後半にもう涙

息子の運動会のビデオを改めて観てみたら、やっぱり泣けてきて自分の重症度を再認識。それは、息子の成長だけではなく、担任の先生に対する気持ち。こんな可愛らしい振り付けを、50代の女の先生が丁寧に教えてくれたのかと思うと、改めてこみ上げるものがそこにはありました。ゆずの『マスカット』だけでなく、その前には、吉岡聖恵さん(いきものがかり)が歌う『少年』(作詞作曲:北川悠仁)の曲に合わせて踊るオープニングもあり、サビの歌詞で今更ながら元気をもらったような気がしています。
そんな先生とももう半分が過ぎてしまったのかと思うと、急に寂しくなりました。その先生は、1年生を希望して担任になってくださり、懇談会の時に「時々怒ってしまうんですけど、本当にみんな可愛いです。」と和やかに話してくれたその言葉に、何とも言えない温もりを感じました。絶対的な安心感に私も包まれていたのだと思います。

大学時代の教育実習は、4週間。2週間が終わった週末に泣きそうになり、社会科の教科書の内容が全く頭に入らず大変でした。まだ半分と言われればそう。でも、仲良くさせてもらっている生徒達や先生とあと2週間でお別れだと思うと、やっぱり寂しくて気持ちのやり場に困りました。そんな時にかかってきた父からの電話。「S、夜ご飯でもどうだ?」このおっさん、散々人に迷惑をかけておいて、その温度で連絡してくるか!と腹が立ちながらも、急に現実に戻してくれたことに笑いながら答えました。「今教育実習中で、全く余裕がないから1か月間は連絡してこないでって言ったじゃん!この4年間の集大成なんだよ。」「そうか、悪かったな。頑張れよ。」父の何とも言えない球は、なぜかにやっと笑わせてくれることが不思議です。それだけのことがあった、だからこそ。

岐阜の中学校で教員をやっている、とても優しかった女友達。ご両親が教員をされていて、いつも生徒達のことを考え、とても大変そうだと話してくれたことがありました。教職の講義の中で、もうなんの内容か忘れてしまったのですが、色々な意見を出し合っていた中で、その友達が両親の話を始めた時、言葉に詰まり泣いてしまいました。自分の親の教員としての姿を皆に伝えたかった、それでも沢山の想いがあり過ぎて、頑張っていることをどう言えば分かってもらえるのか、一気に色んな気持ちが押し寄せたのだと思いました。そんな姿を見た仲間の雰囲気があまりにも優しくて。言葉はなくても、大丈夫、あなたが伝えようとしてくれている気持ちは感じるから。誰もがそう思った、優しい教職課程の時間でした。教員を経験した教授もまた、そっと目が潤んだことを見逃しませんでした。

その友達が、フェイスブックをやっていた頃にたまたま私のことを見つけてくれました。ご両親がいつも学校のことを考えていたので、自分はどこかで寂しく葛藤もあり、教員への道を迷っていると話してくれた友達が、大学院を出て、先生をやっていると近況を報告してくれた時、講義中に泣いてしまった彼女の背中が蘇り、本当に頑張ったんだねって、自分のことのように嬉しかったです。そこに行き着くまでには、本人にしか分からない迷いも不安もあったはず。そんな彼女が、私のフェイスブックの投稿を見て、伝えてくれました。「“夢は叶う”Sちゃんの言葉は、進路に悩んでいる生徒達に伝えるね。私も、また連絡ができて、なんだか先生を目指していた頃を思い出したよ。ありがとうね。」友達の模擬授業で生徒役の私が当てられ、日本古代史の内容なのにうまく答えられず、こっそり耳打ちして教えてくれた優しい人。彼女の教員生活も後半戦に入っていく。
いつか同窓会をしよう。お互いが沢山語れる人になっていよう。私達が学んだ“歴史”は残しておくから。