面白い出会い

いつものように、バタバタと朝の準備をし、慌ただしくシェアオフィスに来て、受付にいたラガーマンTさんにご挨拶。すると呼び止められ、隣に座っていた男性スタッフさんを紹介されました。「今月から来てもらうことになりました。よろしくお願いします。」と私に向かい、今度はそのスタッフさんにTさんが伝えてくれました。「○○さん、うちのチームの大ファンなんです!」と。満面の笑みで言ってくれるものだから嬉しくなってしまい、笑顔でお互いご挨拶。そして、そのスタッフさんが思いがけないことを教えてくれました。「僕、実はそのチームの広報担当をしていたんです。」「ええ!!」「T君が現役の頃にも、試合が終わった後、インタビューに答えてもらい、ネットニュースなどに流していました。」きゃ~!とさすがに声には出さなかったものの、テンションがMaxになってしまい、感激の対面でした。こんな巡り合わせってある?!そして、広報担当だった彼は、私が後援会にも入っていることを喜んでくださり、実は後援会もまとめていたと話してくれて、二人でますます盛り上がるものだから、Tさんが隣で半笑い状態。「これから、いろんなお話を聞かせてください。」「いつでもどうぞ!本社の広報にいたので、いろんなお話ができると思います。」どんどん繋がっていくな。どうなっていく、さくらdeカフェ。一つの種から、どんなことが待っているのだろう。

そして、ランチから戻ってくると、ミルキー大好きギターのKさんが話しかけてくれて。「ネットで話題になっているマンガがあって、思わず買ったら面白くて。仕事しろって話なんですけどね。」と言いながら笑ってくれて。奥様の話を聞いて以来、彼の笑顔を見る度胸がいっぱいになります。IDカードの裏側にあったツーショット写真は、小さなものが何枚もありました。二人で過ごした沢山の時間が、そこのカードケースに詰まっているような気がして、当分ご本人に気づかれないように、心の中で手を合わせ、そして旦那さんは元気でやっていますよとそっと伝えようと思います。私が届けなくても、見ているのかもしれないな。

姉の元カレ、今イタリアンの店長をしている彼と学生時代に別れた姉と、B‘zのコンサートに行ったことがありました。まだ傷心中で元気のなかった彼女と行き、悲しい気持ちを跳ね除けてくれたらいいなと盛り上がりながら隣で願っていて。そして、姉の成人式の日。綺麗な振袖姿で、私服の妹とツーショットでパシャリ。母と三人で、自宅前でワイワイ盛り上がっている姿を、実は元カレはこっそり見ていたそう。やり直そうではなく、成人式だからひと目姉に会いたかったのだとか。辛い別れだったから、お互いが別々の道を振り返ることなく歩けるように、そんな願いを込めて会いに来てくれたのだと、ずいぶん経ってから姉が彼と会った時に聞いたと話してくれました。「妹と楽しそうにしている様子を見て、俺が現れたら、お前がせっかく前に進もうとしているのに水を差すようでやめたんだ。このまま離れようって思った。」その話を聞き、私まで辛くなったものの、彼の優しさは正解だったような気もして、どこかで安堵もしていました。

その二人が出会ったのは高校1年の時。お互いとっても好きなのに、喧嘩は絶えず、何度姉の泣き顔を見たことか。そして、ひょんなことから、母と私と姉と彼と四人でファミレスに行くことになり、彼の目の前に私が座りました。四人で話は盛り上がっていたのですが、紙のおしぼりだったので、なんとなくそれを小さくちぎって丸め、それをいっぱい作り、おしぼりの袋に詰め込んで遊んでいました。後日、姉から笑いながら言われて。「○○君が、“妹面白いな。紙のおしぼり小さく丸めたのを沢山作って何するかと思ったら、さらに詰め込み始めて、吹き出しそうになった。お母さんの前だったから堪えたけど。お前も手持ち無沙汰になると、もぞもぞ触りだすから、俺の話つまらないのかなってずっと思っていたけど、妹の行動を見て安心した。それにしても、変わってるよな、妹。隣に座った男性二人がノースリーブでマッチョだったから、ずっと笑いを堪えていてさ。お前より単純だろ。”って笑っていたよ。」「結構彼、ポーカーフェイスだったのに、そんなに見られていたの?」と大笑い。別れて、よりを戻してということもあったので、この人達はどうなるのだろうとそっと見守っていました。そんなある時、姉から言われて。「これ、○○君からプレゼントされたトラサルディのマフラーなんだよ。もう使わないからあげる。」と言われ、本当の別れが来たのだと思いました。彼が沢山色に悩み、最終的に選んだオレンジだと知っていました。それは、姉に渡した最初のプレゼントでした。なんだかその気持ちを大切にしたくて、今も車の中のひざ掛けに使っていると姉が知ったらぶっ飛ぶだろうな。カナダ人の彼にプレゼントされたティファニーの指輪も譲り受け、そこに人の想いが乗っていると思うと捨てられないんだよ。

そんな初代元カレは、私のことをどこかで見抜いていました。すごく単純な部分と、すごく複雑な部分がある。物事を深く捉える分、本人も大変なことが出てくると思う。お前、妹のこと気にしてやれよ。姉はそう言われたんだとか。クールなのに、それでも人間臭い所があって、ぶっきらぼうなのに人を思いやっていて、今思えば彼の複雑さと似ていたから、自分のことを気にかけてくれたのではないかと、沢山の葛藤があったからこそ届けてくれた思いだったような気もしています。
「S、もう少し人を疑うことを覚えろ。お前を見ていると危なっかしい。一人で頑張ろうとするなよ。」口数の少ない人だからこそ、その言葉が貴重だと思った。人との出会いって、どこまで人を成長させてくれるのだろう。