捨てられない理由

我が家のおもちゃやぬいぐるみがあまりにも多いので、もう少し勇気を出して、本気のお片づけを決行。夫がいてくれた方が潔く捨ててくれるので、週末に頑張って行いました。週が明けた翌日、学校から帰った息子がガサゴソ。まだごみの日の前だったので、玄関に置いてあったゴミ袋を物色。何を取り出したかと思えば、プーさんと白くまちゃん、ローラアシュレイのくまちゃんのぬいぐるみでした。あまり怒ってもいけないと思い、その理由を聞いてみると、「みんな、くみちゃんの家族だから。」という返事。あ~みんな“くま”だからね。それを聞いたら救出するしかないよね。ひとりっ子の息子は、仲間というものをとても大切にしています。その気持ちを自分自身で育んでいるような気がして、自然な形で離れるまでゆっくり見守ることにしました。新宿のタリーズで買ってきたくまちゃんも、まだまだメンバー入り。

30代最後の日、思い切って一人でみなとみらいへ行ってきました。平日で息子の帰宅時間を頭に入れ、パソコンを置いて、本だけ持っていざ電車の旅へ。元町中華街駅で降り、そこから山下公園をゆっくり歩いていたら、色々な気持ちが駆け巡りました。一人暮らしの時に、何度この景色に助けられただろうと。すごく弱った時に、何も考えずにこの場所に来ると、ひと呼吸おけるような気がして、ベンチに座って一歩踏み出した時に、少しだけ足が軽くなっているような不思議な感覚になっていた頃。港。それは名古屋港とも繋がっていて、一度しか行ったことがない夜景の綺麗な神戸港とも繋がっていて、それが堪らなく嬉しくて。また頑張ろう。何度も思わせてくれたその記憶が見事に蘇ってきました。そんなことを思いながら、入ったカフェで、プログラマーのMさんからメッセージが。『お昼のアクセスで、横浜の方が来てくれたよ。もしかしたらそばにいるのかもしれないね。』と。横浜のアクセスは、かなり初期の段階から確認できていて、おそらく今は沢山の方がいてくださいます。なんだかその日は、より身近に感じられて、ミルクティを飲みながら感激しました。

そんなカフェで、お誕生日特典があり、フレンドリーなスタッフさんがカップアイスをプレゼントしてくれました。よく見ると、カップをくるんだスリーブにメッセージが。『Happy birthday.素敵な一日をお過ごし下さい♡』私の好きなカフェの良さがここにある。ほんの少しのおもてなし。その気持ちが自然と笑顔にさせてくれます。タイトルにカフェを入れて、本当に良かった。その時のスリーブはお持ち帰り。30代最後に彩を添えてくれたスタッフさんの優しさを忘れない為に。

姉が学生時代にやっていた家庭教師。小学生のひとりっ子の女の子を教えていました。ある日、姉が自宅に電話をかけてきて、「夜ご飯をご馳走になるからいらないって言っておいて。」と言われ、「分かった。今お菓子を作っているんだけど、オーブンが壊れていて途中で困ってるの。」と話すと、ちょっと待っていてねと言われ、「今から迎えに行くから、それを持っておいで。ご両親がSに会いたがっているんだよ。」というまさかの展開に。本当にボールを抱えたままお邪魔をすると、温かいご両親と娘さんが迎えてくれました。「意地悪さが全くない子だな。」と第一声に言われ、イメージ通りだと笑われて。どうやら、妹は馬鹿が付くほどお人好しだと話していたよう。すっかり打ち解け、姉が大阪に行っても私だけが遊びに行く関係に。「Sちゃん、子供が親を守らなければいけないのは大変なことだよ。あなたは強くて脆い。両方持っているから、やっぱり見ていて心配になるよ。娘もおねえさんのように慕っている。だからいつでもおいで。」そんなご両親が、大学合格祝いに贈ってくれた真っ赤なイブサンローランの定期入れ。まだバッグの中で大活躍しています。捨てられる訳がない。あの当時、親心の気持ちで見守ってくれていた方達のプレゼント。親とは何かを、教えてくれた人達だから。