気持ちを上げるために

最近、寒暖差も大きく、朝が冷え込むようになってきました。なんとなく気持ちまで沈んでしまいそうで、ゆっくり上げて行こうと思いながら、何気なくダイニングテーブルにあった息子の宿題プリントを見てみることに。するとそこには、赤ペンで書かれた先生からのメッセージが。『ドラフトでよばれるのをまってま~す』というにこちゃんマーク付き。先生、まさか教員と野球選手の二刀流?!確かに明日はドラフト会議ですけど、待ち構えていたとは!と驚いている場合ではない。私が乗ってくるだろうと書いてくれたのは分かったものの、先生めちゃくちゃかわいいなと笑ってしまいました。プロ野球ファンの方達って、みんなどこかでこの日をドキドキしながら待っているのかな。名前が呼ばれた時、くじで球団が決まった時、いつもそこには沢山のドラマがあって、繋がっていくストーリーにこちらも励まされていく。その人生の節目を、大きな舞台で見せてもらっているようで、毎年いろんな気持ちがこみ上げます。担任の先生が呼ばれたら、早速サインをもらいに行くことにしよう。息子の頭の中で作られている球団から、声がかかったら面白い。

昨日は、久しぶりにカラーリングをする為に、美容院へ行ってきました。担当になったのは、手術後に髪を切ってくれた可愛らしい女性の美容師さん。女子力下がっていないかなと、鏡の前の自分に問いかけてみました。彼女からどう映っているのだろう、そんなことを思っていると、最近の話を振ってくれて。「コロナ禍も落ち着いてきて、お子さんの学校行事も元に戻りつつあるんじゃないですか?5年生だとキャンプとかですよね。」「あったんですけど、たまたまその時にコロナにかかってしまって行けなかったんです。」とその話をしたことを気にしてしまわないように笑って答えました。すると、伝えてくれて。「そうだったんですね。でも、まだ修学旅行もありますし、中学も高校も沢山の行事が待っているから、楽しみですね。実は、私も一度同じ系列の美容院なんですけど、都内で勤務していたらコロナの影響で閉店することになってしまい、一時期困っちゃったんです。それから、地元に近いこちらの店舗にまた戻ることができたんですけどね。」そう言って笑ってくれました。みんなそれぞれの苦難を乗り越え、ここにいるんだな。思いがけない所で励まされ、美容師さんの優しい笑顔の奥にあった強さに触れました。越えたから分かる、今ある喜び、それを忘れたらいけないと彼女の雰囲気から伝わり、ふわっと自分も上げてもらえたようで不思議な空間でした。心地の良い洋楽、大きなシャンデリアと、大きな鏡、ライト、はさみの音、シャンプーの匂い、そして、美容師さんの柔らかい強さ。持って帰ろう。
その夜、息子の宿題を教えていたら、また珍解答が待っていて。「例えばね、100円の商品が50円で売られていたら、割引率は50÷100=0.5になって、80円で売られていたら、0.8になるの。それでは、0.8という割引率は0.5に比べて大きいの?小さいの?」と私。「ふつう。」と息子。・・・ふつうってなんだ?!答えになってないし!そもそも“ふつう”なんてものは幻だって心療内科の先生が以前言ってたわ!!と心の中で思っていると、あまりにもとんちんかんな返事だったので、ツボにはまってしまい爆笑してしまいました。それにつられて、息子も大爆笑。なんだかもう、連日大変なのだけど、こんなひとときがプチハピなんだろうなと。その後も根気よく教えるとようやく納得した10歳児。その和やかな雰囲気のまま夕飯を食べ、数字がまだ頭の中にあったので、何気なく伝えました。「この間、Rと二人で電車に乗った時、2分遅れで駅に着いたことをアナウンスで駅員さんが謝っていて、なんだか日本ってすごい国だなって思ったよ。オーストラリアにいて、電車が定刻にきた記憶がないの。」「そう言えばママ、前も天気予報が結構適当だったとか言っていたよね。全部のマークが出たんでしょ。」「そうそう。雨と晴れと曇りマークが全部ついていて、どんな服装にすればいいんじゃ!と朝から突っ込みたかった!でも、そんな大らかな国民性も好きなんだけどね。」そんな話でわいわい。そして、一緒にテレビを見て、子供部屋で寝かせ、深夜に一人になりました。すると、マンションの入り口にキンモクセイが咲いていることを今年ようやく気付いたことを思い出して。去年の秋はまだ調停中、周りにどんな植物があるかなんて気に留める余裕さえなかったんだなと。そんな時期、ネネちゃんと会うことができ、さりげなく伝えた会話が再生されました。「Rと旭川に行った時にね、この土地で二人のことを知っている人は誰もいなくて、名字のことも気にすることなく、裏側にある苦悩を知られることもなく、なんだか気が楽だなって思ったの。しがらみのようなものにちょっと疲れていたのかもしれないね。」そう話すと、「分かるよ。」と姉らしい深さで共感してくれました。そして、続けてくれて。「それでも、今住んでいる場所で、Sちんが作ってきた人間関係もある。寂しくなることもあるんじゃないかな。いいことも悪いこともあるよね。でも、Sは大丈夫。雑音よりも、いいことに目を向けられたらいいよね。」いくつもの場所で自分自身と戦ったネネちゃんだからこそ届けてくれた気持ちに、泣きそうでした。

その会話から一年。学校で日直になった息子が、みんなの前で最近の出来事を発表したと話してくれました。「なんの話をしたの?」「ママと二人でバーミヤンに行った話だよ~。」もうちょっと他にはなかったんか?!と苦笑しながらも、息子の中でどこか開き直りのようなものも感じられて。辛さもまだきっと残っている、でも楽しさが1%でも上回ってくれていたらいいなと。桃鉄のメダルゲームをやりながら、伝えてくれたこともありました。「旭川も仙台も三島も、二人で旅行に行った場所が映ると嬉しいね!」と。自分が投げた球が、あたたかい温度と共に返ってくる時。元気をもらっているのはいつだって私の方。