スーツに弱い

男の人のスーツ姿に弱い女性は多いのでは?
私の場合、父が毎日仕事へ行く時に着ていたということが大きいのかも。

週末はすごくだらしのない格好をしているのに、月曜の朝にぱりっと着こなしている姿は、働く男の人の格好良さの表れのようで。
顔つきが変わるあの瞬間もいいですね。

もちろん私も、スーツやジャケット、ワンピースといった正装が好き。特別感があって、シャンとして鏡に映ると、自分にもこういった一面があるんだなって思います。

大学の卒業論文のテーマは、日本古代の女性の美しさを書きたかったのですが、全然文献が無く、途中で諦め、古代の衣服について研究しました。
記憶が薄れているので、適当なことは書けないのですが、古代史は漢文で書かれていることが多く、ゼミの教授には、「そのテーマなら中国に行って探した方がいい。」と言われて苦戦。
国内でも、奈良に行って調べた方がいいかもしれないと言われたのですが、なんとか愛知県内で資料収集。
大学図書館と、愛知県立図書館、名古屋市立図書館には本当にお世話になりました。

色々と学んだのは、伝統的な行事では正装をし、目上の人に敬意を払うということ、中国から受け継がれた文化を、日本人らしく変えていったということ。
なんと言っても、古代の文献を読んで曖昧なことも多いので、間違っていたら申し訳ないですが、少なくとも、中国の文化をそのまま取り入れたのではなく、日本的な要素を入れながら今に至っていることは、私の卒論では結論になっています。

学生時代、父の日に名古屋のデパートへネクタイを買いに行った時のこと。
店員さんに「お若い方なので少し明るいのもいいですね。」と何本か持ってきてくれたものは、随分派手なもので苦笑い。どうやら恋人への贈り物だと思われていた様子。
「すみません。銀行員の父へのプレゼントなんです。」と伝えると、非常に申し訳なさそうにしてくれて。
海老フライのついたネクタイは、銀行マンには似合わない・・・。名古屋名物、笑わせてくれるわ。

できるだけ落ち着いた色を選び、父に渡した時のリアクションは薄かったけど、翌日そっとそのネクタイをしめて、銀行に行ってくれました。
「娘からもらったんだよ。」職場で、そんなことを言う人じゃないのは分かっている。でも、吊り革につかまって微笑んでいることも分かっていた。父ってそういう人。

スーツにネクタイ、仕事じゃなくてもフォーマルな場所で、男性がパリッと着こなしている姿を見ると、女性を守ってくれそうな逞しさを感じます。

だって、古代女性の文献、なかなか無かったんだもん。日本男性の正装は、男らしさの象徴。