大好きだったホストファミリー

オーストラリアに短期留学したことは以前の記事にも書いたのですが、Jamesがいるシドニーは選びませんでした。
お互いがもう前に進んでいる、離れたところで頑張りたかったからです。

私が選んだのは、ブリスベンという第3の都市でした。ホストファミリーも決まり、もうすぐ出発という時にそこの家族の都合がたまたま悪くなり、直前で変更に。
あまり気にしないように出国し、送迎ドライバーのオーストラリア人男性の陽気なキャラクターで不安も無くなり、新しいホストファミリーの家に到着。

満面の笑みで迎えてくれたのは、アジア系のホストパパでした。
ウェルカムなのが体全体で分かり、待っていてくれた気持ちが嬉しくて長距離移動の疲れも吹き飛びました。家に入ると、ホストママと高校生と大学生の女の子、後から大学院に通う男の子が帰宅して、質問攻めに。
そして、ご家族の話もママが沢山してくれました。
「私達は、フィリピンから移民してきたの。大変な思いの中で周りの人達に助けられて、家も建てることができたわ。落ち着いてきた頃に、真ん中の娘を日本に短期留学させてとても大切にされたの。場所は名古屋よ、知っている?だから、今度は私達が海外の子を受け入れたいと思ったの。あなたみたいな優しそうな日本人の子が来てくれて嬉しいわ。日本に恩返しできたかしら?」

初対面じゃないような、ずっと前から知っているような、そんな柔らかい雰囲気と沢山の気持ちを伝えてくれて、言葉になりませんでした。留学先も名古屋、とても大きな繋がりを感じました。
自分達がお世話になったから、また同じように返したかった。
そんな気持ちを届けてくれたこの家族に出会うのは、必然だったのかもしれません。

ある週末、パパが「仕事でゴールドコーストに行くから一緒に行く?」と誘ってくれて、1時間の高速ドライブ。誕生日を聞くと日にちまで全く同じでした。それを伝えたら、運転そっちのけで私とハイタッチ。もう、怖いよ~と思いながら、巡り合わせを感じられたことが堪らなく嬉しかった。

ママは、どんなに疲れていても体調が悪くても、夕飯は私の近くに座ってくれて、必ず聞いてくれました。「How was your day today?(今日は一日どうだった?)」
そんなこと聞いてくれる人、今まで誰もいなかった、と思ったら泣けてきました。
私が食べながら泣いていたら、みんなが「どうした?」と寄ってきてくれて、皆の優しさに余計に泣けてきて。
張り詰めていたものが、ゆっくり解けていくようでした。
最後の日、パパが連れて行ってくれたゴールドコーストの海を見てから帰る為に、ママが高速バスの駅まで送ってくれました。
「いつでもいらっしゃい。私達はみんなあなたのことを待っているよ。」と私の頬にチュ。
ふんわりとココナッツの匂いがした優しい別れ。

もらった気持ちを誰かに繋げる、あまりにも大きなお土産をもらった大好きな心の家族です。