気持ちが晴れるとき

すごい勢いで自転車に乗り、向かったシェアオフィス。ドロップインの方の利用は一旦停止をして頂いたおかげで、通常会員のみの状態だったので、びっくりするほど空いていて、オフィス側の配慮に拝みたくなった時間。でも、テレワークになった方が、自宅でお仕事できているだろうか。

そんなことを思ってふと見ると、そこにはITエンジニアの方が。お互い軽く会釈し、パソコンに向かい、ドラッグストアに出がけた後戻ると、ベンチに座っている姿が見えたので話しかけました。「お互い大変ですね。」そう伝えると、「明らかに○○さんの方が大変でしょ。見ていたら分かりますよ。」そう言いながら、笑ってくれました。ささっときて、ドリンクも飲まずに集中して慌てて帰っていた様子をしっかり感じてくれていたよう。そして、優しい表情で伝えてくれました。「サイトの文章、皆さんが変わらず読みに来てくれているんじゃないですか?自宅にいることが多いから、なおさら読みたくなるような気がしますよ。」と。インターネットの世界ってそういうものです、苦戦を強いられている私の為に、自分にできる精いっぱいの気持ちをさりげなく伝えてくれようとしたのだと感じました。「始業式までは何とか頑張ろう、でも延長になるとは思っていなかったので、さすがにちょっと参っていたのですが、やれるだけやってみます。」そう言うと、「僕のお客さんも皆同じことを言っていました。やっぱり大変ですよね。」寄り添ってくれようとしてくれた気持ちが嬉しく、また買ってきた玄米ブランのイチゴ味を渡すと喜んでくれて。そして、オフィスに戻ると、そっと個包装になった一枚のマスクを手渡されながら、先ほどのお礼ですと言われて胸がいっぱいに。「こういう時は、お互い様です。」沁みますね。コンビニのおでんに負けないぐらい沁みます。白紙のWordを目の前にして、何を書けばいいのか分からない、そんな心の流れまでも感じ取ってくれているようでした。壁にぶつかった時、今度は私がどう励まそうか。

スタバが明日から当面の間、営業自粛をすると分かった日、母宅に呼ばれていたので、短時間だけ息子を見てもらい、パソコンを持ってお店へ。ガラスケースを覗き、商品を迷っていると、店員さんが品数の少なさを謝ってくれました。「全く気にしないでくださいね!ナッツ&キャラメルチーズケーキでお願いします!!」そう伝えると、「これお勧めなんです~。」と一緒に笑ってくれました。そうそうこれこれ。悲しいニュースよりも、明るいことに目を向けたいよね。「いつも来て頂いているので口頭でお伝えするのですが、明日から当分の間お休みになるので、ご迷惑をおかけしてしまいすみません。」「いえいえ。また寄らせて頂きます。」そう言ってお互いがグッドスマイルで離れたレジ前。殺伐としていない店内の雰囲気を記しておいたら、寂しくない。それがいつものお礼の形。

随分前、高校野球の『熱闘甲子園』(テレビ朝日系)を見ていたら、すっかりくぎ付けになった場面がありました。そのチームは敗退。それでも、ずっと支えてくれたマネージャーに感謝を伝えたいと考えた部員は、皆で集まり作戦。そして、部員全員が揃った部屋に入ってきたマネージャーに、「今までありがとう!」と花束を渡した途端、彼女は顔を両手で覆い大泣き。私も一緒に泣いてしまいました。共に戦ってきた、俺達は負けちゃったけど、あなたがずっと陰で支えてくれたからここまで来られたんだ、だからありがとう。そんな部員の気持ちが画面いっぱいに広がり、こんな瞬間の為に、人は生きているのかもしれないなと思いました。試合終了のサイレンと共に、悔しさを滲ませ、相手の校歌を泣きながら聞いた時の涙とは明らかに違ったはず。たった一球の失投が勝敗を分けることもある。それでも、全力で戦った仲間を想う気持ちは、みんな同じなのだと思いました。
そんなスポーツから教わる、震える感動をこの目で見るまで頑張ろう。まだまだいける。