髪の毛を切りたい気分

いつもは、セミロングかロングが多く、先端だけ内巻きになるようにパーマをかけていたのですが、無性にばっさり切りたくなり、美容院へ行ってきました。
気温差が激しい日で、ぼーっとする中で可愛らしい美容師さんが対応。ヘアカタログを見ながら相談し、うたた寝している間に、顎ラインまで本当にばっさり切ってくれていて。美容師さんの潔さがなんだか格好よく、随分イメージが変わった姿が嬉しくて。春だからね、軽やかに行こう。

その美容師さんが、妊娠7か月で、花粉症なのに薬が飲めないと苦笑しながら教えてくれました。辛いのだけど、幸せの中にある苦痛は、どうしてこんなに柔らかいのだろう。お腹の中でゆっくり育てる妊娠期間は、お母さんになる為の大切な準備期間。10か月という間に、心も体も丸くなって、ママになる。そんな大切な時期に、髪の毛を切ってもらえて、こちらも母性をもらったような気がしました。最近も怒り狂って、母性のかけらも無かった自分をちょっとだけ反省。

別れ際に、「元気な赤ちゃんを産んでくださいね。」と伝えると、その日一番のふんわりとした笑顔でお礼を伝えてくれました。
私も、この言葉が本当に嬉しかったから。届いていたら良いな、赤ちゃんにもね。ママを助けながら、元気に生まれておいで。あなたのお母さんは優しいから大丈夫。

大学生の頃、名古屋市内を歩いていたら、通りがかった美容院がカットモデルを募集している張り紙を見つけ、なんとなく店内に入ってみると、50代の男性店長さんが、「今日来れる?」と随分ラフに言ってくれたので、思わず「はい!」と答えていて。
全然髪の毛を切る予定は無かったのだけど、なんだか面白そうで、その夜再度向かうことに。

スタッフさんは、店長以外に、若い男性が二人、若い女性が一人。随分アットホームな雰囲気で、なんだかホッとしました。店長さんが近くに住んでいて、営業が終わった後、スタッフ皆を自宅に呼んで、奥さんが作る夕飯を食べてから、練習の為にもう一度お店に戻っているそう。
家族ぐるみの付き合いをしているから、その雰囲気がそのまま店内に流れているのね。

その日、担当してくれたのは、若い20代前半の男性美容師さん。肩まで切ってパーマをかけてほしいとお願いしたら、その様子を後ろから見ていた店長さんが指摘を始め、ダメ出しがスタートしてしまいました。よく分からないけど、途中で笑ってしまいそうになり、ぐっと堪え、店長さんが去っていくと、そのスタッフさんが舌打ちをしていて。

一日の最後、疲れている中で深夜にダメ出しをされる辛さは、教育実習で経験したから、気持ちはよく分かるよ~と心の中で慰めながら、エールを送り、雑談をしながら和んでもらいました。仕上げは店長さんがやってくれたので、バッチリ。
家族ぐるみの付き合いをしている中でも、しっかりとした師弟関係があり、仕事の裏側を毎回見せてもらえることがとても新鮮で、感動し、美容師さんの技術の一部になれたことがとても嬉しかった。

その人に合ったイメージをほんの数時間で作ってくれるマジック、髪の毛を切りたくなるのも納得。新しい発見は、次のステップになる。