もう今さら理由は言わないのですが、700記事目を書いた時、それなりに凹んでいました。それでも、800記事目を書く時は必ず笑い話にすると決めて、本当にここまで来られたことに感無量です。約束通り、笑えたよ。自分が歩いてきた道を一緒に歩いてくれているみなさん、改めてありがとう。平坦じゃないですね。それでも、途中に咲いている花に励まされ、見上げた空に感動し、助けてくれる方達を大切にしていきたいとずっと思っています。この間、スーパーのレジで並んでいると、近くを取りがかったご年配の男性が陳列されていたお菓子を雪崩のように落としてしまい、慌てて手伝いに行くと恐縮されてしまいました。レジの方に呼ばれ、「最後まで手伝えなくてすみません。」と言うと、「気にしないで。ありがとね。」と優しく言われ、なんだか胸がいっぱいに。その翌日、別のスーパーで一週間分の買い物を済ませ、ノートパソコンもかごに入っていたので、ふらふらの状態で自転車を漕ぎ始めると、上にあったしらたきを落としてしまいました。すると、すぐ近くにいたご年配の男性が、「拾ってあげるよ!」と言って、ささっと渡してくれて感激。「ありがとうございました。本当に助かりました!」そう伝えると、「いいよいいよ。気を付けてね!」そう言って手を挙げ気持ちよく去って行ってくれて。誰かを助けると、誰かが助けてくれて、受け取ったものをまた誰かに返していく。ひとつひとつは、大したことないのかもしれない、それでも、その人にとって道端に咲いているたんぽぽのように思ってくれたならと願って、さくらdeカフェは今日も元気に営業しています。通りすがりに出会えた方はたんぽぽ、でも読者さん達はさくらの芽がどんな風に咲くのか、温かく見守ってくれています。それが私の原動力。
今日は三か月に一度の婦人科へ行ってきました。下腹部の痛みが強くなることがあると伝えると、笑いながら先生が話してくれて。「前回内診をした時に、背中の方まで癒着が起きていたから本当に痛いのが分かるよ。ホルモン剤と痛み止めで、閉経までうまく付き合っていこう。それしかない!」と快活に言ってもらえたので、なんだか一緒に笑ってしまいました。道は一本、迷いようはないから元気に進め!という先生のメッセージを受け取りながら、何とも言えない寂しさがこみ上げてきました。今までふっくらされていた目の前の医師が、随分痩せてしまい、顔色もあまり良くなくて、悪い病気にかかっているのではないかと不安が頭を過って。漢方内科の主治医が痩せた時、「先生痩せました?」と咄嗟に聞けたのは、ご本人がとても元気だったから。案の定、ストイックなダイエットに成功していて一緒に笑えたのですが、今回は聞いてはいけないものがそこにある気がして、何も言えませんでした。MRIにはのってこなかった右側の卵巣にも手術中腫瘍が見つかり、閉経前なら全摘出していたけど、まだ若いから女性ホルモンを出すために悪いところだけ取って残す判断をしたと術後に教えてくれた医師。「癒着部分の痛みと、右側の卵巣腫瘍の再発を防ぐために、長い戦いになるよ。10年様子を見ながら頑張って乗り切ろう。」術後も、この先生はそばにいてくれるのだと思うと、本当に心強く、大きな支えになっていました。先生にもしものことがあったらと思うと、色々な気持ちが駆け巡るのですが、次回の診察で「実は胃腸炎だったんだよ~。」なんて笑い飛ばしてくれることを願って、執刀医の健康を祈ろうと思っています。
『Mr.サンデー』や『とくダネ!』(フジテレビ系)でコメンテーターをされていたジャーナリストの竹田圭吾さん。がんで闘病中であることを公表し、以前よりも痩せた姿を見せ、自分の足で歩くことが困難になってもコメンテーターとして使命を貫く姿に胸を打たれました。日々、どんな思いで過ごされていたのだろうと改めて考えていたら竹田さんのツイートを発見。『どれだけ治療が順調で、家族に寄り添われて、友人や仕事仲間に励まされても、孤独からは絶対に逃れられない。病状が進めばさらに深まる。孤独は克服できないけど、違う側にいる自分を現実として向き合って、その認識を周囲と共有することで、ちょっと種類の違う人生が続いているだけなんだと思える。』(2015年9月29日竹田圭吾さんのツイッターより)
いつも冷静沈着で、その中に温かみのある方だなと感じていたのですが、闘病中こういった気持ちでいたのかと思うと、堪らない思いがこみ上げてきました。竹田さんは、最後の最後までプロフェッショナルであり、どんな自分とも向き合ってこられた方なんだろうなと。ありのままをさらけ出すこと、その姿を見て励まされる人がいるなら、そんな気持ちを竹田さんから教わったのかもしれません。
このサイトを立ち上げる前、プログラマーのMさんが何を書きたいのか聞いてくれました。「人、人を書きたい。自分も含めて、これまで出会った人達がどんな風に生き、何を感じ、どうしていきたいのか。見えているものが全てじゃないんだ。内側に沢山のものを抱えていてね、自分だけじゃないんだって思えた時、読んでくださる方の心が少しでも軽くなってくれたらいいなって。カウンセリングって敷居高いよね。でも、誰かのひと言で救われてきた私が書くことで、届いてくれる気がするんだ。未知の世界だけど、私のように苦しい自分を奥底に押し込めて、頑張っている自分を前に出して、誰にも言えない中で、笑っている人沢山いると思う。これまで、そういう人にいっぱい出会ってきた。だから、ネットの世界でも出会える気がするんだ。」積み重ねた800記事を、このような気持ちで書き続けた私をMさんは誰よりも知ってくれていて、苦楽を共に歩んでくれる最高のビジネスパートナーです。さくらいろが変わらずその色でいられるのは、彼のおかげです。頭の上に漬物石が乗っかった状態のようなホルモン治療が終わるのは、9年後の予定。その時こそ、ここに集まるみなさんと本気の乾杯ができることを願って、進もうと思います。振り返った時、お互いの年表がカラフルなものになっていますように。後悔のない人生を送ってください。