ふと会いたくなった人

一人暮らしをしていた時、姉の大阪時代の友達が千葉に引っ越すことになり、遊びにおいでと連絡をくれたことがありました。
大阪は隠れホームタウン」のパスタのお姉さんです。

姉の女子寮に電話したら、その姉さんが取ってくれたことがあって、「できのいい妹から電話だよ~。」と姉に伝えてくれたことも。どんな取り次ぎ方してくれるのよ~と、必ず笑わせてくれる可愛らしい方です。

臨月に入る直前だったのに、大変な中わざわざ連絡をくれて、いざ千葉へ。
東京駅ですっかり迷ってしまい、遅刻するんじゃないかと冷や冷やでした。
京葉線に向かう矢印が<↑>と<>、どっちが近いのよ!とぷりぷり怒りながら二択に迷って困惑。東京駅でこの矢印をいっぱい見た気がします。
『どっちも正解なんだけど、一つはちょっと遠回りだけど良いことあるかもよ』と、案内表示に言われている気がして、くだらないことを色々考えながら、ようやく改札へ。

成田空港とディズニーランドに行くことが多かったので、一人で向かう場所にドキドキしました。そして再会。「Sちん、よく来てくれたな~。」なぜか私のことを「ちゃん」ではなく「ちん」と呼ぶ姉さんとの感激の対面でした。お互いが本気で泣きそうだった。
それは、きっと大阪ではなく、また違った土地で会えたから。別の場所でも会えたんだっていう繋がりを感じさせてくれたから。

相変わらずの柔らかい大阪弁と綺麗さはそのままで、「こんなにお洒落な妊婦さん、初めて見ましたよ。」と伝えたら、「そう?でも食欲は牛並みよ!」
牛って・・・。必ず笑わせてくれるセンスも健在でした。そんな中で伝えてくれたのは、「お姉ちゃんが、うちの妹はいい子すぎるから心配だとよく言っていたよ。」という話。
姉の気持ちも嬉しかったし、関東に引っ越して近くに来た姉さんが、本当の姉のように私のことを心配してくれた気持ちも嬉しくて、美味しい料理がなかなか入らなかった、溢れた時間でした。

別れ際に渡されたのは、ロクシタンのハンドクリーム。
図書館司書をやっていて、手が荒れることを知ってくれていたのかな。もしかしたら姉が話していたのかも。バッグの中にいつも入れていたことを、女子寮でそっと見てくれていたのかもしれません。
沢山の気持ちを届けてくれた姉さんが「またおいでね。」と言ってくれた時、また一つ自分のオアシスを作ってもらったんだなと、胸がいっぱいの優しいお見送りでした。

帰りの電車の中で受け取った姉からのメールは、「遊びに来てくれて本当に嬉しかったって言っていたよ。関西にいる妹に会いたくなったんじゃないかな。会いに行ってくれてありがとう。」

別れた後、また頑張ろうと思わせてくれた姉さんを、もしかしたら私も励ましていられたのかもしれないな。
誰かが誰かを想う。その気持ちは、繋がり、人の心に優しく残る。姉さん、また会いたいな。