ずっと行きたかった街仙台へ

旅行の前日、本当に短時間だけ姉と会うことになり、またKate Spadeのネックレスを渡してくれました。義兄の気持ち、そして1UPできるようにというネネちゃんの気持ちが入っていることも分かっていて。「ありがとう!実は明日からRと仙台旅行に出かけるの。楽天戦を観に行ってくるよ!」「え~!いいな~。マー君によろしく!!」その言葉に笑いながら、3.11の時のことが蘇ってきました。母とオーストラリアに行っていた時、異変を感じ、国際電話をかけると伝えてくれた姉の声。「日本が大変なことになっているの。」その時受けた衝撃、それはずっと私の中で消えることはなく、ようやく明日復興をした仙台に行けるのだと思うと、堪らない気持ちになりました。この想いは、読んでくださるみなさんと共に。そして、帰りながら息子が、「マー君って誰?」と聞いてくれたので、笑いながら伝えました。「楽天のエースだよ。田中投手。下の名前が将大選手だからマー君って呼ばれているの。」へえ、そうなんだ~とわいわい帰宅。そして、夢の中へ。

翌朝、私だけ睡眠不足の中、慌てて最後のパッキングを済ませ、台風一過の空は眩しく、胸が高鳴りながら最寄り駅まで歩きました。特急電車に乗り、なかなか寝ることはできず新宿へ。プログラマーのMさんが東京駅まで案内してくれることになり、スーツケースを運んでもらいました。中央線に乗り、東京駅に着くと人でごった返していて。そして、駅弁を買い、ホームに行くと『やまびこ』がやってきてぐっときました。この新幹線に乗れば、仙台に着くんだ。それはもう言葉にならない程の気持ちでした。その後、ホームまで見送ってくれたMさんにバイバイし、いざ出発。二人席に座った息子と盛り上がりながら、駅弁を頬張った時間。全てが思い出になることを分かっていたので、なんだか胸がいっぱいで、あまり食べられなくて。そんな私をよそに、天むす8個と鳥そぼろ弁当の半分以上をペロリと息子が食べ、笑ってしまいました。いい旅にしよう。そんなことを思いながら、短時間だけ眠りに落ちて。そして、ふと目を覚ますと福島を通過し、仙台駅に着きました。2011年の震災から12年、ようやく来ることができ、感無量でした。その後、新幹線の改札を出ると、想像以上に仙台駅が大きくて綺麗で、嬉しい困惑。「だめだ。お母さん仙台駅を舐めていた!めちゃくちゃ広くて、ホテルの場所が分からない。とりあえずお茶しよう!」と右往左往していると、ネットで予め調べていたタピオカ屋さんを見つけ、安堵。大好きなタピオカミルクティーにご満悦の息子は、椅子に座ることなく、歩きながら飲みたいと言い出し、混乱極まりない状態の中、スーツケースをゴロゴロ引きながら、ようやく遠回りをして目的の場所が分かってきました。すると、見つけたのはスタバ!「ママ、旭川ではスタバに入るのを忘れてアプリのスタンプもらい忘れていたから、仙台では行けるといいね!」と毎日のように息子が言ってくれていたので、二人で歓喜し店内へ。レジ前のポテトチップスを店員さんに渡し、テイクアウトでお願いしますと伝えると、満面の笑みで伝えてくれました。「他にご注文はありますか?」と。「大丈夫です。近くのホテルに泊まるので夜食に頂きます。」「ありがとうございます。いい旅にしてくださいね。」初めて仙台でゆっくり会話をしたのがスタバの店員さん、ようやくこの地に来られました。ありがとう。色々な気持ちを持って、お店を後にしました。そして、やっとたどり着いたホテルでチェックインを済ませ、お部屋へ。息子とはしゃぎ、歩き疲れた~と休んでから、また仙台の街へ繰り出しました。夜は長いよ。きゃっきゃっと仙台駅まで戻り、おみやげ屋さんを見て回り、ずんだシェイクを飲み、息子が欲しがっていた商品が分かっていたので、楽天ゴールデンイーグルスのお店へ。すると、店内に入ってすぐにお目当てのお買いものパンダがいて大喜びする姿に胸がいっぱいでした。どれにしようか散々迷い、結局楽天のユニと帽子を被っているパンダに決定。レジで、息子がつば九郎のお財布を出したので、吹き出しそうになって。バリバリのヤクルトファンだと女性店員さんにバレたかなとあれこれ思っていると、商品を袋に入れてもらい歓喜している10歳児がいて、私も幸せをもらったようでした。その後も、おみやげ屋さんに入ると、見つけたのはマメ柴兄弟ではなく、秋田犬。体に『あきた』と書いてあり二人で大爆笑。「仙台に来て秋田犬を連れて帰ったら、それはそれで面白いけど突っ込まれるよ~。」「え~、でもかわいい。」とすっかり一目ぼれをしたようだったので、とりあえずお寿司屋さんに入ってそれから考えようと一旦離れました。すると、立ち食いのお寿司屋さんを見つけ、そう言えばラガーマンのTさんが仙台出張で立ち食いのお寿司でも食べてきます!って言っていたな、きっとここだと嬉しくなって。そして、近くのお寿司屋さんに入り、息子が大好きなマグロを堪能しました。本当に来たよ、仙台。見るもの、食べるものに感激してしまい、いい夜でした。結局、息子の一目ぼれはマグロで逸れることなく、秋田犬を連れて帰ることに。暗くなった街をずっとわいわい歩きながら、コンビニで夜食を買い、疲れた体でホテルに戻ってきました。大きな湯船に浸かり、ほっとしてソファに座ると、スマホのメールに気づいて。明日の予告先発が岸投手だと分かり、この選手知ってる!と一人で大盛り上がり。一か月以上前から楽天対ロッテ戦のチケットを買い、近くのコンビニで発券しました。若い男性店員さんが、「これで合っていますか?」と心配そうに聞いてくれて。「合ってます!!」と手にした日からずっと楽しみにしていました。明日は晴れ、本当にこの日が来たよ。星野監督が胴上げされた球場まで、あと一日。がんばろう東北、この気持ちをずっと持ち戦ってくれている選手達がいる。息子を連れて、明日行きます。

仙台一日目は、気持ちのいい疲れと感動と共に、早めに就寝。息子はお買いものパンダと秋田犬と共に、眠りに落ちました。12年間行きたいと願っていた街は、なんだか美しくて。明日は1日中歩くよ、その空気に触れ、生涯忘れない時間になりますように。