高校の卒業旅行以来、もう一度神戸へ訪れる日がやってきました。若干睡眠が足りていなかったものの、強い頭痛は発生していなかったので今日はなんとかなりそうだと安堵し、息子と最後のパッキング。てるてる坊主をつるし、二人で家を出ました。いい天気で良かったねと、スーツケースをガラガラしながらのんびり駅へ向かい、息子のおにぎりセットを購入。そして特急に乗り込み、旅は緩やかに始まりました。隣で嬉しそうにおにぎりを頬張る彼、本当に神戸へ行くんだね。
その後、小田原駅で降り、前回は新幹線の発券で手こずってしまったので、時間に余裕を持たせながら切符売り場へ向かいました。すると、あっさり予約をしていたチケットが手に入り、まだまだ寄り道できそうだったので売店へ行くと、息子の目が光りました。「ママ、かっぱえびせんの天むす味がある!これ食べたい!」と言い出し、名古屋は通過するだけなのに、ご当地の味を楽しめるとはと笑えてきて購入決定。そして、待合室で少し待った後、新幹線の中に乗り込みました。今回もこだまを選択、ゆっくり行こうよ。それから、小田原駅で買った鶏の駅弁を楽しんでいる息子が聞いてきて。「ママの分は?」「台風の影響で食欲ないの。地上にいても揺れている感じがしてね。サンドイッチを一切れだけ食べるから残りは食べてね。」と伝えると、心配しながらも嬉しそうに平らげていて。中学男子の食欲、本気で果てしないな。そんなことを思いながら、耳栓をして少し寝かせてもらいました。すると、すっと眠りに落ちて。ぼーっとしながら起きると、愛知県に入っていました。豊橋、三河安城が過ぎ、次は名古屋。じわり、見慣れた景色が広がってくると目に涙が溜まりました。小料理屋のママは元気にしているだろうか。ふんわり彼女の匂いを思い出して。甘く優しい香り。生まれた街、自分の中にある根っこは、この地の方達に育ててもらったのだと改めて思いました。絶対に腐るものか。そして、ゆっくりまた新幹線は動き出して。ひとつ息を吐き、息子とわいわい盛り上がっていると、岐阜を抜け、滋賀や京都を通過し、終点の新大阪駅が近づいてきました。二年前に来た場所、もう二年、月日が流れるのはなんて早いのだろう。息子は小学生から中学生になり、背はあっさりこちらを超えていきました。全ての時間を抱きしめたくなる。そう思いながら、身支度を始め、到着してから外へ。カメラを持ったプログラマーのMさんが待っていてくれました。東京駅でテレビ電話会議に参加した後のぞみに乗り、新大阪のカフェで仕事をしながら待機していたよう。忙しい中ありがとうと二人でご挨拶。そして、JR神戸線に乗り換えました。ボックス席に座り、すぐに兵庫県に入って。「ボク、一番西に来たんだよ。今年は神戸で来年は修学旅行で広島へ行くの。」「どんどん西に行くね!」と大盛り上がり。そして、三ノ宮駅に着きました。本当に来たんだね神戸、なんだか感無量でした。高校の卒業旅行で来た時は、名古屋からの高速バスで、友達の友達に誘われたので彼女のプランに任せていて。1泊2日というタイトなスケジュールだったので、次から次へと上書きされるような感覚がありました。だから、いつかまた今度ゆっくり訪れたいなとずっと願っていて。28年経ち、ビジネスパートナーの出身地を案内してもらうことになるなんてね。ご縁は財産だ、本当にそう思いました。見たもの感じたもの、全てを味わいたい。
三ノ宮駅から少し歩き、宿に到着するとスタッフさんがあたたかく迎えてくれました。柔らかいイントネーションを聞き、なんだか胸がいっぱいになって。Mさんの持つ音がこの地と重なっていく。別々の部屋へ入り、息子とリラックスし、さっそくYouTubeがどうとか部屋のテレビで探し始める姿に笑ってしまいました。いつもの日常やないか~い!!まあいいわ、落ち着いたら街に繰り出そうよと誘い、Mさんと時間を調整し1階で待ち合わせ。どのスタッフさんに会っても心地いいのは、醸し出す雰囲気からだろうか。おもてなしって内側から滲み出るんだな、その心遣いにまたほっこりしました。なんでもないこと、でも本当はとっても大きなこと。
その後、前回の大阪旅行で息子が大好きになった明石焼きのお店へ。ふわふわのだしと卵の生地に感激し、お腹いっぱいで出ました。そして、忘れてはいけないスタバへ。ポテトチップスをテイクアウトし、スマホのアプリでピッと決済してもらい、兵庫県の日本地図も緑色に。思い出がまた一つ塗られていく。その後も、コンビニに寄り夜食を買い込み、大浴場を楽しんで部屋に戻りました。すると、カーテンを開けた息子がひと言。「山から何か見えるよ!タコかなあ。」と言われたので、一緒に見てみると、六甲山系にある錨の電飾が見えて。たしかにタコにも見えて、嬉しくなりました。1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災、その日の朝に見た映像を忘れることはありません。31年の時が経ち、Mさんが街を歩きながらどのように復興していったのか少し話してくれました。いろんな方達の想いが詰まって、今の街があるのだと、そう感じて。新しい建物と古い建物、そこにも沢山の意味があるのかなと。街はここにいる方達と共に生きてきた、そう思いました。なんだかぎゅっとなる。いろんな想いを持って、初日が終わりました。今を生きるってなんて尊いのだろう。誰かの分まで生きるって、その気持ちはどれだけ深いのだろう。いろんなことを思った日。神戸にいられるのもあと二日、時間の大切さを改めて知る。まだまだ旅は続くよ。