気が付けば1200記事を超えていました。そんな時に、こちら側ではとても悲しいことが起こっていて。プログラマーのMさんからは、記事を書くことさえ本気のストップがかかり、私も一人になって考えることに。どうして書く道を選んだのだろうと、改めて思い返してみると、すぐに答えが見つかりました。出来上がったものではなく、過程が知りたい。頂上からの景色ではなく、その途中でどんな辛さの中にいて、何を思って、どういったことがきっかけでまた歩き出そうと思えるのか、私自身が知りたいと思った。それはもしかしたら、記事の内容に共感してくださる方もそうなのではないかと。画面の向こう側にいてくれるのは、いつも戦っている方達、そんな気がしました。ほんの数分でも、このサイトに訪れてもらっている間は、ひとりじゃないって伝えたくて。自分がどこまでも嫌になってしまう時もあるかもしれない、でもね、私の話に耳を傾けもう一度この場所に来ようと思ってくれた、その気持ちにこちらは何度も励まされました。だから、何度だって言う、あなたはひとりじゃないよ。
本当にもういろんなことがあり、相当なダメージをくらったものの、このままではいけないと思い、ずっと気になっていたお寺に一人で行ってみました。すると、少しラフな格好をされた住職さんが、掃除をしながらご挨拶をしてくれて。お会いした瞬間、ものすごいオーラを感じはっとしました。初対面の方に弱音を吐くことなんてほとんどないのに、少しだけ話を聞いてもらって。自分の弱った心を優しく撫でてもらっているような、今までにない不思議な感覚があって、ここに導かれたのは必然だったのかなと。30分ぐらい立ち話をし、時に笑い、80歳を超える住職さんの生き様に敬意を払いたくなりました。生きることって苦行の連続だな、でも私はまだまだ、そう思って。住職さんは、とんでもないご経験をされてきた、だからこそ大きく柔らかく包める器がある、この方が滅入ることはもうない、それぐらいの所まで辿り着いたから。異空間にいるような優しい時間が、ゆっくりと苦しい自分を溶かしていってくれるようでした。物心がついた時から仏教徒、沢山のことを感じ今に至っていること、弱っている気持ちとどう向き合おうか、そういったこと全て見えているんだろうなと。最後に、手作りのお守りを頂き、お礼を伝えてお別れ。「がんばって。」自分のことを大切にするんだよ、そこは見失っちゃいけない、笑えなくなったらまたおいで。そんなメッセージが込められているようで、ぐっときました。時々不思議なご縁があるのはなぜだろう。
大学図書館勤務時代、最後の引継ぎ前、頭の中にあった業務内容を全てマニュアル化し、ファイリングをして次の方に渡したという話は以前にさせてもらったこと。その時、内容ごとにファイルを分け、データも一緒に残しておきました。パソコンそのものを引き継ぐので、デスクトップにそのフォルダを貼り付けることに。その存在を彼女に伝え、自分の好きなように足したり削除したりしてくださいねと伝えました。そして、経理処理の時、なぜこの数字になったのか、再度確認ができるように計算式を書き、ひっ算をした手書きのノートも渡すことに。Excelには数字を入力さえすれば、自動で計算してくれるようになっていたので、タイピングを間違わなければ正しい数字が出て、経理に出すことができるのだけど、敢えてアナログなこともしていたと話しました。Wチェックができるという意味合いだけでなく、先輩が教えてくれた時もひっ算を目にしたこと、図書館にこんな手作業の一面も残しておいていいのではないかと、そんな気持ちも込められていて。そして、もし迷惑じゃないならお昼も一緒にどうかと誘うと、喜んで来てくれました。学食で、それぞれ持参したランチを食べながら、たった5日間だけどよろしくねと伝えたくて。なぜ、製本業務も引き受けることになったのか、そのいきさつも聞いてもらいました。ご年配の製本業者さんとはずっと付き合いが長く、女性の上司といつもわいわいやっていて、楽しそうだったから混ざりたくなったということ。上司が作業スペースで行っていた製本業務が気になり、教えてもらっていたらいつの間にか一人で任されるようになったということ。電子ジャーナル化が進み、雑誌はどんどん減っている、あまりにも棚が寂しくなったから、過去の雑誌をわざと表紙が見えるように並べている箇所もあるということ。製本業者さんに依頼する数も減ってきた、だからそこまで急ぐ内容ではない、でも本当にお世話になった方なので最後の一冊までよろしくお願いしますと伝えると深く理解してくれました。いつもノースリーブの白い下着と作業用ズボンを着て、肩には薄汚れたごわごわのタオルがかけられていて。そのタオルは、業者さんがどんな想いで仕事と向き合ってこられたか、その一枚にはいろんなものが染みついているようでいつも嬉しくなりました。本当にもしかしたら、ここの大学が最後の仕事だったのではないかと。残りの一冊、どれだけの気持ちを込めて製本してくれただろうと思うと胸がいっぱいでした。先輩にマニュアルの存在を勤務中に伝えなかったのは、気を使わせたくなかったから。でもそれだけじゃなくて、どこかで寂しい気持ちにさせてしまうと思ったから。そして何より、私が寂しかったから。いろんな方にお世話になった、司書として人として育ててもらった、語り尽くせないぐらい。だから、言葉ではなく形で表そうと思いました。きっと先輩は、彼女からデータの存在も聞いたはず。USBでコピーを取り自席で開いたかもしれない。ファイルを開き、いろんな気持ちになったのではないか。あなたから教わったことがここにあります、言葉の裏側に気づいた、それも全部ひっくるめて同じ時を過ごした記録を残してくれると思いました。あたたかさがこれからも受け継がれていく。
住職さんにお会いし、製本業者さんを思い出しました。人を敬い、人を大切にし、自分の苦労を笑い、昇華させていった。いつの日か、私もそこまで辿り着けたなら。公開日は、もしかしたら少し空いてしまうかもしれません。でも、休載してしまわないように、間隔が空いてもこの場所にいられたらと思っています。良かったらのんびりお付き合いください。みなさんの今日が、穏やかな光に包まれますように。