プロ野球の外国人選手が、梅雨の時期になると打率が下がるという話を聞いたことがあり、私自身は大丈夫だろうかと今年はよく分からない不安感と戦っていました。単純に、雨の日は気分が沈みがちになるから。でもそれは、きっと大なり小なり誰でもそうですね。
最近はずっとシェアオフィスに通っていたので、久しぶりに雨のドライブを楽しみながら一凛珈琲へ行ってきました。すると、いつものスタッフさんが挨拶と共に伝えてくれました。「お久しぶりです。」ととても驚いた顔で。席に着き、事情を説明すると、理由が分かり安心されたと同時に、少しだけ残念がってくださっているようでした。「雨の日だけじゃなくて、また良かったら通ってくださいね!」そんな優しい口調に嬉しくなり、お世話になっている場所も大切にしたいなと改めて思ったブランチタイム。一番の常連で、指定席もさりげなく用意してくれているのに、何週間も行かなかったら、寂しくなりますね。「最近、生食パンにはまっているんです~。」と嬉しそうにマイブームを話してくれて、やっぱり来て良かったなと思いました。新しい場所が見つかったからといって、元々のホームを忘れたらいけない。そこでもらった温かい気持ちを、過去のものにはしないように。
シェアオフィスの建物の1階のトイレで、よくお会いするようになったお掃除の女性の方。雨が降る前のじめっとした暑い日、せわしなく入り、すっかり顔馴染みになり、お互いを労った後、そこを出る時に伝えてくれました。「いってらっしゃい」またそんな言葉をかけてくれる方に出会えた喜びがこみ上げ、「いってきます」と笑顔でお別れ。そのひと言がお互いの活力になっていたらいいな。同じ場所で頑張る仲間は、オフィス内だけじゃない。
息子が帰宅し、真っ先に教えてくれました。「図書室の本は、1年生の時は自宅に持ち帰ったらいけないことになったの。ママ、ごめんね。」本当にしょんぼりした声で話してくれるので、それが逆におかしくて。どんなに重たくても、雨が降っていても、持ち帰って一緒に読もうと思ってくれていた様子。そして、私がどれだけ本が好きで、二人で読む時間を大切にしているのかも。「大丈夫よ。学校で楽しんでね。今日はどんな本を借りたの?」「おりがみの本だよ。見せようと思って借りたんだ。」その気持ちだけで十分。お母さんとではなく、お友達と読んでね。先生に言われてからずっとがっかりしていたのが分かり、その気持ちを忘れないでいようと思いました。
胎内記憶を話し出すのはほんの一瞬だと思っていたのに、息子はその後もふと話してくれました。「ボクがお腹の中にいた時、ママが絵本を読んでくれる間、ママのお顔が見えたんだ。可愛かった。」お腹の中の話だけでなく、実際の声でもなく、外から見えていたことに本気で驚きました。絵本を読んでいる間は、一番穏やかで優しい時間。その雰囲気が可愛かったと伝えてくれたんだろうな。小学校に上がり、自分のことを一人称で「お母さん」と言っているのに、息子は私のことを「ママ」と呼ぶ。全く言葉が話せなかった赤ちゃんの時、小児科の健診で、ベビーカーに忘れ物をしたので、看護師さんに短時間息子を預け、外に出て戻ってきたら、「ママ、ママ」と一生懸命呼んでいて驚きましたと話してくれました。言葉を知らないのに、知らず知らずに覚えた最初の単語。その言葉を、簡単には変えられないよと思われているのかな。愛着あるもんね。
自然にお母さんと呼んでくれる時は、彼の中の胎内記憶が全く無くなった時なのかも。もしかしたら今は、大切な転換期。記録をここに残しておくから、安心して。自分の世界を大切にするんだよ。