秋の気配がやってきた

ようやく夏休みも終わり、通常のリズムが戻ってきました。今年の夏はとても暑く、息子が友達と遊んでくれたのも前半のプールだけ。基本的にはずっと一緒にいたので、パソコンに向かう時間が思うように取れず、かなり苦戦したロングバケーションでした。それでも、なんとか途切れることなくこの場にいられてほっとしています。息子が旅立つ時まで駆け抜けます。どうか見守ってください。今日は仙台の番外編、そして、未来へ。

帰りの新幹線の中、東京行きに向かっていると、自分用のおみやげを忘れた!と心の中で大慌て。初日、仙台駅に着き、息子とおみやげさんをうろうろしていると、見つけたのは『呪術廻戦』に出てきた七海さんのキーホルダーでした。これほしいなと思いつつ、明日はモバイルパークに行くから、そこで楽天グッズも見てから決めようと一旦保留にすることに。そして翌日はかなりの暑さと息子のおみやげ探しに奔走し、自分用のものを探す余裕はなく、最終日も過密スケジュールですっかり忘れていて、軽く凹みました。すると、思い出された一つの出来事が。息子が球場内の売店でちょうどいいサイズのクラッチを見つけ、若い男性の店員さんに袋詰めしてもらうと、「これも一緒に入れておきますね!」と言って選手のカードを一枚同封してくれました。お礼を言って受け取り、すぐに自分のパスケースに入れたことを思い出して。新幹線の車内で改めて見てみると、それは楽天の試合で一番バッターだった辰己涼介選手でした。そのカードを見たら、観戦の熱気を思い出し、なんだかもう十分でした。そして、息子と試合中に席で応援していると、下から歩いてきたのは森永のICEBOXの箱を抱えていた売り子さん。!!二人で同時に気づき、顔を合わせて注文を決め、お姉さんを引き留めるとナイススマイルで止まってくれました。支払いを済ませ、ICEBOXを受け取り、お礼と共に伝えました。「暑い中、本当にありがとうございます。歩くの大変ですよね。」「いえいえ、球場内を歩き回るのが私達の仕事ですから。ありがとうございます。楽しんでいってくださいね!」花丸どころじゃないな、光る汗が輝いて見えました。その時の夏の匂いもここで交わした会話も持って帰ります。いい笑顔をありがとう。楽天モバイルパークは完全キャッシュレス化で、PayPayに多めに入金しておいたものの、調子に乗って写真を撮っていたら、スマホの充電がどんどん減り大慌て。ハイテク過ぎてドキドキする~という私の話に息子も笑ってくれました。今後、ICEBOXを買う度、息子は楽天戦を思い出してくれるだろうか。お姉さんが箱から出してくれたアイス、チョコモナカジャンボだったらそれはそれで面白かったね~と盛り上がった時間が蘇ってくれるだろうか。
さてさて、新幹線は東京駅に到着。予め時間を知っていたプログラマーのMさんが迎えに来てくれて、新宿駅のファーストフード店で夕飯を一緒にしてくれました。そこで息子が取り出した秋田犬のぬいぐるみに笑ってくれて。「なんで仙台に行って秋田犬やねん!!」と盛大に突っ込んでくれたMさん。ほ~らね!と息子に言うと予想通りのリアクションに三人で大笑い。全ての時間が優しさに包まれました。

そんな時間も過ぎ、現実に戻って息子は学校へ。まだ半日授業の中、私は新宿までの通院があったので、バタバタと学区内まで送り届け、体調もいまいちだったので開き直って特急電車に乗ることに。睡眠不足が酷い中、落ち着いた車内に座ると、息子と一緒に行った仙台旅行と全く同じ時刻の特急だったと嬉しくなって。そして、目を閉じるとすっと眠りの中へ入っていきました。とても心地よかった時間、もうすぐ新宿に着くことが分かり、自然と目が覚めたものの、今見た夢をしっかり思い出せて。それは、光に包まれた電車の中に自分が乗っていて、ふわっと浮き、空に向かって進み出したものでした。外はキラキラしていて、まさに夢の世界、本当にもしかしたら次のステージに行くサインだったのかもしれないなと。そして、子供の頃にネネちゃんと見ていた銀河鉄道999を思い出して。「黒いロングコートを着た女性がみんなメーテルに見える!」と言ったあほな妹に、「テレビの見過ぎでしょ!」と爆笑してくれた姉。そんな小学時代もまた幸せな時間だったのだと、そんなあたたかさを車内に詰めてずっと前から走り出していたのだと思うと、また涙が溢れそうでした。
そして、新宿駅到着。まだ朝の通勤時間帯、歩く人達のスピードが速く、背筋がシャンとしていました。色んな方向へと向かうエネルギーを感じ、主治医のいる病院へ到着。名前を呼ばれ、先生の表情を見たらなんだか安心して、いつもの自分が戻ってきました。「最近どう?」「トリプル台風とかもう意味が分からないです・・・。」ははっ。「今年の夏は多かったからなあ。気圧の変動に影響してしまう人は辛いよね。触診するから横になってね。」「はい。今日は酔う自信があったので特急で来てしまいました~。」「え?今日地震があったの?!」いやいや、全然会話がかみ合っていないし!と思ったら、すごくツボにはまってしまい、また直方体の枕を落としてしまいました。めちゃくちゃ名医だし、人の辛さを少しでも和らげようと全身全霊で寄り添ってくれる素晴らしい方なのだけど、ちょっと天然なんだよなとそのギャップに笑い転げてしまい、どこかで張り詰めていた気持ちを解してもらえたようで助けられました。先生、ここまで来る途中でいい夢を見てきたんです、目的地が先生の病院だったからかもしれませんね。どんな時も共にいてくれてありがとう。

そんな気持ちで別れ、今度は急行電車に乗り、半日で帰宅する息子をいつもの公園までダッシュで迎えに行きました。間に合った~と安堵し、一緒にわいわい帰宅。それでも、まだコンディションが上がらなかったので、洗った食器を拭いてもらおうとお願いしました。すると、渡したミニタオルで自分の顔をゴシゴシ拭く始末。「ちょっと~!!それじゃあ食器が拭けないでしょ~。」と言うと笑いながら、「ああ、ごめん。」と言われ、二人で大爆笑。空に向かって走る電車は、こんな日常を乗せて未来へと続いていく。本当の目的地はどこにあるのだろう。