今回、風邪を引いてから喉の違和感だけが最後まで残り、それでもほとんど治っていたので、久しぶりに接骨院へ行ってきました。すると、寒い日だったからかエアコンが効いていて、その乾燥でまた声が掠れてしまい困惑。これではまともに会話ができないな、ここの先生達フレンドリーだから何かしら話しかけてくれるんだよなとあれこれ考えていると、いつもお灸をしてくれる先生が呼んでくれたのでご挨拶。「今日、乾燥で声があまり出なくてすみません。」「やられちゃったんですね。」といつものように穏和に返してくれて、ほっ。そして、うつ伏せになり施術を受けていると、やっぱり話しかけられました。秋が短くて急な季節の変化に困っていると伝えると、ひと言。「なんか、スイッチのオンオフのような気温の変化ですよね!もうちょっとグラデーションのようになってくれたらいいんですけどね。僕もついていけないっす。」とても分かりやすい表現だなと嬉しくなって。そうなんだよ、もう少しゆっくり体を慣らしたいんだよなと一人思考がぐるぐる。すると先生が、顎関節症の友達がそういえば僕にもいました!と話してくれて。「一緒にコンビニでバイトしていた女性の友達が、顎関節症が酷くてアメリカンドッグが食べられないとか言っていたことを思い出しました。○○さんも食事に制限がかかるから困りますよね。」そうなんです、分かってもらえて嬉しいです、ビッグマックとか無理です、そもそも牛君は苦手でマックチキンの方が好きなんですけどね、ははっ。といつもならこんな会話で盛り上がるはずが、悔しい程声が出ず、頷くので精一杯の私に気づいてくれた先生は、一旦会話を止め、そしてお灸の為に一度起き上がったタイミングで質問が待っていました。「お灸が合っているようなので、合わせて鍼治療も行うと効果が増すと思うのですが、一度やってみますか?」と。最近息子がテレビを壊し、何かと入用なんだよなと思い、お断りをさせて頂くと伝えてくれて。「○○さんの気持ちが一番です。お灸が合っているのならそれがいいですね。」人にはいろんな事情があり都合がある、こちらに配慮してくれた先生の想いが、今日は一番の治療だな、そう思いました。言葉は沢山届けられなかったけど、ぬくもりを受け取りましたよ。なんだかいい日。
その後、今日は半日授業だったと慌てて帰宅し、息子の自転車がまだあったのできっと下校の途中だと思い、家に入らないまま待ち合わせの公園に向かいました。が、やってくる気配がなかったので、学校方面へ。それでも見当たらず、もしかしたらあのタイミングで自宅にいたか?と再度来た道を戻ると、途中ですれ違ったのは自転車に乗った息子。「ごめんね。こちらが思っていた時間とちょっとずれていたみたい。」「うん。5時頃帰るね!」そう言ってハイタッチ。いろんなことが随分スムーズにいくようになったなと思いながら帰ると、リビングのテーブルにはくみちゃんとくりちゃんがちょこんと座り、その足元にはメッセージが。『ままへ ぼくはあそびにいってます。5時ぐらいにかえってくるのでまっててね。Rより』そしてくまのマークが描いてあり、ほっこりしました。彼の世界観はいつもほのぼのとしていて、まるいんだなと。横浜家庭裁判所へ何度か向かった日、どうしても息子の帰宅が先になってしまうので、不安がらせないように同じようにくみちゃん達をテーブルに置き、少しでも安心できるようにと帰宅時間を書いておきました。離婚調停へ向かう電車の中、それはもういろんな気持ちが胸の中にはあって。それでも、もう今日で最後になるだろうと感じた日、横浜スタジアムにある噴水の前で立ち止まり、目を瞑ると沢山の方達の表情が次から次へと浮かんできました。自分の人生の節目には、いつも誰かがいてくれてこんなにも支えてもらって来ていたんだなと思うと、噴水の水しぶきの音と光に涙が溢れそうでした。その日のなんでもない息子とのやりとりを、時が経ち、こんな風に返してくれるなんてね。柔らかく投げたボールは、同じような温度で戻ってきた、それはどれだけ時間が経ってももしかしたら変わらないのだとしたら、もうその気持ちだけで十分よと思いました。愛する人に出会ったのなら、その関係を大切にしてほしい。
さてさて、そんな息子のリクエストで、週末は久しぶりに丸亀製麺へ行ってきました。すると、セルフサービスのねぎを取っていたら急に大学時代の卒業旅行が蘇ってきて。4年生の秋、9.11同時多発テロがあり、それでも姉が留学していたカナダへ母と向かい、本当にもう大混乱でした。その時のショックも大きく、世界がまだ落ち着いていないこともあり、卒業旅行は徳島出身の友達に案内をお願いし、女3人の四国一周レンタカーの旅が待っていました。初めて鳴門海峡を渡り、鳴門の渦潮に感激し、友達のご自宅に到着。お母さんにご挨拶をし、弟君二人も照れ臭そうに後から挨拶に来てくれて。それから、香川へ。セルフサービスの讃岐うどん屋さんへ入り、250円ぐらいという安さに何度も店主に聞き返してしまい、そのやりとりを聞いていた常連のおじさんがふふっと笑ってくれて。息子が隣にいてねぎ用のトングを掴んだ時、その日の自分と重なりました。その後は、愛媛の道後温泉へ。浴衣を着て風情のある温泉地を歩き、歴史を噛み締めました。そして、高知の桂浜へ。その景色の美しさに心が震えました。最後は徳島に戻り、徳島ラーメンを堪能。いろんな所に自分の足跡を残してきていたのだと思うと、息子と向かい合い、うどんを食べながら胸がいっぱいに。四国で見たもの、感じたものは、どれだけ時が経っても心に残っていたこと、それがこんなにも嬉しいことなのだと。息子と次の目的地へサイコロを振ってみようか。今度は、どんな景色が目の前に広がるのだろう。水面に揺れる光の結晶、そして優しい波の音、忘れない。