実はこれ、本の失敗。
“その人の人柄が知りたければ本棚を見よ”というようなことを聞いたことがあり、本棚を見るとその人がどんな趣味や思考をお持ちなのか、なんとなく分かるのだそう。私の場合、一人暮らしをしていたこともあり、ある程度たまるとすぐに売りに行かないと部屋が狭くなるので、うちの本棚を見ても私の人柄は分からない状態でした。
そういった理由から、20代の頃はよくブックオフに購入した本を売りに行っていました。そして、また気に入った本を数冊買って帰ったある日、自宅で読んでみると、どこかで読んだことのある内容。それは、以前自分が売った本で、小さなシミがなんとも懐かしく、笑ってしまいました。そのタイトルがどうもお気に入りだったようで、もう一度見た時にすぐ手に取り、何も考えず購入。
翌日、大学図書館の職場で、「自分が10円で売った本を、100円で買ってしまった!」と話したら大爆笑。でも、司書仲間は優しく、「なんとなく分かるよ。よっぽどストライクなタイトルだったんだろうね。」いやあ、嬉しいな。
そして、久しぶりに古本屋さんの存在を思い出し、息子に付き合ってもらい、大好きな作家さんの本を購入。タイトルだけでなく、解説も読んで納得した上で決めたのですが、寝る前に読んでみると、これまた20代の頃に読んだ本だということが判明。やってしもた!でも、10年以上も前に読んだものなので、また新しい発見がある気がして、読み進めることにしました。
それにしても、学習能力0でちょっと情けないですね。そんなこともあります。
図書館で借りる、本屋さん、古本屋さん、インターネットで購入。色々な手段を使って入手するようにしているのですが、とっても困ったことがありました。
それは司書教諭の勉強をしていた時、参考文献を読まないといけないのに、ネットで調べてみると既に絶版。そして、近くの図書館はそんな時に限って改修工事で長期間閉館。ほしい本を何とかして手に入れろという教授の思惑なのか、色々考えて思いついたのが、図書館の横の繋がり。
以前の図書館サービスは、そこの場所まで行かないと所蔵があるかないか分からなかった。でも、今はインターネット時代。テキストにもあった“開かれた図書館”になりました。そこにいなくても図書館の所蔵を調べることはできる。そのことを思い出し、もう1か所離れた市内の図書館を検索してみると、そこにはほしい本の登録が。そして、貸出可の文字。
連日の睡眠不足で、1歳児を連れての車の運転は心配。それを思い、さらに調べてみると、駅近くの公共サービスの場所に、本を届けてくれるという案内を発見。
1つの図書館が閉館でも、もう1つの図書館が補ってくれる。そんなサービスを目の当たりにした嬉しい経験でした。それからすぐにネット上から申し込み、ベビーカーで駅近くの公共サービスまで。そこで受け取った絶版の本は、誰も読んでいないと分かる綺麗な状態で、図書館に眠っていたようです。図書館の勉強の為のかなりマニアックな本は、図書館から車に乗せられて、市の職員さんから私の手に。
ほんの失敗ではなく、感激の対面でした。こうやって図書館サービスが誰かの役に立ってくれたら。利用者になって改めて感じた、1冊の本の重み。