隠れ左利きの苦悩

元々左利きだった私は、幼稚園の時に「左利きは大変だから箸と鉛筆だけは右にしようね。」と先生に言われ、仕方がなく右手で練習することに。
今は、左利きも個性と言われ、矯正することはないみたいです。
少しだけ、年齢が分かってしまうかな。

利き手ではない方で、箸と鉛筆を持っていたので、持ち方が未だにちょっとおかしく、それが小さなコンプレックスです。
絵が笑ってしまうぐらい下手なのは、生まれつきのものかも。

そんな状態だったので、周りの人達は私が右利きだと思い込み、隠れ左利きの私はなんとなく右で使えるものを増やした方がいいような気がしてきて密かに練習。
お洒落なレストランにデートに誘われた時は、必ず右側にナイフが置かれていて、お料理が運ばれる度に左右を交換するのが嫌で、自宅に帰って右手でナイフを使える練習を深夜まで。
包丁は左手しか使えないけど、ナイフは右手で使えた!そんなことが嬉しかったな。

高校時代は茶道部に入り、左手でお茶を点てていたら、家元の先生に注意されました。日本文化って右利き仕様なのかなあ。何度も練習し、不安定ながらもクリア。

パソコンを使うようになって随分経ってから、マウスが左利き用に設定できることを先輩が教えてくれた時には、すっかり右手でこなせるようになっていて・・・。
無意識の間に神経は使っていたのだろうけど、世の中の仕組みは右利きでできているし、私は右利きだと思われているし、合わせた方が自分もやりやすいだろうな~なんて思っていたら、そこまで苦にはならなくなりました。
改札口では手がクロスして相変わらずイラッとしますけど・・・。まだまだです。

さくらdeカフェが森の中にあって、そこの中身が全て左利き仕様だったら。
ドアノブも左手で開けやすく、ティカップの取手もティスプーンも左で取るように置かれて、本棚も右から左に並んでいたら、お客様はちょっとだけ不思議な気分かな。
左利きの小さな苦悩を感じて優しい気持ちになってくれたら、来て頂けて良かったです♪

新婚当初、キッチン内の洗ったお皿受けを右に置くか、左に置くかで夫と喧嘩しました。
私が隠れ左利きであることを忘れていて、当たり前のように右側にセットされていたことがなぜか腹立たしくて怒ってみた。そして、キッチンを使う頻度が高いのは私なので、左に置くと主張したら丸く収まりました。
もう、食器洗いを頑張るしかないです。
左利きの奥さんをもらうとこんな日常が待っているかも。楽しいよ~♪

私が大好きな握手。ありがとうの気持ちを肌で伝えられるような気がして好きです。
ほとんどの相手が右利きだと思い、自分から右手を出すようにしています。
でも、これからは素直に左手を出して、自分のメインの手で「ありがとう」を伝えよう。
何も隠さない、正直な私がそこにいてもいい。