新しい出会い

今朝は、天気も気分もすぐれない、中途半端な状態で、シェアオフィスの一階のトイレへ。いつものお掃除の方に会い、ご挨拶をした後、この憂鬱な気分を誰かに聞いてもらいたくて、なんとなく弱音を吐いてみました。「湿度が高いと、全然すっきり洗濯物が乾かなくて、嫌ですね~。」すると、ちらっと私の指輪を見ながら、「そういったことが、本当に気になりますよねっ。」と同意をしてくれて、生活の様子を垣間見つつ、話を合わせてくれた人生の先輩のゆとりを感じました。いつものいってらっしゃいが、今日は特に気持ちを軽やかにさせてくれた、優しい朝です。

そんな嬉しい気持ちをもらって乗り込んだエレベーターに相乗りしたのは、以前給湯室で会った、同じシェアオフィスで働く女性の方でした。初めて話した時、海外の方だと知り、なんとなく出身国を聞いてみると、フィリピンだということが判明。ここ最近全く英語を話していなかったので、うまく会話がかみ合わず、非常に恥ずかしい思いをしながらも、挨拶だけはできる仲に。一番最初に顔馴染みになったのがフィリピンの方で、なんだか胸がいっぱいでした。だってね、やっぱりホストママを思い出すから。その国ならではの雰囲気って、あるのだと思います。
ホストママに、「Did you do the assignment?」と聞かれた時、単語の意味が分からなくて聞いてみると、assignmentをhomework に置き換えてくれて、「宿題やった?」と聞いてくれたことが分かりました。私の語学力がどの程度で、できるだけ簡単な表現であったり、短い文章や、単語のみで聞くと理解ができたりするということを把握してくれていたママは、いつも私のことを気遣い、丁寧に教えてくれました。相手が受け取りやすいボールが、安心感を与える。彼女の人柄から学んだことは、ずっと心の中にあります。

大学図書館に戻り、延滞催促の電話をかけた時のこと。最初は学生さん達に登録してもらっているメールアドレスに連絡を入れるのですが、それでも返却されない時は、最終手段として電話を入れていました。携帯の番号ではなく、自宅の番号のみが登録されていた男子学生さんのご自宅にかけると、本人が不在。伝言をお願いすると、お母さんが何度も謝ってくださり、非常に恐縮してしまったことも。いいお母さんですねって、その学生さんに伝えたかったです。そして、中国人の男子学生さんの携帯にかけた時、日本語があまり通じなくて困惑。「返却してください」という言葉が分からなかったようなので、「返してください」とやんわり言い換えると、ようやく理解してくれたのでほっとして電話を切りました。
そんな時、頭に思い浮かぶのはホストママの笑顔。あなたから教えてもらったことが、仕事で生かされているよとそっと微笑む、図書館事務室の電話の前。

エレベーターで一緒になった、フィリピンの彼女もまた、私の語学力のレベルを感じ、単語と短い文章で話しかけてくれました。日本語と英語が少しずつ混ざり合う、15秒程の会話。それでも、二人の距離を縮めるのには十分な時間だったのかも。ドアが開いた時、「Please go ahead.(お先にどうぞ)」と伝えたこちらに、にっこり笑ってバイバイ。同じオフィスにいても、向かう仕事は違っていて、でもお互いに頑張ろうねのサイン。

新しい友達。インド人の友達とお別れしても、スケボーパパに会えなくなっても、またこうして異国の友達ができる。そんな出会いが、彼らをまた思い出させてくれる。気持ちの流れは止められない。