息子のブロック遊びに付き合っていたら、最近本人だけで流行っている昆虫シリーズを作り始めることに。それっぽいカエルができていたので、「これ名前でもあるの?」とくだらないことを聞いてみると、「だっちゃん」という返事。どこから来たのか、なぜだっちゃんなのか、思いつきにしては可愛い名前だと二人でゲラゲラ笑ってしまい、完全に昼間から壊れてしまいました。何も考えずにポンと言える発想が羨ましい。大人なら一瞬考えるよね。
この間、父が母宅に遊びに来ていて、息子と二人で散歩に行ってもらいました。母の家でリフォーム会社さんとの打ち合わせもあったので、スマホを放ったらかしにしていたら、古すぎたのか電波が届いていない状況で、電源を入れ直してみると、父からの着信を発見。慌ててかけ直すと、「おもちゃを買ってあげてもいいか?」と言われたので、「買わなくていいよ~。もう帰って来て。」と伝えて切りました。その後、玄関から入ってきた息子が、大きな箱をぶら下げていて、定価を見ると5000円超。それから本気で息子を説教すると、半べそをかいておじいちゃんに抱っこ。
おもちゃ屋さんへ行くと、必ず何かを欲しがる息子。甘やかしたくないので、いつも結構なバトルを展開しながら、イベントの時だけ大きなおもちゃを購入すると説得し、本人も納得済みでした。でも、大好きなおじいちゃんがそばにいたので、甘え上手な息子は、「大丈夫だから、これが欲しい!」と父に懇願したよう。何が大丈夫なんだ?!恐らく父が買ってくれたものならママは怒らないから大丈夫だというアピールだったようなのですが、父なりに私の許可がないといけないと思い、電話をくれたよう。折り返した時には、すでにレジに並んでいて、喜んでいる孫の前で返品するわけにもいかず、そのまま買ってきてくれました。
「おじいちゃんに、こんな大きなおもちゃをおねだりしたらダメでしょ!」と雷を落とすと、あまりのショックに手の甲で涙を拭き出して、父の膝に避難。ちょっと言い過ぎてしまったと反省しながらも、色々な気持ちがこみ上げて、私も一緒に泣きたくなりました。買ってもらったものは、ビッグファイヤーエンジン(音の出る大きな消防車)。ずっと欲しがっていたもので、父に買ってもらうことに息子なりに大きな意味があったのかなと。なかなか会えないから、凝縮された甘えが出てしまったんだろうな。
そして、父は母の入院などで、何度も新幹線で往復してくれていました。出費も相当なはず。60歳を過ぎて契約社員になり、一人暮らしで生活を守ることも大変なのに、あんなにギャンブルが好きだった父が母に、「生活は大丈夫なのか。」と聞いてくれたそう。母は、その気持ちに対する感謝と、祖父の遺産などで大丈夫だと安心させたよう。そんなやりとりに娘として心から安堵。
そういった現状を知っているからこそ、なんだかその5000円のおもちゃが、とても価値のあるものに思えて、沢山の気持ちがこみ上げました。子供の頃、父におもちゃを買ってもらった記憶がない。いつも祖父母が片手で握れるぬいぐるみを買ってくれました。子供とどう接していいか分からなかった、でもそれだけじゃなくて、父なりに祖父母に対しての遠慮があったのかなと。
父は、名古屋まで帰ることができたかな。お金が足りなくて静岡止まりなんてことはないよね。自宅に帰った息子はぬいぐるみを沢山並べて、「おじいちゃんに買ってもらったよ。順番に乗せてあげるね!」と嬉しそうでした。一人占めしたらダメだよ。そのお約束は守っていると父に伝えたい。
優しい子に育っているから、安心して。