今は、どうしても息子の幼稚園送迎がある為、時間や場所には限りがあるのですが、自宅を拠点に動いている範囲は、狭いようで実は沢山の出来事が詰まっていることにはっとなります。ここで書かせてもらっていると、改めてそのキラキラに気づき、嬉しくなることが盛りだくさん。
幼稚園からのなんでもない帰り道、息子を自転車に乗せて、ほっとしながら帰る途中、何度か話したことのあるお母さんと息子君と、その友達二人が交差点で一旦停止していました。一人の子がなぜか急にクラウチングスタートのポーズを取り始めたので、もう二人がつられて同じ格好を取り、お母さんも通りすがりの私も大爆笑。車の運転手さんが見たら、面白すぎて運転が危なかったかも。それにしても、なぜクラウチング?!
電車移動は、遅延などが気になり、お迎えに遅れるといけないので、駅周辺にいることも多く、早歩きで移動する方達の中にいると、自然と同じ速度になり、いい感じの緊張感までもらっているような気がして、身を引き締めたい時はわざと駅近のベーカリーカフェに行こうと決めました。男性のスーツ率が高いという、こっそりとした刺激も堪らない。どうしてだろうと思っていたら、コンセントもある電源カフェでした。確かに、パパっとパソコンを開いて、短時間で帰るビジネスマンの方をよく見かけます。
自転車が本当に大好きで、大学1年生の頃、少し余裕があった時に、短期間だけマウンテンバイクのサークルに入りました。自転車と荷物を抱え、名古屋駅から大阪まで出て、港からフェリーに乗り大分の別府港まで。そこから日帰り温泉を楽しみながら、宿に泊まり、最終日は阿蘇山へ。なんとなく父に借りたマウンテンバイクの調子が悪く、それでもみんなについていった途中、ガリっという音と共に全く走れない状態に。その時、たまたま山道を車で走っていた方が窓を開け、「頑張れ~!」と言ってくれて、近くにいた男友達も止まり、状況を把握し、「一緒に歩いていこう!」と伝えてくれました。
頂上まで行って戻ってきた皆を、山の途中で待つのではなく、皆で一緒に登って同じ景色を見よう。そんな気持ちが届き、言葉に詰まって何も言えないまま、ただ頷き、自転車のサイドに付けた荷物の重さを感じながらも、必死に歩きました。頂上が見えてきたので、友達に、「最後は自転車でゴールして。私は大丈夫だから。」と伝えると、「向こうで待っているぞ。」と笑ってお別れ。その後、最終日ということもあり、へとへとになった体で気力だけで登りきると、皆が笑顔で待っていてくれて、本気で泣きそうになりました。学年も性別も色々な15人ぐらいのメンバー。長旅を一緒に過ごし、時間と共に親密になっていったその過程は、青春そのものでした。
登り切った後の阿蘇山からの景色は、呼吸するのも忘れる程綺麗でした。ハプニングがあっても諦めなかったからこそ見えた景色。喉がカラカラで、誰とも話せない程疲れ切っていたのに、体の奥底から溢れそうになるこの気持ちを忘れないでいようと目に焼き付けたあの景色は、今も大切にしまってあります。もちろん喜びも、達成感という大きなご褒美も。
今自転車に乗れても、1km圏内かな。でも、息子が後ろに乗る重さを感じられるのはあと少し。沢山の思い出と共にいつもそばにある大切な乗り物は、これからも一緒に時を刻む。
スケボーパパの気持ちが分かったよ。