バッグの中身を覗いたら、「忘れちゃった!」と凹むものの一つにハンドタオルがあります。
最近のトイレはペーパータオルなどが置いてあるので、自分のものを使わなくても拭けるのですが、私にとってはお守りのような存在です。
4歳の男の子がいると、家を出た瞬間ヘックション、「ママの服で拭いてもいい?」
なんでやねん!!と心の中でぼやきながらティッシュを探すと、そんな日に限って無いことがあり、仕方がないからハンドタオルの出番。あっ、お気に入りのものだった・・・と思いつつ、息子の鼻へ。その日以来、不本意ながら、ティッシュも必須アイテムの仲間入り。
結婚当初、夫のお義母さんが私の誕生日に、お洒落なハンドタオルを二枚プレゼントしてくれました。お互いの好みも距離感も、まだまだ分からない中で、少しでも喜んでもらえる日常の物を一生懸命探してくれたのだと感じ、その柄を見た時に温かい気持ちになったことを覚えています。
落ち着いたピンクとベージュのハート柄でした。
ある楽団の方達に助けられ、どうしてもお礼が言いたくなった時、涙が溢れてしまいそうな自分をぐっと抑える為にも、溢れた時に拭ける為にも、後ろ手でハンドタオルを握りながら、演奏の合間の皆さんの前で「ありがとう」を伝えたこともありました。
消耗品だけど、いつも色々なものを吸収してくれて、一緒に感じてくれて、使えば使う程ボロボロになっていくから、捨てる時がくるのだけど、そんな時はやっぱりちょっと切なくて。
鍵やスマホとはまた違った私の必須アイテムです。
バッグの中にいてくれることがなんだか嬉しい。
母の日や、誕生日、記念日、プレゼントをする時って迷うと思うけど、ハンドタオルって誰がもらっても喜ばれるものなのかも。買う時に、そのタオルでプレゼントをした相手が涙を拭いてくれるかもと想像するだけで、買う前から嬉しくなります。本当は、うちの息子みたいな鼻水だったりして。
私は、人の手が好きです。その人の温もりを感じられるような気がするから。沢山の皺があると、その人の歴史が感じられるようで、綺麗に整っていなくても、一生懸命に生きている姿が手に表れるような気がして、そういった人達にハンドタオルを使ってもらえたらと、お気に入りのアイテムをシェアしたくなります。
楽団の方達の前で使ったものは、レースの白。純粋な気持ちでお礼が言いたかったから。後ろに手を回し、ぎゅっと握った時は、心が落ち着いたような気がしました。
こんな使い方、いいですね。
水滴だけでなく、涙や汗を優しく吸収してくれる味のあるハンドタオル。
そんな自分にもなりたいものです。