一員になる

息子の野球のユニフォームを見る度、公文バッグを見る度、その場所の一員になってくれたのだと嬉しくなる時があります。もちろん、ランドセルもね。そこに所属しているということ。そして、その仲間意識は時に微笑ましい。

ショッピングモールに行くと、大体いつも吸い込まれるのが書店。このあたりが私の色気のない所なのかも。服屋さんでも靴屋さんでもなく、本屋さん。なんだか落ち着くんです。手前にある最新の書籍は表紙が見えるように置かれているので、本当にざっとですが目を通すこともあり、素通りして読みたいエリアに行くこともあり。そんな中で、『読みたいことを、書けばいい。』(田中泰延著、ダイヤモンド社)が気になり、序章だけ読んでみたら笑えてきてしまい大変でした。慌てて閉じ、シェアオフィスにもあったことは知っていたので、デスクの上でもう一度開いてみたら、やっぱり笑ってしまい、変な人決定の瞬間でした。いつもは涼しい顔をしてパソコンに向かっているのに、まさか1冊の本にやられるとは。まだ冒頭しか読んでいませんが、タイトルが全てを物語ってくれているようです。自分が読んで面白いと思うことを書けばいい。そういうことなら、私の方向性は間違っていないのかな。続きを読みたいのですが、静かなオフィスでまた笑ってしまいそうなので、手段を検討中。しっかり素を出してしまったので、これですっかり皆さんの一員です。

そんなおめでたい日常の中で、書店で本に囲まれていたら、ふと大学図書館で働き始めた時のことを思い出しました。一通りの説明を受けた後、カウンターで困ってしまわないようにという先輩の配慮で、実戦練習。図書館システムを立ち上げ、司書仲間が学生さん役をやってくれて、何冊かの本を借りてくれました。バーコードを通し、返却期限を伝え、お渡し。これはまだ基本中の基本だったのですが、段々と応用編。付属資料のある本を借りる時には、注意書きと返却ポストに入れると割れるので、必ずカウンターに返してもらうように伝えること。そして上級編。返却する5冊中、1冊は延長をお願いしたいのと、このタイトルを探してもらい予約をお願いしたいということ。もうこうなるとテンパってしまうことは間違いなく、カウンターでおろおろ。説明を受けてもいざやってみると、やっぱり混乱してしまい、繰り返し練習させてくれた先輩や仲間には本当に感謝です。

大分慣れてきた頃、一人の男子学生さんが3冊ほど持って返却へ。「すみません、延滞です。」と言われたので、「遅れないで返してくださいね。」と伝えると、「違うんです、延滞です。」と言われ、「次回から気を付けてくださいね。」と言っても離れる気配が無かったので、困惑してしまいました。会話がかみ合っていないと思いつつも、もう少し話を聞き、「もう一回借りたいんです。」と言われたので、バーコードを通してみると、まだ期限内で延滞ではなかったことが発覚。「“延滞”ではなく“延長”ですね!」「あっ、そうです、それそれ。」ともう一緒に笑うしかなく、延長処理をして渡し無事終了。一部始終を近くで見ていた先輩はずっと笑いを堪えていたよう。「気づいていたなら教えてくださいよ~。」と伝えると、「色々なケースがあるから、経験した方が身に付くと思って。」とまだ笑いながら言われてしまいました。もう~と思いながらも先輩のそんな優しさが嬉しくて。実践あるのみだととことん教えてもらった、楽しい時間でした。

母がこちらに引っ越した時、電車に乗ってきた母を私と息子が、駅の改札口で迎えました。渡したのは、小さな花束とゆるきゃらのキーホルダー。
ようこそ。この時の感動を母が覚えてくれていたらそれでいい。