最近、メジャーリーグの中継をニュースで見ても、「オオタニサ~ン、ビッグオームラン!」ぐらいしか聞き取れず、自分のリスニング能力の低さを痛感。大谷さんって日本語だし。
そういえば、大学時代の英語の時間にも、ヘッドホンを付けてのリスニングの授業があり、早すぎるだけでなくテンション高めのメジャーの実況で、何を言っているかの4択問題が出された時のこと。A~Dのどれかという出題に、”a”と書いていて、通路を歩いていた教授に全く聞き取れていないことがバレて、笑われてしまいました。4択なので25%の確率で当たるのに、適当に書いたのが全ての間違い。学生さんあるあるです。
マーリンズにいたイチロー選手が、メジャー3000本安打の偉業を成し遂げる少し前、ヒットが打てず足踏みをしていた彼がバッターボックスに立った時、対戦相手のキャッチャー、カージナルスのモリーナ選手がさりげなく立ち、観客ができるだけイチロー選手に声援を送れる時間を取っていたことがありました。その後のインタビューでは、「あれは素晴らしい瞬間だったね。イチローとの対戦は僕にとっても光栄なこと。ファンが、イチローが来てからの10年間に対して、感謝を表す時間を作れると思い“間”をとったんだ。良い時間だったね。尊敬の気持ちからだよ。MLBや野球に対するイチローの貢献を考えたら敬意を表さないと。みんなに尊敬されるにふさわしい選手だよ。」と。
積み重ねられてきたものの大きさを誰もが知っている。同じメジャーリーガーならなおさら。その1本の重みも。だから、敵味方関係なく、ヒットが打てるかどうかでもなく、大記録目前にその場所に立っているイチロー選手そのものが、皆の誇りなのだと。
同じくマーリンズにいたイチロー選手が、セーフコフィールドに凱旋した時、シアトルでプレーをする最後になるかもしれないと言われた時のホームラン。いつもの楽しそうな実況をわざと止め、観客の方達の感動をできるだけ生で伝える為に、ひと言も話さなかったあの時間は、胸を揺さぶられました。エイミーさんがイチメーターを更新しいている姿も実況なし。イチロー選手が成し遂げてきたものに、説明はいらなかったのかもしれません。伝えなくても、皆が知っているから。そして、古巣でホームランを打ったその場の空気を、できるだけ届けることが、アナウンサーとしてやるべき仕事だったのだろうと。あの時感じた大きな感動は、ずっと心の中にあります。
選手に最大の敬意を払うアナウンサー、素敵ですね。
神戸とシアトルは姉妹都市なので、神戸出身のプログラマーの友達は、シアトルに留学したと聞いています。阪神大震災の時、Mさんを助けたシアトルの方達は、姉妹都市という国を越えた友情も感じていたのかなと思いました。多分、彼の英語よりも、動揺している姿に心を打たれたはず。そういった時に、やはり言葉はいらなかったのかも。
袖に書かれた“がんばろう神戸”のオリックスのユニフォームを着たイチロー選手が、シアトルマリナーズの選手になり、2つの球団を渡り、また戻ってきました。野球人生をここでかけたいと願う、そんな場所に一度でいいから行ってみたい。シアトルで、イチロー選手はどんな存在なのか、直接聞いてみたいです。でも、聞かなくても最初から分かっている。
「We love Ichiro. He is a great player in the future as well. We all are so proud of him.」(私達はイチローが大好き。彼はこれから先もずっと偉大な選手。私達皆、彼を誇りに思う。)