古いものの良さ

最近、様々な理由でいつものスタバに行くことができないでいたのですが、今日久しぶりに来たらエンジンがかかってきました。時間と空間の確保は、記事を書き続ける上で、永遠のテーマになりそうです。
現金でチャージをしたスタバのカードで商品を購入すると、スターが溜まるという嬉しいサービス。今回はタルトのケーキを引き替え、注文して食べたら、疲れが吹き飛びました。自分のこの単純さを、素直に褒めてあげたい。甘くておいしいケーキの味と、スターをゲットするほどスタバに通ったということは、それだけ記事が書けたという小さな証。

そして、視界に入ってきたのは、ルーズリーフのノートにびっしり書いた文字を見ながら、辞書をめくっている素敵な女性の姿が。パソコンでもなく、スマホでもなく、辞書。頭が下がります。
オーストラリアに留学前、辞書では授業に追いつく自信が無くて、小心者の私は電子辞書を購入。単4電池も買い溜めして、準備は万端でした。心配なので、替えの電池はいつもバッグの中へ。安心して学校に向かい、教室で先生を待っていると、気温差で頭痛が発生したので、錠剤の薬を水なしでゴクンの飲んだ瞬間、声をかけられたのは、少しチャラいブラジル人の男子学生君。「S、それ怪しい薬だろ!」「No!!」と笑いながら完全否定した後、先生がやってきたので授業開始。よく分からない単語を緊張しながら調べていたら、なぜか先程の学生君が気になり、見てみると、皆電子辞書を持ってきているのに、彼だけ冊子タイプの分厚い辞書を一生懸命めくっていて、なんだかその姿に胸が熱くなり、同時に自分のことが恥ずかしくなりました。そう、その辞書には、真っ黒な手垢が沢山ついていたから。沢山勉強したという、彼の紛れもない痕跡。

息子と新しい教科書を開ける時、必ず開けやすいように前と後ろの折り目をきちっとつけるようにしているのですが、その作業をしていたら、高校の時の化学の先生がなぜか思い出されました。授業の予習はきちんとしてくるように!というのが先生達の口癖だった中で、化学の初めての授業でのこと。教科書を開き、皆が一斉に折り目を付ける様子を見て、先生が笑い出し、「その動作で初めて開けたかどうか分かるんだよ。折り目付けてきたって言える人はいるか~?」怒らずに笑ってくれる先生は、皆の癒し系でした。苦手な教科も、先生の優しさに救われて無事に乗り切った1年。「試験前に、質問したい人は聞きに来るように。」と言われたので、正直に伝えに行きました。「先生、化学が難しすぎて、自分で何が分からないかが分からないです。」ははっ。一緒に笑ってくれた先生は、小テストを用意してくれて、皆が自分の弱点に気づくところから教えてくれました。その後、その小テストを元に補習授業。理系男子はとっとと帰ってしまい、理解するまで絶対帰るものかとやけになりながら最終まで居残り。夜は、蛍光ペンと赤のボールペンを握りしめ、教科書に直書き。そんな努力が何とか実り、予想を超える試験結果が出てくれました。教科書は、そこの単元だけボロボロ。でも、その達成感はひとしおでした。化学の先生の呆れた顔を思い出すと笑えてくる記憶。文系女子が、化学を極めるのは限界があると感じてくれたかな。私だけ?

息子のプリント類がどんどんたまり、クリアファイルはすでにパンパンになりつつあります。ひらがなの『く』の練習を学校でした時、くまの絵を色塗りする箇所があったので、くみちゃんと同じ色の黄色にしたんだよって嬉しそうに話してくれました。どうやってファイリングするかは腕の見せ所?捨てる時は、お腹いっぱい笑ってからにしよう。
一人暮らし用の、“心が折れそうになった時に開ける本”を勝手に作製しておこうか。