あと何回笑顔になるだろう

今シーズンもやってきたヤクルト観戦の日、朝からそわそわして起きてきました。二人で応援歌の動画を流しながら身支度を開始。今年もTOKYO燕プロジェクトの日に当たり、緑色のユニが配られることは分かっていたので、息子に伝えました。「今日は帽子だけでいいか。」「一応緑のユニフォームは持っていくよ。」そう言われたので、一枚だけざっと畳んで彼のリュックのそばに置いておくことに。そして、洗面所から戻ろうとすると、息子がそのユニをもう一度丁寧に畳み直しているのが見えてぐっときました。自分のパジャマはベッドの上でぐちゃぐちゃになったまま、でもスワローズのユニには特別な想いがあるのだと。そして、こちらがいなくなったタイミングで畳み直したのは、私への配慮であることも分かっていて。ありがとう、相手に対する敬意をこれからも大切にしていこう、そんなことを思いながらグッズを詰め込み、家を出ました。どうか腰痛が悪化せず、無事に帰宅できますように。

そういえば、去年は膝の痛みを抱えながら神宮へ向かったなと懐かしくなりました。もう一年か、早いな。GWなので電車は混み、外苑前の駅に着くとほっとしました。そして、ファミマに寄り神宮球場に着くと、いつもよりも早めに入れることが分かり、ユニを受け取ってライトスタンドへ。大好きなGRe4N BOYZとのコラボの日で、球場内に何曲も響き渡り胸がいっぱいでした。その後、じんカラを探しに行くため、いろんなショップを回り、飲み物も買って席で早めの夕飯。息子との野球観戦、5年目かと思うと感慨深くもあって。1年目の時はまだ引っ越して3か月くらいしか経っていない時だったねと、月日の濃さを感じました。今回もその日と同じ、DeNA戦。いろんな気持ちの中で、スタメン発表の時がやってきて一気にライトスタンドの熱が上がって。選手の名前がコールされ、応援歌を歌い、ひとつになるそんな時間が好きでした。そして、プレーボール。去年、仲良くなったスワローズファンのおじさんには会えなかったのだけど、つば九郎には会えて。おかえりなさい。心の中で言葉にするだけで泣きそうでした。深夜に雨予報の影響からか、気圧は不安定で自分のメンタルも若干ぐらついているのは自覚していて、そんな時、楽天ゴールデンイーグルスから移籍した茂木選手の応援歌を歌うことに。楽天の時からの応援歌はそのままヤクルトでも引き継がれ、歌詞の中に『杜』という言葉があって、3年前に息子と歩いた仙台の街並みを思い出し涙が溢れそうでした。離婚が成立し、ずっと行きたいと思っていた仙台へ。猛暑で大変だったのだけど、船に乗り、モバイルパークでプールに入り、楽天対ロッテ戦を観た日のことが蘇ってきました。一人で育てていくんだ、覚悟を持って歩き始めていて。そんな旅先で、息子の体調が深夜に崩れ、ホテルにいたので何とかなり、3日目にバスで観光するのは急きょ取りやめました。少しなら歩けると言われたので、せんだいメディアテークを目標にお散歩をすることに。茂木選手の応援歌を歌っていたら、仙台の綺麗な木々に囲まれた中を二人で歩いた時に感じた風が、もう一度頬に当たった気がしました。予定通りにはいかなかった、でも息子の体調不良があったことで思いがけず杜の中を歩くことができた日。広い公園に辿り着き、のんびりしていました。観光というより、自分達が街に溶け込んでいたようで。新幹線の時間も忘れて、何気ないひとときを過ごしたその日、実はとても意味があったのだと思いました。その時嗅いだ木の匂い、忘れないでいよう。辿り着けなかったメディアテークは未来への宿題だ。

試合はかなりの劣勢で、途中には雨が降り出し、明後日は部活の大会だったので途中で帰ろうと息子に伝えました。すると返事が。「最後までいる!」「だったらせめて上着は着てね。2択だよ!」そう言って二人でわーわーやっている間にさらに相手チームに点が入り、0対12に。彼が空を見上げ、伝えてきました。「雨やんだよ!だから最後までいる!」本物のファンがここにいる。勝てたらそりゃ嬉しいよ、そんな試合を沢山見てきた。でもね、負け試合でも見届けたいんだ。息子からそんな気持ちを感じ、それ以上何も言えませんでした。確実に育まれているものがある、そう思って。そして、9回裏最後の攻撃がやってきました。ライトスタンドに残っているファンの方達と一緒に席を立ち、応援する温度に優しさを感じて。すると、武岡選手がホームランを打ってくれて、溢れそうになりました。息子と叫び、ハイタッチし、隣の若い女性とお母さんとも歓喜のハイタッチ。傘が一気に開き、東京音頭の大合唱が。息子のおかげでこの瞬間を味わうことができた、諦めちゃいけないなと。その後もチャンスは続き、ツーアウトになっても伊藤琉偉選手の打席でもう1点入って。もう一度傘を開き、キラキラとした時間がやってきました。そして、ゲームセット。2対12という点差での負けだったのだけど、なんだか清々しくて。試合中、母から言われ続けてきた暴言もまた思い出していました。子供の時からずっと、その度に凹み自信を無くし、それでも紙一重の所で這い上がってきたなと。その原動力はなんだったのだろう。環境に左右されるのはやめよう、自分のことを信じてあげなくてどうする?沢山考え続け、雑音が少しずつ薄れていった、そして何より出会ってきた方達に助けられてきたんだな。ふぅ、ひとつ大きく息を吐き、そして神宮の空気を吸って、息子と自撮りをして帰宅の途に。ヤクルトとDeNAファンの方達でごった返す球場の外。試合中は敵同士だったのだけど、試合が終われば同じ野球ファンで、余韻の残る帰り道もなんだかいいなと思いました。負けるとなぜか道を間違えるのは去年と同じで、若干遠回りをして千駄ヶ谷駅に到着。来年、息子は受験生、それでも変わらない気持ちで神宮に向かうんだろうな。「ママ、そういえば仙台で食べたお寿司、美味しかったね!」帰ってきてから言われた言葉に、感極まりそうになりました。茂木選手を通して、彼もまた思いを馳せることがあったらしい。人はこんな風に歩いていくのかもしれない、大事なものを握りしめて。