう大前提、その後に最善を尽くせばそれはそれで力になるのではないかと思いました。テストの終わりのチャイムが鳴るその時まで、諦めない。そんなことを思っていると、自分がインフルにかかった高校時代が蘇ってきました。急に調子を崩し、高熱にうなされ、病院の薬を飲み、ようやく復帰できることになった日、念の為再度病院へ。すると、すっかり良くなり停止期間も終わっていたので、学校への許可が医師から下りました。制服を着て、腕時計を見てみると、まだぎりぎり間に合う時間だったので、自転車を漕ぎ高校へ向かうことに。職員室へ入り、数学の先生を見かけたので、声をかけ状況を説明しました。すると、腕時計を見ながら笑われて。「6限にかろうじて間に合う時間だぞ。だったら休めばよかったのに。○○、学校好きだろ。」「好き好き!」とその場のノリで伝える私に先生はさらに笑い、遅刻扱いのサインをしてくれました。1年の時に同じクラスだった友達は、いろんなことがあり不登校気味に。2年になり、クラスは離れ、数学の担任の先生が彼女のことを気にかけていることは知っていました。職員会議で言葉を詰まらせ、泣きそうになってくれたことを、友達のお母さんが話してくれて。その後、彼女は中退、定時制高校に通い始めることに。私が大学1年生の時に、友達の卒業式があり、是非Sには来てほしいと誘われたので予定を空けました。当日、数学の先生も出席することになっていたので、どこかで拾ってもらい、一緒に向かうことに。その時、数学の男の教育実習生の方も同乗されていて、ご挨拶。先生のいろんな気持ちを感じました。うちの高校で卒業はできなかったけど俺の大事な生徒だ、そんなことを伝えたのではないかと。その後、定時制高校の体育館に入り、卒業式がゆっくり始まりました。すると、生徒さんお一人お一人、自分が元々通っていた高校の制服を着ている方が多く、胸が詰まりました。みんないろんなバックグラウンドがあり、今日この場にいるんだなと。ふと視界の中に涙を拭う保護者の方が見えて、もらい泣きしそうに。そして、友達が見慣れた高校の制服で卒業証書を受け取った時、涙腺が崩壊してしまい大変でした。手で拭うのだけど、ダムが決壊状態なので止めどなく流れ、数学の先生の視線も隣で感じ、なんだかもうあたたかさに触れるとこんな状態になるんだなと一人で大泣きしました。彼女は、定時制に行くことを躊躇っていた、おばさんも。それでも卒業式はやってきた、その日を迎えるまでどれだけの葛藤があったか、それを思うと包まれた一日に胸がいっぱいでした。よくここまで来たね。式は優しくゆったりとした波のように終わり、先生に夕飯をご馳走してもらい帰宅しました。そして数週間後、別の友達に誘われ、高校を訪れると、体育教官室の前で、卒業式の時に初めてお会いした教育実習生の方と再会。お互いが驚き、親しみを込めて話していると、2年生の時に担任だった野球部の先生が出てきて、散々冷やかされる始末。「あれ?できてるのか?!」「違いますって!!友達の卒業式で初めて会ったんです。」「そうか、なんだかいい感じだな。」そう言ってニヤニヤ。「僕、実習後もこちらでサッカーを教えていて。」「ああ、だから体育教官室にいるんですね!」とわいわい。彼もまたあの卒業式で、深く心に沁み込んだものがあったのだろう、そう思いました。先生、いい弟子ができて良かったね!と野球部顧問に胸の中で伝え、笑ってお別れました。色々あった高校生活、その一瞬一瞬が光り輝いている。

インターネットを開き、入試や定期テスト前にインフルにかかり、それでも現実を受け止めできることを頑張ろうとしている学生さん達を何人も見かけました。その姿にこちらの方が励まされて。考え方次第で、気持ちを明るい方へ持っていけるんだよねと沢山元気をもらいました。経験が教えてくれることもある、その時だからこそ感じられることがある、意味を探していきたい。がんばれ受験生、毎年毎年そんな気持ちでここにいます。桜よ、ゆっくりでいい、咲け。