映像から受ける衝撃

最近、久しぶりに大好きなアメリカのドラマ『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』のDVDを借りて観てみました。

シーズン1の時はまだ一人暮らしで、主人公のメレディス(エレン・ポンピオ)は、外科医の研修医でした。今観ているシーズン11は、いくつもの試験に合格し立派な外科医として、結婚し、子供もいる姿が、一緒に歩んだわけでもないのに、自分が歩いてきた道のりを少しだけ感じさせてくれているようで。
話がずっと繋がっている中で、1話1話の最後に大きな気づきと、自分はどうかと振り返っている。
人って、いつも分岐点に立たされて、そこから選んでいく、仕事も結婚も、子供も、キャリアアップも、もっと沢山のことも。どれが正解なんてなくて、立ち止まってとことん考えた先に、進む未来があるのだと真剣に考えさせてくれる、愛のあるドラマです。

シアトルの病院が舞台の話なので、やはり本場のスターバックスや、イチロー選手の古巣シアトルマリナーズの野球場に行ってみたくなります。ドラマの中で、日本で英語を教えていた患者さんが、「緑が多いシアトルの街は、日本に似ている。」と言っていたことが印象的でした。
ドラマの映像にシアトルのタワー、スペースニードルが映るのは夜が多い。理由は分からないのですが、外科医の仕事は終わる時間が遅く、深夜に飲んでいるバーも映るので、張り詰めた後に眺める景色がほっとさせてくれるというメッセージも感じ、時々東京タワーと重なります。

国や文化が違っても、迷いや、葛藤や、ほろ苦さや喜び、人間らしい部分ってやっぱりアメリカも同じなのだと、色々なことを受け取っている。
字幕で、英語で観ているけど、一語も見逃したくないから、必死に言葉を目で追っています。

何もかも投げ出したくなった時は、『幸せのちから』(2006年公開、アメリカ映画)をおすすめしたいです。
主人公のクリス・ガードナー(ウィル・スミス)と、息子のクリストファー(ジェイデン・スミス)は、実際親子で、映画で親子共演をしていて、アメリカのサクセスストーリーとしてだけでなく、父と子の愛とはどんなものなのか、心の奥底から涙が溢れる実話です。

どん底ってこういうことをいうのかな、そこから這い上がる人の本当の強さを目の当たりにすると、自分の悩みがちっぽけなものに思えてきます。
日本人らしい繊細さとはまた違った、スケールの大きいアメリカンドリーム。
観終わった後に、自分でも何かできるのではないかと思わせてくれる、素晴らしい映画です。

本は、沢山の想像力を働かせてくれる良さがあり、映像からは広大な景色や、怒りや喜びやふとした表情を、ダイレクトに伝えてくれる大きな衝撃がある。
どちらにも、それぞれの良さがあるのだと改めて思いました。

映像制作の仕事をしている友達が、大勢の前で行った私の朗読を一度だけ撮ってくれたことがありました。私は観ていませんが、その場にいた別の友達が、その映像を観て感動してくれました。
それが聞けただけで十分。涙を堪える自分の姿が、そこにいる。