とぼけた質問

パソコンを通して、実際に会って、プログラマーの友達には色々な説明を受けるのですが、近々操作にちょっとした変更があるかもしれないと言われ、若干慌てています。

大学図書館勤務時代、図書館システムのバージョンアップだったか、とにかく操作が少し変わるということでシステムエンジニアの方が、図書館職員の前でレクチャーをしてくれたことがありました。一通り終えた後、なんでも質問してくださいと言われたので、なんとなく気になっていたことを聞いてみると、SEの方の目が一瞬点になり、それを取り繕うように丁寧に答えて下さり、その様子を見ていた皆も苦笑。余程私がとんちんかんな質問をしてしまったらしく、でも、分からないままカウンターの前で、利用者の方に迷惑をかけてしまうよりも、今ここで恥をかいた方がいい!と判断して聞いたのに、こんな空気になるとは。その時は、分かったような気持ちになり、いざ一人で操作をしてみると、混乱することなんてあるあると開き直り、内々では恥をかくようにしています。ということで、プログラマーのMさんも、根気よく私に付き合ってくれている様子。

ここ最近、すっかり暖かくなってきたので、もう少し体を動かしたいなと思っていたら、なぜか姉と電話で話した会話が思い出されて。「私さ、スポーツ全般好きだけど、なぜかプールだけは苦手でね。背泳ぎなら顔をつけなくていいから、なんとなく安心なんだけど、それ以外は下手なんだよ。なんでだろうね。」そう伝えると、思いがけない返事。「Sが生まれてすぐの時は、沐浴はおばあちゃんがやっていたんだよ。その様子を私も近くで見ていたんだけど、おばあちゃん結構雑な人だったから、Sを皆が入ったお風呂の残り湯にざばっと入れて、出したりしていたから、Sはお湯を丸かぶりで、子供ながらに見ていてハラハラだったんだよ。プール嫌いはそれが原因かもしれないね~。」ははっ、と乾いた笑いの私。適当に質問しただけだったのに、こんな答えが返ってくるなんて。なんとなく納得。
祖母は、その後乳がんが発覚し、8年間の闘病生活。その前に育児をしてくれたのだと思うと、プール嫌いも祖母の愛情だと思うことにします。って、それはやっぱり無理。

そんな祖母が、個室で入院していた頃、ベッドの近くで、ぬいぐるみで遊んでいた私は、お見舞い客の方が、お見舞いの封筒を祖母に渡し、引き出しにしまっているのを見ました。その後、祖父が様子を見にやってきたので、祖母は、「これで遊んできて。」と言って祖父にそのお見舞金を渡していました。そのことを大人になって母に聞いてみると、「おばあちゃんは乳がんになったことをとても申し訳なく思っていて、おじいちゃんはそのお金でパチンコに行ったりしていたの。なんだか許せなかったわ。」その話を聞いた時、私も酷いなと思ったのですが、今なら分かる。祖父は、祖母が亡くなることが堪らなく辛くて、パチンコの画面を見ながら泣きたい気持ちをぐっと堪えていたのだろうと。誰かの意見を額面通りに受け取ったらいけないこともあるよねと思った、ほろ苦い会話です。

息子が最近よく聞いてくるのは、「ママ、何歳?」。「39歳だよ。」「絶対におばあちゃんにはならないでね。」なかなか難しい課題だな。可愛らしく年を重ねたら許してもらえるかな。ただ、時をやり過ごすだけでなく、なんでもないこともビタミンに変えられたら、内側から引き出せるものもあるかな。まずは、格好いいアラフォーを目指そう。
目標だけでも十分成果はあるはず。