多忙を極めるここ最近、今日は息子の写生大会なので、朝からお弁当を用意し慌ただしく見送りました。気持ちのいい秋晴れ、天候に恵まれて良かったね。昨晩、こちらのどうでもいい話を聞いてくれました。「お母さんね、岐阜の小学校に通っていた時に写生大会があったんだけど、描いた人から帰っていいという話で、下手くそ過ぎてずっと残っていたの。通学路で描いていたから、もう終わった帰宅途中の男子に、まだ描いてるの?って茶化されてね。日が暮れたらどうしようかと思ったよ。」そう話すとゲラゲラ笑ってくれて。その時も確か秋だった。真っ直ぐな道に木が並び、枯れ葉がゆっくり落ちる景色が綺麗で。思い出すのは、儚さと美しさと黄色や茶色と差し込む光、乾燥した空気とざわざわという音。絵で表現するのは難しかったけど、いつもの通学路を長方形で切り取ったら、その綺麗さに気づいた。息子はどの風景に心が奪われるのだろう。
この間は、通院している新宿の主治医の所へ行く為に、早歩きで最寄り駅へ向かいました。間に合った!とほっとして乗車したものの、混んでいる車両だったので座ることができなくて。コンディションはいまいち、途中で気分が悪くならなければいいなと願っていると、次の駅で目の前の方が降りてくれたと同時にその隣も空き、小さな女の子がちょこんと座ったのが分かりました。その前に立ったのは保護者の方だと気づき、思わず声をかけていて。「お母さん、座りますか?」頭で考えるよりも先に言葉が出ていて、綺麗なお母さんが大丈夫ですとにこやかに断ってくれたので、安心して座ってしまいました。途中までは良かった、私も息子が小さい時に何度も席を譲ってもらったんだよな、それなのにあっさり座ってしまう自分ってどうよと頭の中でぐるぐる。すると、二つ隣の方も降りるのが分かり、隣の男性がさらにずれたのでこちらもずれて、お母さんにどうぞと席を促すことができて。お礼を言われ、最低限のことはできたかなとほっと一息。持ちつ持たれつ、ありがとうが少しでも循環できたなら。
その後、新宿に着き、病院に入ると最後の患者であることが分かり、なんとなく院内の雰囲気がほわんとしていました。そして、ドアをノックし主治医の前へ。後ろに患者さんがいないのでなおさら先生の雰囲気がのんびりしていて、こちらのくだらない話に付き合ってくれました。「以前に先生の食生活を聞いた時、朝ごはんにシリアルを食べていると教えてもらったので、私もシリアルの中に色々入れて栄養を取るようにしています。」「前はそうだったんだけど、今はスープと食パンでクリームチーズを塗ったりしているよ。普通の男になりました!」その最後のセリフを聞いて、爆笑してしまって。食パンを食べたからって先生がスーパードクターであることに変わりはありませんよと思うと余計にツボにはまり、楽しい時間が流れました。先生にしかできない医療がここにありますね。僕は僕だしあなたはあなただよ、そんな気持ちに何度も助けられてきた。「良いお年をお迎えください。今年もお世話になりました。」そう伝え頭を下げると、微笑みながら同じ温度で返してくれました。自分が折れそうで折れない理由がここにある。
その後、プログラマーのMさんと合流し、渋谷に向かいました。ポンコツ過ぎる私のスマホの買い替えで、データを移す際に困惑しない為、助けてくれるとのこと。息子と同じ機種を手に入れ、案の定混乱しそうな私のサポートをしてもらいました。世の中の人は、スマホの買い替えの度に発狂したくならないのかなと。ITに強いMさんに助けられながら、なんとか最低限の移行が終わりました。このサイトも彼の存在があってこそ。
今住んでいるマンションの更新手続きの書類が届き、とても大事なことだったので最優先で取り掛かり、ようやく全て書き終えたタイミングで不備が見つかりました。契約満了日が27日のはずが21日になっていて。こちらの記憶違いか?と思いながら過去の書類を引っ張り出してみると、やはり間違っていることが判明しました。また書くのが面倒だなと思いつつも、その間違いは人が関わっているから起きたものなんだよねと思うと若干嬉しくもなって。誰かが7を1と見間違えた、それを大事な書類に載せてしまったから起きたこと。大学図書館勤務時代に数字に関して最善の注意を払っていたので、気持ち分かるよ~と思いながら管理会社に電話を入れました。丁重に謝られ、再度確認して頂き、新しい書類を送ってくれるとのこと。字を丁寧に書く練習だなと、そんなひとときまでも楽しむことにします。離婚を考えている話を姉にカフェで話した数年前、こちらの決意を感じたネネちゃんは伝えてくれました。「Sちんは、いつもとことん自分で考えてから行動に移す。その途中で苦しいことも沢山あったと思う。私にも誰にも話せないこともきっとある。だから手術をしなければならない所までいったんだなって。でもね、R君が生まれたんだよ。Sちんの結婚は間違っていなかった。」その言葉を聞き、こちらの目に涙が溜まり、それでもこぼさない妹を見て、姉の方が泣いてしまいそうでした。離婚を決意した時、人前で泣かないと決めました。何があろうとも息子を一人で守るって決めたから、弱い自分が顔を出さないように、周りに心配をかけないように駆け抜けようと。そんな妹を姉は見抜いていて、本当に大切なことだけ伝えておこうと思ってくれていたんだなと。Sが選ぶ道、結婚も離婚も間違っていないよ、それを彼女の言葉で渡し受け取った、その時のことを大事に持ってここまで歩いてきた。
超難産で、息子がお腹の中でへその緒をぐるぐる巻きにして呼吸が乱れているのが陣痛室で分かった時、自分はどうなってもいいからどうかこの子は元気に生まれてきてくださいとひたすら願いました。痛みと吐き気といろんな感情が混ざり、呼吸を止めそうになると、赤ちゃんに酸素が行きわたらないでしょ!と助産師の婦長に怒られ、人の命がどれだけ尊いのか痛い程分かりました。生きること、苦しいことが沢山あるけど、あなたの生がどうか輝きますように、ママと一緒に世界を感じよう、いろんなことを願いました。その息子と二人暮らしを始めてもうすぐ4年。笑い転げ、喧嘩し、泣き、そしてハグをした。ね、あたたかい世界が広がった。