息子とたまに行くゲームセンター。二か所あるので、一か所を中心に行っていると、もう一つの方の預けていたメダルが有効期限切れになっていて大慌て。息子に説明すると、「ええっつ!!」と二つ目の“つ”が大きくなってしまいそうなリアクションに笑ってしまいました。「一か月って経つのが早いね。まだ大丈夫だと思ったら、あっさり期限が切れてしまっていたよ。残りが50枚ぐらいでまだ良かった。」「フィーバーした方のお店じゃなくて良かった~。」「いい勉強になったね。これからは気を付けよう。」そう言って反省と共に短時間だけ楽しんで帰宅。時間って大切だな、そんなことを思っているとある出来事を思い出しました。時間旅行の始まり。
それは、息子と二人暮らしを始めて二か月が過ぎた頃、電車に揺られ桜並木の綺麗な公園に出かけた時のことでした。空いているベンチに荷物を置くと、隣に座っていたのは60歳ぐらいの欧米人の男性。「Hi!コンニチハ!」と缶チューハイを片手にご機嫌で挨拶をしてくれたので、笑顔で返事をすると喜び、少し会話をさせて頂くことに。日本語と英語が混ざった内容だったものの、いい感じで出来上がっていたので、所々聞き取れない箇所もあり、それでもハイテンションで話が続くので、笑いながら聞いていました。『あつまれどうぶつの森』に出てくるジャスティン並みに軽いな、ウェーイ!とかいうノリだよねと思いながらも、なんとなく彼の人生が分かって。どうやら数十年前に日本に移住、日本の桜が綺麗で毎年この時期になると1人こうして桜を眺めている、娘も孫もいるんだよ、僕はリタイアして余暇を楽しんでいるのだと。いい生き方をされてきたのだと彼から滲み出る人の良さを感じ、自分の中にも流れ込んできました。そして、息子も紹介するとお互いがとてもいい表情で挨拶し、桜の木の下で優しい時間が流れて。その後、テニスボールで軽いキャッチボールを二人で始めると、彼が缶チューハイを上にあげながら、ベンチで微笑ましく見守ってくれました。プレーしていたのは二人、でも心の中で、三角形でパスを出していたひととき。そんな時は過ぎ、お別れの時間がやってきました。すると、彼が最後に伝えてくれて。「It was nice meeting you!」会えて嬉しかった、この言葉がとても好きでなんだかぐっときました。元夫との別れからまだそんなに時は経っておらず、まだまだこれからと思っていた時に出会った異国の男性。子供も独立し、それこそ自分の人生を振り返っているかのような方に、たった一度の出会いを喜んでもらえて私も元気をもらったようでした。帰り道、息子がぽつり。「ポールさん、いい人だったね!なんて言っていたの?」「お酒が入っていたから、英語も日本語も呂律が回っていなくて、たまに聞き取れなかった!」だはっと息子も大爆笑。「でもね、最後に今日は会えて良かったって言ってくれたの。だから同じ気持ちを返しておいたよ。」It was nice meeting you, too.今年はその公園に行けなかったけど、桜並木の下で気持ちよくお酒を飲んでいる彼が簡単にイメージできた。いつかまた会えるといいですね。カンパーイ!陽気な彼の声が聞こえてくる。
息子とのそんな暮らしもすっかり自然なものになり、夏休みも近づいてきました。自分の状態もなかなか上がらず、これは一体どうしたものか。それでも、仙台旅行の本を読む度、胸が高鳴ります。行き先を決めてから、もう私の中で旅は始まっていて、どんな状況でも息子にその景色を見せることができたらと願っています。52歳で乳がんになった祖母。自宅と病院ばかりの生活を送っていたなと改めて思っていると、そんな中でおじいちゃんと二人で旅行に出かけてくれたことをぼんやりと思い出しました。おばあちゃんは、私の好みを知っていて、二人で選び小動物のぬいぐるみを買ってきてくれて。闘病中でも、ささやかな幸せがそこにはあって、やっぱり祖母の60年は沢山の濃度が詰まった生涯だったのではないかとふと思うのです。「Sちゃん、お母さんのことよろしくね。」私に託した言葉。それは、8年の闘病を支え、頑固なおじいちゃんを置いていくことで母の負担を心配してのことだと思っていました。でも時が経ち、それだけではなかった、体裁ばかりを気にして母の本当の気持ちに気づかないふりをした祖母のごめんねがそこに含まれている気がしました。家族であっても、親子であっても、同性であっても、近い人だと思っていても、今さら本心を言えないこともある。だから、病室のベッドで沢山考え、祖母は孫の私に託したのではないかと。それが、姉ではなく妹の方だった。そのことをネネちゃんは気にしていたけど、祖母の気持ちをなぞると見えたものがありました。介護で疲れ切っていた母は、長女である姉に散々当たった、そのことをおばあちゃんは知っていて、もう十分傷ついてしまっていたネネちゃんにこれ以上負担を強いることはできなかったのではないかと。病院から久しぶりに自宅に戻った祖母は、いろんなことが見えていたはず。おばあちゃんの愛を、どこかのタイミングで姉には伝えようと思います。素直に受け取らないかもしれない、それでも心のどこかに残ってくれると願いたい。初孫が生まれて、おばあちゃん嬉しかったんだ。
くそ~というぐらい、状態が悪い時があり、そんな中で夏休みが始まると思うようにパソコンの前に座れないかもですと、最初から弱音を吐かせてもらうことにして。大事なのは途切れさせないこと、本当にちょっと無理だと思った時は一時的に週一の公開にさせて頂くかもしれません。長距離ランナーだったから、ペース配分を間違えないよう、給水をしっかりして気持ちよく走れるように。暑い夏ですが、この季節を楽しみながらいい時をお過ごしください。公開していなくてもここにいます。がんばれじゃなくて、来てくれてありがとう。涙がこぼれてしまう日もあるかもしれない、そんな時にこの場所を訪れてくれてありがとう。そんな皆さんに支えられ、このサイトは成り立っています。いいことが掌に集まりますように、いつも祈っています。