先月は、息子の小学校で音楽会でした。先輩ママからは、短時間だよ~と言われていたのですが、1年生で初めてだったので、朝からなんとなく落ち着かなくて、そわそわした気持ちで自転車を走らせていたら、Kちゃん夫婦(息子ちゃん付き)を発見。彼女と偶然会うのは、もう引力というか磁石ですね。しっくりくる、説明ができない程の心地良さです。
体育館に到着して席に着くと、あっという間に1年生が舞台の上へ。自分の目でゆっくり見たいのだけど、仕事から帰った夫の為にビデオ係。今回は平日だったので、お母さんだけの率が高く、慣れないビデオをプルプル構えているのがこれまた面白くて、もちろん私もその仲間の一人でした。そんなに何度も見るものではないことは分かっていても、記録ってやっぱりいい。図書館には一体どれだけの記録物があっただろうか。そんなことを思っていたら、歌い出した息子。超が付くほどわがままで、前夜も怒り狂って大変だったのに、学校では見違える程凛々しく見えて、どちらも本来の姿なのだと思いました。頑張っている所も、甘えん坊の所も。側面を見ることを決して忘れてはいけないのだと思った可愛らしい音楽会でした。
わがままだったと言えば、この間たまたま電車に乗った時、途中から乗ってきたお母さんと3歳ぐらいの男の子。黄色い工事車両の働く車を握りしめ、外の景色が見たい~と騒いでいたので、お母さんが困ってしまい、これはなんとかしなくてはと席を譲りました。それでもぐずっているので席に座らず、そのことを恐縮しながら謝ってくれたお母さん。「大丈夫ですよ、もう降りるので。」と男の子の頭をなでながら笑顔で伝えると、ほっとしてくれました。その経験、私も山のようにしてきたし、今もしているから。お互い頑張りましょうね。そんなことを心の中で思った優しい時間でした。その工事車両ってなに?ともう少し絡んでおけば良かったかな。
野球日本代表の稲葉監督。『報道ステーション』(テレビ朝日系)のキャスターとして、イチロー選手がマーリンズにいた頃、取材に行った二人の様子をふと思い出しました。稲葉さんを見つけたイチロー選手が、ジャンプするかのような雰囲気で「稲葉さ~ん」と手を振った時の表情が、二人の関係の良さを表してくれているようで。その後、芝生の上であぐらをかいての対談。「僕が何をやっても得られないものをお持ちなんですよ。稲葉さんって徳が高いじゃないですか。」あの偉大なイチロー選手がここまで褒め称える稲葉さんの人柄は本物なのだと思いました。同じバッティングセンターに通い、稲葉さんのスイングを見て、プロに行く人なのだと聞いていたイチロー選手は、一つの指標にしたそう。俺も行けるかも。そう思わせてくれた同郷の先輩と、また肩を並べて話した時、立場は変わっても、何か二人にしか分からない柔らかさがそこにはあるのだと感じました。世界のイチローさんは、世界一になった稲葉監督の采配をどう見たのだろう。日の丸を付けたユニフォームの『51』、鈴木誠也選手の背中を見て、イチロー選手を思い出したのは私だけではなかったはず。
そして、日本代表の正捕手を務めた會澤捕手(広島)の言葉が、何気なくスマホを開いた時、目に飛び込んできました。『シャンパンファイトはビールかけとは違う。あれは経験しないと分からない。』シーズンが終わり、それぞれのチームから選ばれた選手達が、一つのチームになり、世界のトップに立った仲間との、計り知れない苦悩の先にあった、シャンパンをかけ合う時間。そのほんの一瞬の喜びの為に戦い抜いてくれた侍達は、紛れもなく日本の誇り。