話し相手がいる喜び

息子が熱を出すことが時々あり、ここ数日二人で引き籠り。
急に熱が下がるのはよくあることで、安心して外に出ると、仲良くさせてもらっている同じマンションのおじさんが、なぜかマグカップを片手にドアの外で佇んでいました。
「どうしたんですか?」と聞いてみると、「僕は田中のマー君の試合が観たかったんだけど、奥さんが他の番組を観たいと言って喧嘩になっちゃってね~。」と少し恥ずかしそうに話してくれた顔がなぜか幸せそうで。
誰もが羨ましがる仲良しご夫妻、人間味のある姿を見せてもらい、失礼を承知で笑ってしまい、外に出て誰かと話すっていいなと改めて思いました。

一人でいることは平気なタイプ。
でも、ふとした瞬間に寂しくなって、慌ててクリーニング屋さんに行き、おばちゃんに話し相手になってもらったことも。
短時間で十分なのだけど、誰かと笑うとほっとします。

0歳の時から通っている、キッズルームのある近くの公共施設。
「1日24時間じゃ足りないです。」なんて他愛もない話をしたら、仲良しのスタッフの方が、「あと3時間あったら、その分結局お子さんの為に使いますよね!」って笑顔で話してくれました。
育児ストレスを抱えていた時に言われた何気ない言葉に、救われた時間。

アパートで一人暮らしをしていた頃、高校の友達が泊まりに来てくれて、「お土産だよ~」と渡してくれたのは名古屋の味噌煮込みうどんでした。
「地元の味が恋しくなる頃だと思って買ってきたよ!」という言葉に、胸が詰まってありがとうの声が震えました。
友達の明るい声とイントネーションはそのままで、お洒落な洋菓子とかではなく、少しでも私が元気になるものを、名古屋駅で選んできてくれたのが分かり、いつも居る一人の空間がとても華やいで、優しく感じられて。

パン食べ放題のお店で散々食べて、深夜まで語り合って、翌日別れ際にハグをしてくれた時、言葉ではない深く温かい友情を感じて、笑って別れてドアを閉めた後に泣けてきました。
地元の雰囲気を、そのまま持ってきてくれた友達。
がんばれ!帰りの新幹線の中で、きっと何度もつぶやいてくれのだと思います。

婚約が決まり、帰省して友達にガストでお茶しながら伝えたら、半泣きして喜んでくれて。
「複雑な家庭環境だったし色々あったから、95%しか彼に心を開けないんだ。」と話すと、
「上出来じゃん!一人でずっと頑張ってきたSがそれだけ心を許せるのはきっと彼が優しい人なんだね。あとの5%はゆっくりでいいんじゃない?今まで辛かった分、沢山幸せになるんだよ。」
そして、別れ際にまたハグをされた時、アパートの時と場所は違っても彼女の温もりはそのままで、私はもう一人じゃないと思わせてくれる何かがあって、話せて本当に良かった。

「幸せになってね。」今度は私が友達に伝える番。