笑ってくれる人

この間、健康診断に行く前、色々なことを考えながら自宅を出て、エントランスにいた男性の管理人さんに、「行ってきます。」と挨拶をし、たまには格好よく歩こうとスカートを履いていたのもあり、自転車を忘れていることに気づきました。慌ててマンションに戻り、管理人さんに忘れ物をしました!と言い残し、また戻り、「実は、自転車を忘れちゃったんです。」と照れながら話すと、優しく、「それは大変ですね~。」と一緒に笑ってくれて。
小さな忘れ物だったらまだしも、自転車を忘れるって・・・。顔がそう言っていて赤面。まあ、私の天然ぶりはよく知ってくれている間柄なので、これもご愛嬌。

日曜日の夜、まったり自宅で夕飯を三人で食べていたら、なぜか車の話になり、「週末車に乗ろうとすると、駐車が斜めになっているから、Sが平日に乗ったことがすぐに分かるよ。」とこれまた笑われてしまいました。一般的に、車に乗り込み、シートに座って位置がずれていることで初めて気づくと思うのですが、我が家の場合は、私の下手な駐車だったよう。ちなみに、マンションの機械式駐車場ではなく、近隣の平置きに停めていて、隣がたまたまお隣さんの楽観的な先輩ママ宅の車。車通勤をされている旦那さんは、斜めになっている駐車を見る度に、舌打ちしながら、隣の奥さんが今日乗ったんだと思われている予感。いつまで経っても上達しなくてごめんなさい。お隣の食卓でも話題になっていたりして。

自分がどうしようもなく苦難にぶつかった時、とりあえず凹むだけ凹んで、そこから誰かに笑って話せるようになるまで頑張ろうと思うようにしています。そんな簡単ではないのだけど、こんなに辛い思いをしたなら、この経験を無駄にしたらいけないよねなんて、笑いを探すところがあって。

3.11の東日本大震災の時、オーストラリアから帰国できなくなり、ゴールドコースト空港の日本行きのカウンターは緊迫していました。祖父を施設に預けていたし、私も大学図書館の状態が気になり、周りの日本人の方も仕事が休めない、家族が心配だ、何とか飛行機を飛ばせないのかと、切羽詰まった状態で、現地の空港職員もできるだけ冷静に対応しようとしてくれていました。とりあえず、どう頑張っても今日の帰国は無理だと判断した私は、チェックインカウンターで、明日関空行きが空いているならとりあえず予約をしてほしいということ、成田行きが飛ぶなら明日変えてほしいことを依頼。そして、「Anything else?(他にありますか?)」と聞かれたので、「Ocean view room, please.(海の見える部屋をお願いします)」と半分冗談で伝えたら、大爆笑してくれて、その会話を聞いていた周りの方達も一緒に笑ってくれて。
皆の顔が強張っていました。空港のスタッフさんも、観光客の方も。それを肌で感じたから、わざとくだらないことを言いたかった。一気に和んでくれた男性スタッフの方は、笑いながら最優先案件に入れさせてもらうよ!と乗ってくれました。さすがはオージー。この明るさに何度も助けられてきた。そして、案内されたホテルは、本当に上階のオーシャンビュールームでした。

色々な災害が日本国内で起きています。理不尽な思いを沢山されて、そんな中でも一生懸命頑張っていらっしゃる方が大勢みえるのだと思います。私の読者の方達は、ざっくりとした地域も裏側で表示されていて、全国にいてくださいます。決して他人ごとではない、そして何もできないけど応援しているということ、なんでもないことで笑ってくれる日がきたらと願ってやみません。
復興が、一日でも早く進みますように。