新しい扉

シェアオフィスで一緒のスタバで偶然お会いした男性に、また話しかけられ、談笑をさせてもらいました。その中で思いがけないことを言われて。「Sさんは悩みがなさそうですね!」と。一方向から見ると、天真爛漫に映る時もあるのか、たまにこういったことを言われるのですが、内面は嵐が来たり、強引に押し込めたどろどろがあったり、色々大変なんだな。でも、それを外に出さない自分を少しだけ褒めてあげることにして。プラスの方を向いていたら、きっといい風が吹くと信じて笑うことにする。

その夜、改めて夫と向き合いました。「別居ではなく、だったら離婚した方がいいと思うんだ。」そう言われ、それが夫の結論なのだと受け入れることにしました。「Rが義務教育の間、高校入学ぐらいまでは別居の形を取って、少しずつ離れていく方がいいと思っていたのだけど、あなたがそうしたいのなら分かった。」私は3人にとっての最善を考えたつもりでも、夫はそうじゃなかったのなら仕方がない、視点の違いなんだろうな。その後、本気でやり合ってしまい、なんだか逆にすっきりしてしまいました。最後の最後で大きいのがきたなと、ここで思いっきり爆弾が落とせて良かったのだと吹っ切れてしまって。別居という選択は、夫婦として繋がっているということ、何かあったら助けに行くから、そんな気持ちはもう届かなかったよう。あなたが選んだ道を応援するけど、後悔してももう知らないよ~と思いながら話は終了。全体を見て、沢山悩み続けた時、別居をして一人になった夫がようやく自分自身と向き合えた時、法律上で繋がっていられて良かったなとふと思うのではないかと思いました。とんでもなく寂しくなっても家族がいる、そう思えた時、夫の心は今までになかった動き方をしてくれるのではないかと。それでも、もう結論が彼の中で出たので、選んだ道をそっと見守ることしか自分にできることはなくて、それでいいのだと。ただ、会話の最後に妻として言わせてもらいたいとひと言断って、伝えさせてもらいました。「あなたはとことん自分自身と向き合ってほしい。周りの意見やネットの情報などではなく、自分との対話。一人になってそこから見えてくるものがきっとあると思うから。自分に怒ってくれる人って本当は有難いこともあってね。その裏側には色んな気持ちがあったりするの。そうだよねって同意してくれることばかりでは世界はそんなに広がらないかもしれない。新婚旅行でオーストラリアを選んだのは、あの国をあなたに知ってもらいたかったから。移民の人達が集まる国、色々な人がいるんだ。いろんな価値観があって、自分の殻を破いて、そうだったんだって思えた時また少し広がったりしてね。あなたの世界が広がれば、きっともっと幸せになれるよ。もう、こう言っちゃなんだけど、こんなこと言ってくれる女性にこの先出会えないかもしれないよ。今は、よく分からなくても、ふとした瞬間に今言ったことを再生してくれたらいいなって思う。私は、あなたと結婚したことに後悔はないから。」そう伝えると、うっすら目に涙を溜めて頷いてくれました。「俺も後悔はないから。」どこまでも私は私なんだなと、言いたいことが言えて楽になりました。みんな、安心してくれるといいななんて思いながら就寝。

まだ20代の頃、天海祐希さん主演の『離婚弁護士』(フジテレビ系)というドラマを観ていて、弁護士の天海さんが格好良く、クライアントの女優さん達が少しずつ顔を上げ、最後に「先生ありがとう。」というシーンが好きでした。その時、どの方も晴れ晴れとした表情をしていて、私もその中の一人になれる気がして、今はうるうるしながら笑っている、そんな状態です。そして、母に詳細を話すと驚かれながらも、少し笑われてしまって。「離婚ってなったらもっと落ち込むものでしょ。あなたの声を聞いていると本当に明るくて、Sの強さとなんの迷いもない気持ちが伝わってきたから安心したわ。あなたって本当にすごいわね。」これはこれは、お褒めの言葉を頂きまして。ここまでくるのに、10年悩んだから。まだ頑張れる、まだ行ける、そう思い、自分の中でようやく立ち止まれた1年でした。目を閉じると、沢山の人達が応援し、励ましてくれて、だからどんな時も自分を見失わずに済んだのだと、それを思うと胸がいっぱいです。ここに集う沢山のみなさん、一人一人にお礼が言いたいです。ありがとう。画面を通し、本当に元気玉が集まってきました。だから、私は迷うことなく自分の道を自分の足で、胸を張って歩いて行こうと思います。このサイトを全力で守ってくれているプログラマーのMさんもまた、私が歩みを止めずに動き、澱まないことを応援してくれています。バックアップ体制は十分。

息子との新居を楽しみながら決めようとちょっとワクワクしていて。どんなことがあっても全力で守る。険しい道も、台風が来ても、あたたかいたんぽぽ道も、母子で進んでいこうと思います。新居は新しい扉、沢山の冒険がまた待っているよ。そんなおやこをこれからも見守ってください。みなさんの元にも、あたたかい幸せが届きますように。