届いてほしい所へ

いつも心配しているのは、気づかれてほしくない人にサイトの存在を知られ、書きづらくなるということ。そういった話は、プログラマーのMさんに随分しました。そして、思いがけない返答が。そのひと言に、小さな迷いが無くなったような気がしています。
「Sちゃんが本当に届いてほしいと願っている人の所に、このサイトは届いていると思うし、これからもそうなると思う。逆に、知られたくない人には、検索でかからない気がするんだよ。ネットの世界も、そういう風にできているんじゃないかな。少なくとも、あなたの世界はそういうものだと思っているよ。」何かが、ストンと落ちる時。嬉しいですね、こんな風に見てもらえることも、解釈してくれることも。そして、実際に伝わっているのだと実感できる瞬間も。

最近読み終えた『空飛ぶタイヤ上、下』(池井戸潤著、講談社文庫)。言葉にならないです。1年ぐらい本を読むことをお休みして、この本の大きなメッセージを受け取りたいと思いました。主人公の生き様が、あまりにも人間らしくて、それが苦しく、優しく、じわっとこみ上げた時の気持ちをずっと抱いていたいと思います。生きること。壮大なテーマのようで、池井戸さんが伝えたかったことは、実はシンプルなのではないかと感じています。

夏休みの小さなミラクル。いつもお世話になっているスタバの席から、もしかしたら角度的に花火が見られるかもしれないと思い、夫と息子には河川敷に行ってもらい、私はパソコンを持っていざ目的地へ。二人に付き合いが悪いと思われても気にしない。これでも結構息子の相手はしているので、ここは開き直ることにして。そして、お気に入りの場所に座ると、本当に見ることができ、感激してしまいました。ジャズを聴きながら、花火を見る贅沢。スタバのガラスの向こうに見える綺麗な景色は、今までとは違う感動がありました。
今年春の花見は、猛烈に私の気分が悪く、二人に行ってもらうと、「ママも一緒に来られたら良かったのにね。」と息子がずっと言っていたよう。今回も、別々になってしまったけど、同じ時間に同じ花火を見ることができたよ。息子が大好きなニコちゃんマークの花火。場所は違っても、一緒の景色を見て感動ができる、そんな珍しいひとときも、たまにはいいのではないかと思いました。ずっとそばにいたら、腹が立つことが盛りだくさん。でも、一歩離れてみると、やっぱり息子の甘ったれが恋しくなることが不思議です。親子って、そういうものなのかもしれませんね。

姉の英会話友達から、野球の練習にいつも駆り出されていた高校時代。中間テストが終わり、翌日から期末テストの勉強をしていることを知っていた彼は、テスト最終日の午後、自宅に電話をかけてきて野球の練習に誘ってくれました。「今日は睡眠不足だから、また今度にして~。」そう伝えると、「あかんやろ。達成感の中で、ヘロヘロの状態でやるからおもろいねん!」そんな関西弁で言われても・・・と思いつつ、これ以上断る理由が見つからず、本当にくらくらしながらグラウンドへ向かいました。すると、なぜか小学生の少年野球の子供達と一緒にプレーをしていて、私まで巻き込まれることに。どうなっているの?と聞くと、「知らん。こいつらが勝手に絡んできた!」という返事。野球も、子供も大好きなことが、醸し出す雰囲気からちびっこ達に伝わったのだと、そういう時に言葉はいらないのだと見ていて微笑ましくなりました。好きなものは好き。嫌なものは嫌い。子供みたいにはっきり言うのに好感が持てるのは、何より彼の人柄であり、私に伝えたかったメッセージだったのだと、今さら気づいたような気がしています。

20年以上の時を経て、改めて届いた兄貴のような気持ち。