意外な趣味

-送りバントは仲間のために-

野球好きだった父が、3歳の頃に野球を私に教え、その面白さが体に染みついてしまったらしい。
中学の部活動はテニスにし、練習がある土曜日に強引に休みを取るように言われ、球場に足を運ぶことに。
そうそう、「チケットが手に入ったんだよ。」と当日言ってくる相変わらずの能天気さ。
仕事でいつも忙しそうにしていて、会話の無い時期だったからこそやっぱり嬉しくて、部活を休んでしまった。父も同罪だ。間違いない。

実際にプレーができてしまうし、もちろん野球のルールはほぼ完璧に知っている野球少女に。
漫画のタッチ、南ちゃんに憧れを抱いたのも自然の流れかな。
完璧なカっちゃんではなく、何を考えているかよく分からないタっちゃんに惹かれる南ちゃんの気持ち、女性としてよく分かる気がしました。
甲子園を目指すひたむきな姿にぐっとくる、普段はちょっとだらしなくても、その姿はやっぱり素敵。前を見ているから。

息子が生まれた時、やはり野球少年にしたいなあと思いました。もちろん、子供の意志を尊重したいけど、その面白さを女性の視点から伝えて、本人がどう感じるかな。

2017年WBCの準決勝を見ていたら、息子が「ママ遊ぼ~」と言ってテレビを消そうとし、半分喧嘩しながら、半分遊びながら観戦していたので集中できなかったのですが、敗戦してベンチで顔を上げて涙を堪えるソフトバンク内川聖一選手の表情を見て、私も泣きそうになりました。

2013年WBCの準決勝でダブルスチールに失敗した内川選手は、敗戦し自分を責め続け、必ず戻ってこられるような選手でいようと誓ったと思います。そして、またチームの為に貢献し、今度こそはと思っていた同じ舞台で敗戦した時、ベンチで4年間の思いが溢れ出た、その大きさが画面を通して伝わってきました。
本人にしか分からない深い苦悩と、数えきれないぐらいの努力、そして、チームの為に。

勝つことがとても嬉しい、でも負けた中であれだけの感動を見せてくれた野球はやっぱり素晴らしい。
それぞれの役割があって、送りバントが成功してベンチに戻る選手を仲間がハイタッチする姿もとても好きです。
アウトが一つ増えても進塁させて繋ぐ、よくやった、目立たなくても大切な仕事、それをちゃんと見ていてくれる仲間がいる野球、日本人らしさを感じます。

私の息子は、最近サッカーボールにはまってしまい、早く野球チームに入れたいのだけど、幼稚園児はまだ受け付けてもらえず・・・。
ママと公園で野球をしようか♪
少年野球に入ったらマネージャーになろうかな? 断られるわっ!

いくつになっても、私にとって南ちゃんは憧れの存在。そして、野球は憧れのスポーツ。