心配が通り過ぎる

息子の野球チームは、幼稚園の年長から小学校6年生までのお兄ちゃん達が所属しているので、まだまだその雰囲気に圧倒されているのかなと、ふと感じる時があって。お迎えの時間になり、こっそり様子を見ようと思い、遠巻きから伺っていたら、年齢関係なく混合試合をやっていて、思わず笑ってしまいました。だって、ショートのポジションに息子を含んだ6歳のちびっこが3人立っていたから。小学6年生=6歳児×3なのか?!とよく分からない計算式が頭に浮かび、もう笑うしかなくて。3人いても、ゴロが飛んで来たらレフト前ヒットになるんだろうな。戦力にはならないけど、とりあえず数をそろえておこうの監督の指示が、これまた想像できて笑える。心配よりも、気が付くと楽しませてくれるチーム。「僕達が見ているから、お母さん、大丈夫ですよ。」そんな言葉を、何度かけてもらったことか。ショートのポジションも仲間がいたら、そりゃ大丈夫だ。って、どんな特別ルールじゃ!

最近、寒い日がなくなってきたので、思い切って主治医の診察を終了しようと決め、病院へ。お世話になった先生に自分から別れを告げることは、とても勇気のいることであり、もしかしたら先生をがっかりさせてしまうかなと、色々な気持ちを抱きながらドアを開けました。「先生、色々考えて、漢方に頼らず自力で頑張ってみようと思うんです。」「えっ、そんな切り離しの話??」と驚かれ、これからどうするのかを聞かれたので、サプリで頑張ってみようと思うと伝えると、いかにも先生らしい答えが返ってきました。「薬を全く飲まないように頑張るなら、その気持ちを応援するよ。でも、僕としてはサプリに頼るなら漢方治療も一つだと思っている。とりあえず納得できるまで頑張ってみて、それでも辛くなったらふらっとおいで。ここで完全に終了ではなく、こちらはいつでも受け入れるから。他の患者さんもね、そう言ってきた方がいて、4か月経ったらまた来て、散々ご主人の悪口を言って帰っていったよ。」そう言って笑ってくれました。もしかしたら、私も数か月後に泣きつくかもなんて、一緒に笑いながら思っていて。こちらの意志を大切にしながら、しっかりと受け皿を用意してくれる。負担のないように、どうでもいいことでも、時間が経っても気にしないでおいで。先生にしかできない落としどころ。10でもなく0でもなく、間を取った3あたり。
体調を整えていた漢方を自分の意志で止めたものの、その後、辛くなった時に行き場を失わないように。戻ってきても、また同じように診察してくれることを伝えてくれた主治医。本当の医療を感じさせてくれた、嬉しい時間でした。

「先生、異動になることはありますか?」「色々あるからね。何とも言えないけど、もう少しここにいるよ。」「先生の動向は知っておきたいです。」「それなら、1年以内に風邪ひいた時にでもおいで。」ははっ。「先生、お元気でいてくださいね。」その言葉を聞いて、その日一番の穏やかな笑顔を見せてくれた医師。でも、私とは目が合いませんでした。本当にもしかしたら、これが最後の別れになるかもしれないと先生自身が感じてくれていたから。

やれるだけやってみる。頭痛は冷えから。その冷えは、元々の体質と自律神経の乱れ。とにかく体を温めること。無理はしないこと。そして、自分の心と体を大切にすること。先生と何度も交わした約束です。特効薬ではなく、時間と共に優しくゆっくり効いていった漢方は、先生の言葉そのものでした。沢山蓄積されたから、大丈夫だと信じたい。それでもダメだったら、言い訳を一杯準備して会いに行こう。
「ほ~らねっ。」って笑ってくれる先生が、いつもそこにいる。