点と点が繋がる

今朝は、バタバタしながら準備をしたので、時計と指輪を忘れてきてしまいました。勝手に独身気分です。司書をやっていた頃は、書架に手を入れて抜く時、ガリっという音がして、安物の時計しか身に付けられないと痛感。マニキュアも薄いものなら大丈夫と言われていたのですが、結局本を扱っているとあっさりはげるので、こちらも止めました。なんだか、こんな日は懐かしいです。

最近ぐっと冷え、朝起きるとどの部屋にも結露ができていたので、息子に聞かれました。「どうして、お部屋の窓に水がついているの?」と。「外が寒くて中が温かいと、気温差でこうなってしまうんだよ。」そう話すと、「誰かが水をかけちゃったの??」という返事。質問を投げかけておいて、全く人の話を聞かない5歳児。私の説明は何だったんだ!!

そんなせわしない日常の中で、幼稚園に送り届けようとすると、野球のご年配のコーチに会い、話しかけられました。どうやらかなり近くに住んでいるよう。またコーチに誘われるかとドキドキしていたら、チームの歴史について熱く語り始めてくれました。元々は子供会のソフトボールチームだったものが大きくなり、その当時の子供達ももう40代だそう。なんだか醸し出す雰囲気がどこかで祖父に似ていて、胸が熱くなりました。ご年配の方になんとなくいつも話しかけられるのは、祖父母と同居していたから。高校時代、女の先生に三世代で住んでいる話をしたら、目上の人に対する敬意の払い方があなたはどこかで違うと感じていたけど、その理由が分かったと言われたことがありました。神経をすり減らしていた実家も、私の振る舞いに少しだけプラスに作用してくれていたのねと嬉しくなったことを思い出しました。

この野球チームに出会ったのは、やはり何か導かれたように感じています。S君のお母さんに、「どうしてこのチームを知ったの?」と聞かれたので、「通っている接骨院の先生に相談したら、野球のコーチも施術に来ていて、紹介してもらったの。」そう伝えると、「Sちゃんってなんかすごい。」とだけ言われました。私はすごくもなんともないのですが、ふとしたタイミングで不思議なご縁があり、その瞬間を見逃さないセンサーだけは健在なのかも。

接骨院の先生に入部できたことを改めてお礼に行くと、とても喜んでくれて。「先生が繋げてくれたご縁を私も息子も大切にします。」そう伝えると、嬉しそうにしてくれました。「実は、そこのコーチで作る草野球のチームに僕の名前も入っているんですよ。でも、対戦する時は40歳以上というルールがあるらしく、僕が入って年齢がバレると無効になってしまうんです。キャッチャーマスクをベンチでもずっと被っていたら、顔が分からなくていいかもしれないですね。」「余計に怪しいですってば!しかも先生はショートだし。でも、コーチに来てくださいよ。」そう話すと、照れながら迷ってくれているようでした。

「僕、甲子園を見て、勝った選手が校歌の後にアルプススタンドに走って整列したそのカメラの先に、負けた選手が逆のアルプススタンドの前で泣いている姿が小さく映し出される、あのアングルが堪らないです。」これが、先生の視点。これは、私の視点とも重なりました。こんな先生に、息子のコーチをしてもらえたら私も堪らないです。
昭和を知らない先生は、昭和の時代を生きてきたような雰囲気を優しく漂わせてくれる人。