あまりにも、心身ともに状態の良くない時期が続いていたここ最近。息子と夫を送り出し、仮眠を取った後、ついに起き上がれなくなり困惑してしまいました。それでも、なんとか奮い立たせ、日常をこなした翌日、シェアオフィスの受付で久しぶりにラガーマンTさんに会い、不調が一時吹っ飛んでいくようで。彼が所属していたチームの話で盛り上がると、思いがけない自分の勘違いに気づいて大慌て。前回、秩父宮ラグビー場で応援した彼の同期だと思い込んでいたプロップの選手は、実は元同僚だったということ。同じ購買部で働いていて、同期はフッカーの○○選手でまだプレーをしていますと教えてくれました。「フッカーってどこですか?」「2番です。スクラムを組んで、足でボールを引っかく役割です。」「なるほど。彼はなんのお仕事されているんですか?」「営業です。スーツを着てお客さんの所へ行っていますよ。」「ええ!なんかいいですね。ラグビー選手が、営業に来てくれたら嬉しいです。スーツ、特注じゃないですか?」「フォワードの選手は大体そうです。バックスは、既製品をぎりぎり着られる人もいるんですけど。」そうですよね、肩幅絶対無理ですよ!と大盛り上がり。また新たに、チームのストラップを購入し、IDカードにぶら下げているのを見せると喜んでくれました。これはね、チャリティ商品だったんだ。本当に小さな小さな貢献、そんな些細な力が、ラグビーを通して誰かの笑顔に変わってくれたなら。
そういった嬉しい気持ちを抱え、いつもより少し軽やかにランチへ行くと、久しぶりに思考がいい感じで回り出しました。去年、HSP(人一倍繊細な人)という先天的な自分の特性に気づいて以来、色んな角度から色んなことを改めて考え、関連書籍も読むようになりました。その中で、さらに細分化されたHSS(High Sensation Seeking、刺激を大いに求めること)という気質があることにも気づき、もしかしたら私も片足ぐらいその中に入るのかなと思うようになって。HSPが5人に1人という割合でいる中で、HSSはさらにそこから3分の1ぐらいの方がそうなのだそう。外交的な要素も持ちつつ、でも本質は内向的だから、そのちょっとしたアンバランスさで自分に疲れてしまうこともあるのかなと気づくようになりました。人は好き、でも大人数だと疲れてしまうし、それでも気持ちが外に向くこともあるから、気の合う人達とワイワイやるのは楽しかったりもして。プロ野球の外野席がどれだけ刺激に満ちていたことか。真ん中にズバッとストライクが入る度に、息を飲み拍手を送り、ファールにため息が漏れ、一球に一喜一憂するその空間が好きでした。同じチームを応援し、祈る。外野の選手が、ホームランを打ったり、タイムリーヒットを打ってくれた後、守備に就いた時、ファンの皆が歓声を上げると、外野スタンドに向かって帽子を取り、頭を下げてくれる、そんな瞬間も堪らなくて。テレビでは感じられない“今その感動”がそこにはあるから。そういった一瞬に心が震える、野球もここにいる人達も好きなんだな、そんな出来事にどうしようもない幸せを感じていられたような気がしています。
この間は、頭ズキズキの中で、息子の野球チームを見に行ってきました。その日は、狭いグラウンドでフェンスの向こう側は駐車場や川なので、テニスボールの使用だった訳で。もっと前に見に行った時は、監督が上級生に向かって、「フルスイングするな!」と大声を出していて大爆笑。野球の練習に来て、思いっきり振れなかったら、ストレスも溜まるでしょうよ。そして、今回はコーチが務めるキャッチャーのフェンスの向こうに立ち、息子の順番が回ってきました。思いっきり空振りをした時、監督が「ナイススイング!当てにいかなくていい。」と。そして二球目、ボールの球を見逃した時にキャッチャーであるコーチが、「よく見た!」と言ってくれて。一球一球に励ましの言葉があり、結果よりも本当の所を見てくれているそんな思いに、子供の心は育っていくのかなと感激してしまいました。私も気持ちよく空振りしてみようかな、気持ちよく見逃してみようかな。そんなことを思っていると、ショートゴロのはずの息子が俊足を生かし、内野安打。ルールがまだよく分かっていないので、一塁を周り、一塁ベースから足が離れ、ボールがファーストに回り、アウト!のはずが、コーチ達が笑いながら見逃してくれました。優しいな。コロナの影響で、子供のモチベーションもなかなか難しいところ。慣れない集団生活で、それでもぐっとくるそんなひとときが、息子の小さなタンクに残ってくれていたらいいなと思いました。
今の薬を飲むしか手段がないのは分かっていつつも、あまりにも気持ちがズンと重くなり、そんな自分に嫌気がさしていると、マブダチK君の言葉が蘇ってきました。「お前って本当に面倒くさいんだよ。Sのことを知れば知る程、コイツ深くて複雑だなって分かる人には分かると思う。そんなお前を見て、離れていく人はそれだけの人だったんだよ。Sは本気で人と向き合う。そのことに気づいて心が温かくなった人は、今度は助けたいって思うんだよ。家族でもないのに家族のように思う、Sの周りにいる人達は本物だ。」この言葉を思い出したら、雨の日に超泣けてきて。今の自分はダメダメなのに、こんな風に言ってくれる人もいるんだなと。言葉の力を信じることにする。