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忘れたくない時間

ゆっくり回復に向かいながら、廊下を歩いた朝。病室から、術後にもがいていた個室までの距離が10mもないことに気づき、こんな距離が自力で歩けなかったのかと、笑ってしまいました。そして、息子を出産した後に入っていた個室を横切り、その時に借りたヘアドライヤーの位置までそのままで、8年という歳月を感じながらも...

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優しい出会いの数々

手術が終わり、点滴からの痛み止めが効き、個室で眠っていると誰かが入ってくる音が。それは、懐中電灯を持ったご年配の看護士さんでした。その姿に、また涙が溢れそうになり、術後の患者さんの不安定な容態を見守りながら、点滴をそっと取り換えに来てくれた看護士さんに、胸がいっぱいでした。こちらが起きたことに気づく...

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ドラマの主役のよう

姉からの連絡を受け、手術を乗り切れるという自信をもらった後、執刀医が様子を見に来てくれました。「どう、気分は?」「なかなか眠れませんでした~。」「ははっ。結構そういう人いるから。」と言って貫禄のある笑顔と雰囲気で和ませてくれました。僕に任せなさい、そんな器が透けて見えるようで、救われた朝。この手術は...

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受け入れること

執刀医から、夫への手術の説明は、入院の二日前に行われました。相変わらず落ち着きのある先生が、いくつもの検査結果や超音波の画像などを見せ、資料を使い、今どれだけ酷い状態なのかを話した後に、伝えてくれました。「左側の卵巣は、全部取ります。」と。「え?先生。悪い所を取るだけじゃないんですか?」「もし腫瘍が...

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地下水で繋がる

入院準備品購入の為、息子に付き合ってもらおうと朝から説得。「え~、ボク外に遊びに行きたい。」「気持ちは分かるけど、お母さん今寒い所にいられないんだよ。」「・・・わかった。じゃあ、おもちゃ買って~。」全くもう、ちゃっかりしているな。「百均に用事があるから、1個だけよ。」そう伝えるとあっさり快諾してくれ...

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自分だけのお守り

少し前に、せっかくだから久しぶりに一緒に息子とお風呂に入ると、なぜか恋話で大盛り上がり。「最近ね、好きな子いるの?」と何気なく聞いてみる。「・・・うん。ママも知っている子だよ。」「ええ?誰だろう。」そう言って頭に浮かんだ子の名前を全部出したものの、みんな違うと言って隠してしまいました。でも、最後に伝...

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大切な準備期間

検査結果を開き直って受け止めた翌日から、少しずつ入院の準備を始めました。それでも、目の前には家事や育児、この期に及んでパソコンに向かっている自分がいて、さあ優先順位をどうしようかと考えながら、タイピングをしています。姉の海外旅行は、いつも当日の準備。だって、朝まで使うものがあるでしょというのが彼女の...

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決まった方向性

病院の検査結果を聞きに行く前夜、病人になっている場合ではないと思い、お気に入りのベージュのマニキュアを塗り、準備は万端。そして当日の朝、眠りが浅い中で早くに目が覚めてしまい、肝が据わってないなと自分に笑ってしまいました。洗濯機を回し、ノートパソコンを持って夫と息子に行ってきます、いつもの日常がこんな...

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やりきった感

少し前、シェアオフィスのラガーマンTさんに帰り際ようやくお会いすることができ、受付で私の顔を見た瞬間、「負けてしまいました~。」と悔しそうに伝えてくれました。その一瞬がね、もうどうしようもなく堪らなくて。受付で毅然と、どんな言葉をかけたらいいのだろう。 花園にTさんがコーチとして向かう前、伝え...

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階段上るよ

大事なMRIの検査の日、4時間前から飲食禁止の案内があったので、大人しく自宅でブランチを済ませ、パソコンを開いていました。が、なんとなく落ち着かず早々と切り上げると、母が登場。検査時間が息子の帰宅時間に間に合わないようだったので、予めお願いをすると早くから来て、結局母の話に付き合うことに。想定内だと...