WBCが始まった

書く時と公開する時はタイムラグがあり、この記事がアップされる頃にはどんな結果が待っていて、何を思っているだろうと楽しみです。今日は3月13日祖母の命日、実家でその年だけ咲いてくれたたった一輪の桜を、今でも心の中で大切にしています。そして、侍JAPAN4連勝で準々決勝へ。子供の時からここまで熱狂させてくれるスポーツに出会えていたことは、こんなにも幸せなことだったのだと改めて感じています。さあ行こう。

初戦の中国戦、息子をお迎えに行き、今日からWBCが始まるから早くお風呂に入って見よう!と伝えると、急いで帰宅し、友達との約束も短時間で終わらせ、慌ただしく帰ってきてくれました。その後、早めに夕飯を済ませ、テレビの前へ。この日をどれだけ待っていたことか。6年ぶりだよ。そんなことを思いながら『君が代』を聴き、息子と共に気持ちは東京ドームの中へ入り込んでいきました。ベンチには、直前のけがで出場を辞退したカブスの鈴木誠也選手のユニフォームが。一緒に戦うという選手達の想いに胸が熱くなりました。そして、プレイボール。大谷選手の投球のすごさが、ど素人の私にまで分かり感服。「今、すごい曲がり方をしなかった?」と息子も分かったよう。「スライダーという球種なんだと思う。なんだか異次元の世界だよね。」と二人でくぎ付けに。その後、チェンジになり、侍JAPAN初の日系アメリカ人のたっちゃん(ラーズ・ヌードバー選手)が初球からヒットを打ってくれて、泣きそうになりました。彼のプレーも、ペッパーミルパフォーマンスも、とっても素敵な笑顔も魅了されるのだけど、もっと内側から溢れ出ているものはなんだろうと思い、少し調べてみると理由が分かって。
『2020年は新型コロナウィルス感染症の流行でマイナーリーグの試合が全てキャンセルされたため、4ヶ月間週6日、朝4時に起床して航空宇宙企業で肉体労働をしていた。ヌートバーはその時の経験を「自分を謙虚にさせ、どれほど野球を愛しているか気付かされた」と語っている』(ウィキペディアより一部抜粋)野球から離れ、純粋に好きだという気持ちを大切に持ち続けているんだなと。ヒットもファインプレーも好走塁も、なにかそこに仲間に対する敬意が感じられ、胸が熱くなります。結果は8対1の快勝、試合が終わり、ようやく息子は満足して寝てくれました。

翌日は、歯医者を予約してしまっていたことを思い出し、バタバタの一日に。いつもの二倍速で用事を済ませ、なんとか試合開始に間に合い、二人でほっ。ヤクルトのバチを持ち、ソファで日韓戦を応援していると、第1回準決勝で不振だった福留選手がバッターボックスに立った時のことが蘇ってきました。「生き返れ、福留!」魂が込められたその実況に心が震え、本当にみんなの夢を乗せてホームランを打ってくれた時、そばにいた姉と一緒に半泣きをして喜びを分かち合いました。それから侍JAPANが勢いに乗り、王監督率いる日本が第1回大会の優勝を決めてくれたこと、それはずっと自分の中で感動の嵐が巻き起こっています。ふと顔を上げると、韓国戦も13対4の圧勝で、ヒーローインタビューはたっちゃんでした。東京ドームにいるお母さんは、どれだけの喜びの中で息子さんのお立ち台を見ているだろうと思うと、胸が高鳴って。ドラマを越えたサクセスストーリーなのかもしれないな。

そして、翌3月11日、睡眠不調と頭痛が酷い中で起き、いつもの土曜日を過ごしているとピンポンと鳴りました。ドアを開けると、つば九郎の段ボールを抱えた宅配業者さんで、思わず叫びそうになって。それは去年の秋、日本シリーズ真っ只中の時にヤクルトのキッズ会員に入会した特典のプレゼントで、息子が首を長―くして待っていたものでした。それをリビングで渡すと、10歳児は本気の歓喜。背番号『2896』のユニフォームを嬉しそうに着て、ヤクルトキャップを被り、キッズ特典のリュックを背負ってご満悦。その姿を見て、彼は野球を一生好きでいてくれるだろうと思いました。まさか、この日に届くなんてね。その後、母と待ち合わせしていたパターゴルフのできる公園まで向かいました。みんなで楽しみ、帰り道に二人で自転車を走らせていると赤信号になり一旦停止。その時、サイレンが鳴りました。午後2時46分。毎年この日、この時間になると胸がぎゅっとなります。そして、目を閉じ、手を合わせました。オーストラリア滞在中に知った東日本大震災、情報がなかなか得られずようやく目にした夜のニュースで、茶色の濁流がありとあらゆるものを流している映像を目にし、愕然としました。パッとニュースが切り替わっても、呆然としてしまい、その映像は私の中で消えることはありません。1日遅れでようやく帰国できた日本、それから何年もの月日が流れ、お父さんと祖父母の方を震災で亡くされた佐々木朗希投手が国際大会の先発マウンドへ。言葉になりませんでした。彼がマウンドに立つと、そこだけしんと静まり返るような佐々木投手の世界があるような気がして。どんな場面でも彼らしいピッチングを見せてくれて、感無量でした。チェコ戦、10対2で3連勝。チェコの選手達のスポーツマンシップに心からの敬意を払い、いつかその国へ行ってみたいです。

4戦目はオーストラリア。大好きな国、そして監督は以前中日でもプレーしたことのあるニルソン監督でした。息子は3戦目から喜んでヤクルトのユニフォームを着て応援。大谷選手が初回から特大ホームランを打ってくれた時は二人で叫びました。責任感の強い村上選手が3戦目4戦目とヒットを打ってくれた時は、一緒に安堵。その背中をずっと見てきたから、楽しんでプレーしてくれることを祈ろうと思います。そして結果は、7対1の4連勝という最高の形で終わりました。このチームが見られるのは、あと残り3試合。あっという間だな。短期決戦だからこそ凝縮された選手達それぞれの想いを、取り込めるだけ自分の中に残していきたいと思っています。侍スピリット、勝つために自分ができること、その勇姿にどれだけの力をもらえることか。準々決勝へ続く道、最後は一緒に泣いて笑うために、共に戦う。