見えている世界

息子が週に一度、ボランティアの方達が運営してくださる放課後の遊び場所で、工作をして帰るのが日常になってきました。学校が終わり、本人の気持ち次第でいつ行ってもいいよと言ってあるので、本当に曜日が固定されることなく、その日の気分で出向いているよう。そして、また持って帰ってきた作品を見て、リビングで大盛り上がり。これ何?といきなり答えを求めるよりも、想像力を楽しむことにして。「バスかなあ・・・。」「違うよっ。」「うーん、今回もリモコンが付いているからラジコン?」「ブッブー。正解はキャンピングカーでした!」発想が素晴らしい!そして、中身の説明をしてもらうと、中にはプールもあり、ブランコもありという7歳児の夢の中へ。なんでこの場所にブランコ?!という発想は、ハイジのオープニング以来・・・。想像力と創造力、どちらも彼の個性が伸びてくれたらと願う毎日。

そして、裏側で起きていたこのサイトの不具合や、セキュリティ面での説明を受ける為、プログラマーのMさんとミーティングを行いました。ようやく解消され、ほっとしながら、なかなか難しい中身の説明をされ、紅茶のカフェインに助けられながら寝ることなく頷いていた時間。どうやら、このサイトの裏側で少しずつお引越しを進めてくれているらしく、鋭意準備中だそう。他人事みたいに言っている場合ではないのですが、今は貸店舗のような状態で、ワードプレスという画面からサイトを作成、それを別のオリジナル店舗で運営ができるように、少しずつ移動をさせてくれているようです。自分で書いていてもいまいち意味が分かっていないのですが、気が付くと隣の店舗に『さくらdeカフェ』が出来上がっていたので、そちらに移動したら不具合も早い段階で解消されますというそんなイメージだそう。私は、環境に流されることなく書き続けることがミッションなので、自分のペースを守ることにして。そして、そんな中で改めて伝えてくれました。「Sちゃんにしか見えない世界があるんだよ。同じものを見ていても、あなたが見ると優しくなったりする。その世界観を知りたいと思うんだ。」この言葉、そう言えばこれまで出会った何人もの人に言われたな、そんなことを急に思い出しました。同じ視点かと思いきや、あなたが見ているものは何かが違う、角度というか深さというか、温度も熱量も、その感じ方にはっとなる時がある、だから感想を聞きたくなるんだ。そのようなことを、沢山の人に言われてきたのだと嬉しくなりました。

休校中、私を慰労しようと市内の公園までMさんが遊びに来てくれて、息子と一緒に遊んでくれた桜の時期。すると、息子の顔色が悪いことに気づき、慌ててシートの上に寝かせました。私も朝から寒暖差の影響で頭痛が発生していたので、もしかしたら同じ症状かと本人に聞いてみると、頭が痛いし気分が悪い~と教えてくれて納得。理由が分かったので、良くなるまで寝転んでいるんだよと言って、背中をさすっていると安心して目をつむってくれました。そして、近くに座っていたMさんに報告。「遊んでくれたのにごめんね。気温差の影響で辛くなっちゃったみたい。私も同じ症状だから気持ちが本当によく分かるんだよ。」そう伝えると、優しく微笑みながら気にしないでと言ってもらい、春の日差しを浴びながら温かい時間が流れました。その後、復活した息子が遊具で遊びだし、この公園の桜の木を見上げながら、Kちゃんに助けられたんだとぽつりと話すと、言葉を詰まらせてくれました。「まさに今座っているベンチ、ここからまだ咲かない桜の木を眺めていた。あの時、誰にも会いたくなかったんだ。でも彼女にだけは会いたいと思った。」そんな話をすると、苦しかった時期を共有してくれているかのような彼の温かさを感じ、堪らない気持ちになりました。知ってるよ、だから僕はあなたに声をかけたんだ。苦しみを乗り越えようとしている人にしか書けないものがある、その姿を見て沢山の人が励まされているよ。行間からじゃない、ただ隣にいてくれるだけで伝わってくる想い。こんな春も悪くない、そう思わせてくれた短くても深いやりとりでした。

翌日、また寒暖差にやられた私が息子に伝えました。「お母さんね、今日ちょっと気分が悪いの。あまり遊べなくてごめんね。」すると、にっこり笑顔で言ってくれて。「ボクもね、昨日頭が痛かったから、ママの気持ちわかるよ。」昨日、Mさんに話した内容をしっかり聞いていたなと驚くやら、嬉しいやら。全く同じ温度で伝えてくれた彼のハートに胸がいっぱいでした。
「その気持ち、分かるよ。」この言葉に、私は助けられてきたんだなと。同じ経験はしていなくても、分かろうと、寄り添おうとしてくれるその優しさで張り詰めていた心がじわっと熱くなるんだろうなと。

母と息子の会話を何気なく聞いていたある日。「ボクね、野球選手とお金持ちになるのが夢なんだ。」「あのね、野球を頑張って、有名な選手になったらお金持ちになれるかもしれないよ。Rの夢、二つとも叶うかもね~。」「えっ?そうなの?!」と二人でよく分からない盛り上がり方をしていて、思わず笑ってしまいました。この人達に悩みはあるのか?頑張った先に手に入ったお金でハーゲンダッツを食べられるから美味しいんだよ。そんな価値観を伝えるよりも、自分で掴みに行け。何が正解だと思うのか、自分の世界を広げたら答えなんて無数にあるのかも。お金持ちになったら、ブランコ付きのキャンピングカーが買えるかもしれないよ。