初めての合宿

息子の野球チームの合宿は、9月の連休に取れて、無事に行ってきてくれました。もらった栞を見ると、ゲームを持ってこないこと!と注意書きがあり、このチームの明るさを知っているだけに笑えてきて。男子ばっかりだもんね。持ってきそうな予備軍はいただろうな。
ずっと楽しみにしていた当日、昼ご飯を早めに食べさせ、夫に近くの待ち合わせ場所まで送り届けてもらうと、合宿先が山だったことを思いだし、慌てて長ズボンを持って自転車で追いかけました。ハーフパンツしか入れていなかったよ。ユニフォームは入れていたのですが、キャンプファイヤーをやることを思い出し、集合場所に向かうと、夫と息子を発見しバッグの中へ。そして、近くにS君のお兄ちゃんもいたので、話しかけました。二酸化炭素、どう使ったの?と聞きたい衝動を抑え、「うちの子のユニフォームのベルト、外すのに本人が苦労しているから、手伝ってもらえたら助かるよ。」と伝えると、はにかみながら頷いてくれました。本当に素直でいい子だな。タブレットで実験内容を説明してくれる日を待っているよ~。

そして、翌日の昼、また集合場所にお迎えに行くと、トーン低めの息子を発見。「ちゃんと寝たんだけど、時間が少し短くてちょっと眠い。でも楽しかったよ!」それが何より。そして、お風呂は自分で洗えた?と聞いてみると、「○○君(S君のお兄ちゃん)が、体も頭も洗ってくれたの。」と嬉しそうに話してくれて、泣きそうになりました。ベルトをお願いしただけだったのに、ずっと気にかけてくれた優しさが堪らなく嬉しくて。私がお願いしたことを、彼なりの解釈で受け止めてくれたのだと思います。多分これは、お母さんも知らない一面。会った時に伝えた時の友達の表情が目に浮かんで、嬉しくなります。学年を越えた仲間が、野球という一つのスポーツを通して育まれる心は、こちらが思っているよりもずっと逞しい。

普段の練習終わりの会話。「ウルトラマンのおもちゃをくれたコーチがいるでしょ。もじゃすけコーチ、いつも塩飴をくれるんだよ。この間なんて、折り紙を教えてくれたんだよ。」名前に“すけ”が付くわけでもないのに息子はこう呼ぶ。そしてたまに“もじゃむらコーチ”とも。苗字に“むら”が付くわけでもない。暑い中で塩分を取る為の塩飴は本当に有難いし分かるのだけど、折り紙の話を聞いた時、胸がいっぱいになりました。いつもサングラスをかけて自転車で練習場に向かう、ハイカラなおじいちゃんコーチ。そのユニフォームのポケットに、もしかしたら折り紙を入れていたかもなんて思うと、堪らないです。暑い日の練習に、日陰で休むちびっこ達を飽きさせない為に。作ってもらった折り紙を見たら、黄色い鳥!渋いです。もじゃむらコーチのサインがほしい。どんな人生を歩んだら、あそこまで味のある人になれるのだろう。人に優しくなれるのだろう。

岐阜の小学校にいた頃、3年生で転校してきた私の担任は、まだ若い女の先生でした。慣れない環境の中で、頑張ろうとしている私にどれだけの言葉をかけてくれただろうと思います。
ある遠足の前、早く帰って名古屋に戻らなければならないので、その日は休もうかと迷っている話を、先生にした時のこと。「Sちゃんが嫌じゃなければ、遠足の場所から先生と先に帰る?皆と仲良くなる機会だし、先生が責任を持って送り届けるから。」この先生は、本気で私と向き合おうとしてくれているのだと、経験ではなく、精いっぱい頑張ろうとしてくれているのだと思いました。「うん。」そう言って微笑んだ時、にっこり笑ってくれた先生。輪の中に入っていく私を安心して見守ってくれた先生の視線は、いつも背中で感じていました。
その後の合宿が楽しい時間になったのは、転校生という枠をそっと外してくれた先生のおかげ。